14.始まりの街 ブランジリ
シュウとティアリスは仮身分証を門の前にいた衛兵に見せて門に入った。
門のある防壁は高さは10メートルほどで3メートルほどの厚みがあった。
門をくぐって街に入ると映画や洋モノを題材にしたゲームで見られるような石と木で作られた家が並んでいた。
道行く人々は布でできた簡単な服やワンピースを着た一般的な街人や、剣を腰に下げた鎧姿の人、杖を持ってローブを着たいかにも魔法使いといった人がいた。
シュウが驚いたのは、その道行く人々の中に人族以外の種族が普通に歩いていたことだった。
髪から猫や犬の耳が覗き、しっぽが揺れている。
他にもファンタジーではお馴染みの耳の尖ったエルフや小さな体に似合わない大きな武器を背負ったドワーフのような種族も少ない割合だが歩いていた。
「シュウさん。次の方の邪魔になるので移動しましょう」
門の出口のど真ん中で立ち止まって街に見入ってしまっていたようで、後から入ってくる人達が迷惑そうにシュウ達を見て通り過ぎて行った。
ただ、こちら側の衛兵はシュウのようなおのぼりさんをよく見るのか、生暖かい視線を向けていた。
「あ、うん。
ちょっと横に行って、アロンさんを待とうか」
恥ずかしさに顔を赤らめつつ、門の正面から移動し、アロンを待つことにした。
「たくさんの人がいるね。
それに人族以外の種族もけっこういるんだ」
恥ずかしさを誤魔化すようにティアリスに話しかけた。
「そうだね~。
このブランジリはウィンストリア王国でも王都の次に大きいって言われてるからね。
人族以外の種族が多いのは・・・
何でだろう?」
ティアリスも種族が多い詳しい理由はよくわかってないようで説明できないようだった。
そこに門をくぐってきたアロンが合流したので、シュウは人族以外の種族が多い理由を聞いてみた。
アロンは二人にウィンストリア王国が他国に比べ開放的で他種族にも寛容であること、その中でも周辺のモンスターも弱めなものが多いブランジリは駆け出しの冒険者にはうってつけで、冒険者になるためにわざわざ他国から訪れる者も多いと説明した。
それがブランジリが始まりの街と呼ばれる所以だと付け加えた。
「では、まずは冒険者ギルドに行こうか。
冒険者登録をして、ギルドカードをもらった方が街にいるなら便利だ」
アロンはまだキョロキョロと周りを見ている二人に言った。




