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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第三章 獣人戦争
114/303

110.勇者登場2

世界を救う勇者様の登場だ

「あなたが勇者……?」

 キョウの言葉を聞いてみんなが驚く中、ティアリスが真偽を問う。

「ハッ!

 選ばれし聖槍の勇者とは俺の事よ!」

 キョウは親指を立てて自分を指しながら名乗る。

 シュウはキョウの言葉に半信半疑ながらキョウの後ろにいる騎士風の女性に視線で問いかける。

 その視線を受けて女性は今日の前に出て、

「この方はウィンストリア王国の勇者召喚によって来訪された三勇者のお一人キョウ様であられます」

(本当に勇者なのか!

 しかも三勇者……?

 ってことはまだ他にも……。

 あっ)

 シュウは自分もこの世界に召喚された者だったことを思い出す。

(僕があの城からいなくなったことは知られているのだろうか?)

「三勇者って言うのは……?」

 シュウが騎士に向かって聞くと、

「ハッ!

 お前なんも知らねーのか?

 どこの田舎者だよ」

 キョウが口を挟んできた。

 シュウはこの世界の事を何も知らないのも同然なのでキョウに言われても本当の事だからと特に何も思わなかったが、シュウの後ろにいる仲間たちから只ならぬ気配が立ち昇る。

 そのことにキョウと騎士は気づいていないようだ。

「三勇者とはウィンストリア王国に顕現なされた三人の勇者様の事です。

 勇者様方は女王陛下よりそれぞれの資質によって世界に伝わる伝説の武器になぞられた称号が与えられ、聖槍のキョウ様の他に聖剣と聖弓の勇者がおられます」

 どうやらシュウも召喚されたが勇者としてカウントされていないらしい。

 いなくなったことがわかっていないのか隠されているのかはわからないが……。

(僕にも何か伝説の武器があったりしたのだろうか?

 剣、槍、弓ときて、もしや盾とかじゃないよな……?)

「俺が一番最強だけどな」

「他の勇者もここに来ているのか?」

 シュウはキョウの言葉に偶然被せ気味になったが他意は無い。

 キョウ以外の勇者がこのギルドにいるのではないかとギルド内を見回してみる。

 キョウは露骨にムッとした顔になった。

「聖剣と聖弓の勇者様はそれぞれ他の国に赴かれて修行されてます。

 キョウ様もこちらには修行の一環とパーティメンバーを求められて来訪されましたが……」

 騎士はギルド内の様子を見て言葉を止める。

「何やら只ならぬ雰囲気の様子。

 何か起きたのでしょうか?」

「あー。

 あの列は何なんだ?

 お前らここの奴らだろ?

 何か知ってるなら教えろ」

 キョウは腕を組んでこちらに聞いてくる。

「お前それが人に聞くた……」

 キョウの聞き方にクランが言い返そうとするがシュウが遮る。

 女性騎士がクランの方に険しい顔を向けたからだ。

「おおー、おおー。

 この聖槍の勇者様に楯突こうってか?」

 キョウもクランを睨みながら声を荒らげる。

「さっき王国からミッションのお触れがあったんだよ。

 三日後に王国の騎士がこの街の近くにある獣人の前線基地に総攻撃をかけるそうです。

 あの列はミッションに参加希望の冒険者の受付の列です」

 後ろのクランを制止しながら、険しい顔の正面二人にミッションの説明をする。

「王国からの……?

 そんな……」

「おい、俺は聞いてねーぞ。

 どうなってるんだ?」

「私も聞いておりません……」

「ふっ。

 このタイミングでミッションとはどうしてもこの俺にミッションに参戦して勝利をもぎ取ってほしいという女王からのサプライズクエストってとこか。

 三勇者の中でも期待される身は辛いねぇ~」

 キョウが腕を組んで勝手に納得している。

「このミッションは他の二国、バスティオン王国とサンドラム公国とタイミングを合わせた電撃作戦のように説明されましたけど」

「バスティオン王国?

 サンドラム公国?」

 キョウは聞きなれない国だったのか女性騎士に尋ねている。

 かくいうシュウも先程初めて聞いた国で場所も知らない。

「バスティオン王国は聖剣の勇者様が、サンドラム公国は聖弓の勇者様が向かわれたお国です」

「けっ。

 俺だけじゃねーのか」

 キョウは他の勇者が向かった国もミッションが公布されていることに明らかに落胆している。

 しかし、それも一瞬のことで、

「ま、俺がここのミッションで他の勇者どもよりも敵の大将を殺れば問題ないっしょ。

 スタートの時間は同じだよな?

 ふふ。

 RTAは得意なんだ!

 他の勇者がフライングするとか寒いことしねえよな。

 この勝負、俺が貰うぜ!」

(この男ゲーム感覚か……?

 こんな感じで戦いに出て大丈夫なのか?

 戦争だぞ……?

 勇者って呼ばれるぐらいだし、余程自信があるみたいだから強いのだろうけど。

 まぁ危なくなればこの騎士が護るか……)

 シュウは少し呆れながら、自分で勝手に盛り上がっているキョウを見てから、女性騎士を見る。

 女性騎士は、

「あーるてぃーえー?」

 と小首を傾げながら呟いている。

 RTAはシュウの元の世界で使われていたゲーム用語でリアルタイムアタックの略だ。

 ゲームのクリアするまでの時間を競うというプレイスタイルのことである。

(この世界の言葉に翻訳してくれる機能も対応できる範囲に限界があるのか……?

 ティア達にも通じてないみたいだから、僕もわからないフリをしておくか。

 これから僕も使う言葉に気を付けないと……。

 アルテに確認したら通じる言葉と通じない言葉わかるかな?)

『解。

 可能』

(今度、寝る前にでも言葉の確認するか)

『夜中に言葉攻めですか』

(……変な言い方しないように)

『了解』

 シュウが頭の中でアルテと会話をしている間にキョウも落ち着いたようだ。

「そうと決まれば俺達もミッションに参加だ。

 おい、そこの女魔術師行くぞ」


 キョウがティアリスを指差して言い放った。

普段の生活をしている時ふと思ったんです


この章のタイトルこれにしたら


事が始まったらサッと終わって話広がらなくない?

二章よりもすごく短くなりそう

まあいいか……


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです


勇者の話が続きますよ


それではまた~

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