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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第三章 獣人戦争
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108.ミッション告知

暖かくなったり寒くなったりどっちなんですか

(ワクチンの反作用の時に寒くなった)


ええ、もちろんバトルなんてないです

 サーシャの同僚と思われる受付嬢から個室の中にかけられた声にシュウ達は一斉に顔を見合わせて反応した。

「僕達には関係ないけど聞きに行ってみよう」

 シュウがみんなを見渡してから提案し、皆は頷いて応える。

 なぜか、サーシャもその中に含まれていた。

 シュウが立ち上がり個室のドアを開けてギルドの入り口に向かった。


 シュウ達がギルドから広場に出ると、そこには来た時に見たよりも人が増えていた。

 ギルドの中にいた上位ランクのパーティや噂を聞きつけた冒険者達が集まって来たのだろう。

 集まった冒険者達は同じ方を向いて先程とは違って静かにしている。

 その視線の先にはさっきはいなかった三人の男が立っていた。

 二人は同じ格好をしていていかにも騎士という格好で、その二人に挟まれた男は文官のようで眼鏡をかけていて賢そうだ。

 その文官が手に持つ丸めた羊皮紙を掲げて声を張り上げる。

「これよりウィンストリア王国女王陛下からのミッションを読み上げる。

 冒険者の諸君は心して聞くように」

 文官は丸めた羊皮紙を広げて目の高さに持ち上げる。

『ミッション。

 前大戦から鳴りを潜めていた獣人共の動きが活発になりつつある。

 領内から獣人による人攫い、略奪の報告が何よりの証拠だ。

 そこで、三日後ウィンストリア王国、バスティオン王国、サンドラム公国は同日同時に領内の獣人共の前線基地に総攻撃をかける。

 そこに冒険者の諸君も加勢を願いたい。

 報酬は戦果に見合うことを約束しよう。

 対象はパーティ単位でランクを問わないものとする』

「ランクは問わないだと?」

「え?誰でも参加できるって事?」

「パーティだったらな」

「Fランクとか役に立つのかよ」

「補給物資ぐらい運べるだろ?」

「なるほど」

 読み上げられたミッションの内容に静かに聞いていた冒険者達が話し合っている。

(これって獣人?との戦争に参加しろってことか?)

 ミッションの内容を聞いたシュウはまずそう思った。

 最初にこの世界に来た時も感じたことだが、平和な世界で育ったシュウにはこのような争いごとが起きることに異世界に来た事を強烈に意識させられてしまう。

『参加するパーティのリーダーは冒険者ギルドの受付にて参加を表明されたし』

「げ!?」

 続きが読み上げられた時、シュウの後ろから呻き声が聞こえた。

 不思議に思って振り向くと、そこには驚いた顔を青くして開いた口を震わせているサーシャがいた。

「サーシャさんどうかしたんですか?」

 シュウが尋ねるがサーシャはミッションを読み上げる文官から目を逸らさない。

 聞こえていないようだ。

『参加した冒険者パーティには働き如何によって王国から冒険者ランクの昇格させよう』

「えっ?」

「ランク昇格!?」

「昇格クエスト替わりってことか!」

「俺らこの間昇格したばっかだけど昇格できるのかな?」

「働き如何ってことだからわからんな」

「魔物ぶっ殺せばいいだけだろ?

 楽勝じゃん」

 ミッションの内容にさらに周囲の声は大きくなるが、シュウは反比例して顔が青ざめていくサーシャが気になった。

『三日後、ウィンストリア王国騎士団がここブランジリの西の山脈に位置するコボルド共の前線基地を叩く。

 参加する意思のある者はギルドにて登録をし、準備をするように。

 あまたの勇猛なる冒険者の参加を期待している。

 ウィンストリア王国女王、エヴィリア・エル・ウィンストリア』

「以上がミッションの告知となる。

 冒険者達よ、ギルドにて参加の表明を行うがよい」

「「「「うおおおー!」」」」

「やるぜー。

 報酬は俺の物だ!」

「一気にランク上げてやるぜ!」

「オレは参加するぜ!」

 文官がミッションの読み上げが終わるや否や冒険者達の声が爆発する。

「どけどけ!」

「おい、押すな」

 参加する意思のある冒険者がギルドに詰め寄ろうと押し寄せる。

 入り口から出たすぐの所でミッションを聞いていたシュウ達はその波のような圧にギルドの中へ押し戻されてしまった。

「危ない!

 横に避けよう!」

 流れによって奥に押し込まれそうになったシュウはティアリスとサーシャの腰を抱えて流れから逸れるようにギルドの端へ移動する。

 それにクランもリンの手を引いてついてくる。

「ふひーびっくりしました」

 人の波が落ち着いた場所まで来てリンが肩で揺らしながら呼吸を整えている。

 この中でも一番体格の小さいリンは押し潰されてしまいそうだった。

「みんな怪我はない?」

 シュウが全員を見回して聞く。

「もう大丈夫だから」

 ティアリスがまだ腰に回したままのシュウの腕を見ながら呟く。

「あ!

 ごめん!」

 慌ててシュウはティアリスとサーシャの腰に回していた腕を放して一歩下がる。

「それにしても、ミッションの内容にびっくりしたなー」

 クランが頭の後ろで手を組んで、ミッションの事を思い返しながら呟く。

「ああ、ほんとに。

 関係ないと思ってたけど、ランク関係なしに参加できるなんてびっくりだね」

 シュウも顎に手を当てて文官が読み上げたミッションの内容を思い出す。

「まだ冒険者になったばかりの人も参加できる内容だけど、獣人の砦を攻めるっていう言わば戦争よね?

 大丈夫なのかしら?」

 みんな同じように輪になって考え込んでいる。

「参加はパーティでって事だったから、仲間でフォローし合えってことだろうけど、ギルドから何か意見はしなかったんですか?」

 シュウは考えながらサーシャにこのミッションについて尋ねる。

 が、

「……」

 ここまでサーシャが微動だにしていないことに気付いた。

「サーシャさん?

 大丈夫ですか?」

 シュウがサーシャに意識を向けると、外で見たときも顔が青ざめていて、受付に並ぶ冒険者の列を見つめている。

「サーシャさん、本当に大丈夫ですか?」

 シュウがサーシャの肩をゆさゆさと揺らすとやっと気が付いたのかサーシャの視線と合った。

「え、ええ。

 ごめんなさい。

 何だったかしら?」

 サーシャは話を聞いていなかったのかシュウに質問を尋ね返す。

「えーっと、今回のミッションがさっき聞いた話と違って冒険者ランク問わずに参加できるのってギルドからは何か意見したのかな?と」

 シュウが再度サーシャに質問を繰り返すと、


「ギルドは何も聞いてません」


 顔をこわばらせたサーシャが少し怒気を込めて呟いた。


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです。


時勢的に戦争事は書きづらいですが暫くお付き合いください


それではまた~

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