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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第三章 獣人戦争
111/303

107.ブランジリの冒険者

説明回なのです

「ミッションとは?」

 また聞きなれない単語が出てきた。

「あ、あ~……。

 説明するのでこちらに来てください」

 シュウの頭の上に浮かぶハテナマークが見えたのか、サーシャはシュウ達を個室に連れていく。

 今日は人数が多いので小さな会議室みたいな大きさの個室だ。

 机が四つロの字型に並んでいて二つずつ椅子が置かれている。

 そこにシュウ達が二人ずつ座り、シュウの対面にサーシャが座った。

「では、ミッションについて説明しますね。

 皆さんは同じ時期に冒険者になられたので今回が初めてのミッションになるかと思います」

 シュウとクランとリンがフンフンと頷きながら聞いている。

 シュウが横をチラッと見るとティアリスは無表情で正面のサーシャを見ている。

(あ、これティアは知ってるやつだ。

 アロンさん辺りから聞いてたかもな)

「皆さんに日頃受けて頂いているクエストは街の住民やギルドから依頼したものですが、ミッションは国からの公の依頼となります。

 国家の存亡にかかわるような魔物や事態に対応を依頼することが多いです」

「国家の存亡って……。

 そんな無茶な依頼を……?」

「もちろん誰でも受けられる訳ではありません。

 国も発行した依頼で人が死ぬことがないように新人の冒険者は参加できないように、冒険者ギルドのランクを使って参加できるかどうかを判断します」

「ああ、そうなんですね……」

「本来はそういう経緯もあるので事前にギルドには連絡があるのですが……」

 ここまでいつもの笑顔で説明してくれていたサーシャだったがその顔が曇る。

「今日は違ったと……?」

 サーシャの顔と言葉尻から推測したことを口にすると、サーシャは静かに頷いた。

「今朝方、急に王都からの使者が来られてミッションのお触れを発するとだけ伝えられて。

 ギルド長が内容とランクがいくつからなのか尋ねたのですが、『教えることはできない』の一点張りで」

 サーシャの言う内容に驚くシュウ。

「そのことを他の冒険者は知っているのですか?」

 シュウの横で冷静に尋ねるティアリス。

 その問いに首を振りながら、

「ギルド長と一部の受付と担当者付の冒険者の方々だけですね」

「そうですか。

 外で群がっていた冒険者達はそれほどランクが高くない人達でギルド内にいたパーティは高ランクで担当者付ではないですか?」

「ど、どうしてそれを?」

「単純に中にいるパーティの装備と雰囲気が外の冒険者と違っていたと思っただけです」

 サーシャが驚いている中、ティアリスの言葉を聞いてシュウもギルドの中と外の冒険者を比べてみた。

 たしかに外の冒険者は一般的と言った装備で似たり寄ったりだったが、中にいた冒険者パーティは見た事もない装備だった気がする。

「それに、外の冒険者パーティはギルドでよく見た人達だわ。

 高ランクの人達はクエストの内容によって街にいない期間が長くなるから見ない人達が多いはず」

 シュウが思い出した装備だけで比較する外はCランク以下とBランクの人も数人いた。

 ギルドの中にいた人はたしかにBランクの人の装備で、数人見た覚えがない装備の人もいた。

「ティアリスさんはこの街の冒険者さんみんな覚えてるんですか?」

 リンがおずおずといった様子でティアリスに尋ねている。

「パーティを組んだことがある人はしっかりと覚えているわ。

 あとはパーティに声をかけられるまで待っている時にギルドの中を見ていれば自然とよく見る人、見ない人がわかるようになる。

 でも決め手は雰囲気ね。

 高ランクの人達は何か他のランクの人達と違う感じがするの。

 どこか落ち着いているといった感じで」

 リンの問いにしっかりと答えるティアリス。

 シュウが思っていたよりもティアリスはこの街の冒険者達を覚えていたようだ。

 しかしシュウは冒険者の見える範囲の装備を覚えているが、ティアリスは主に顔と雰囲気重視で覚えているようでそこに少し差がある用だ。

 ちなみにシュウはこっそりアルテで気になった装備を鑑定していることもあるので若干反則である。

「ティアリスさんの言われることはだいたい合ってます。

 ギルドの外で待っている方は数名Bランクの方もいますがほとんどCランク以下です。

 中におられる方はBランクの方と丁度街に戻られたAランクの方達です」

 見た事ない装備はAランクの人達かな、と考えているシュウの横で、

「Aランクの人達がいたんですか!?」

 と、驚く声を上げたのはクランだ。

 そんなクランを不思議そうな顔で見つめるシュウに気付いたサーシャが、

「Aランクの冒険者は本当に一握りの人しかなれないので、冒険者を志す人からすれば英雄みたいなモノなんですよ。

 あー、そういえばシュウさんとティアリスさんに私が担当に付いたのはAランク冒険者のアロンさんの紹介だからなんですよ」

「シュウさんとティアリスさんはAランク冒険者の人に知り合いが!?」

 クランの目からキラキラとした光を放ちながらシュウとティアリスを見つめる。

(アロンさんAランクの冒険者だったんだ……。

 でもたしかに、街に入る時の衛兵さん達やギルドに初めて来た時の他の冒険者達のアロンさんの視線は憧れが混じった感じだったな)

「今アロンさんも戻っておられますよ」

 サーシャの言葉にピクッとティアリスの体が反応した。

「あれ、でもギルドのホールには居ませんでしたよね?」

 入ってきたときの記憶を辿ったシュウはギルドのホールにアロンの姿を見つけられなかった。

 ハーフヒューマンであるアロンがいれば嫌でも目立つし、それに気づかないシュウとティアリスではない。

「アロンさんにもギルド長と国からの使者の対応をしてもらってます。

 きっと後ほどお話しする時間はあると思いますよ」

 サーシャの言葉の後半は大方ティアリスに向けられたものだったが、シュウもアロンと会って話したいしここまで良くしてもらっている理由の一つがアロンの紹介だと思っているので礼を言いたかった。

「話がだいぶ逸れてしまいましたがギルドの中と外でランクが分かれているのは、だいたいのミッションを受けられる基準がBランクからだからです。

 外にいる人達は英雄のAランク冒険者とその候補であるBランク冒険者にどんなお触れが出るか待っているといった感じですね。

 中のAランクとBランクの方たちはミッションの内容によっては受けるか辞退するか慎重に話し合っているといった所でしょうか」

「ふと疑問に思ったんですが、ミッションのお触れっていつもこんな感じで発表されるのですか?」

 話を聞いていて湧いてきた疑問をシュウは尋ねる。

「いいえ。

 本来なら国からきたミッションの内容は使者からギルド長に伝えられて、それからギルド内で適したパーティを見繕って依頼することになるのですが……。

 今日は使者の方がギルドに着くなり入り口で」

『本日、冒険者ギルド前広場にてミッションの触れを発する。

 冒険者の諸君は広場で待機されたし』

「と、急におっしゃられて……

 それから、ギルド長室でギルド長とアロンさんと受付数名で話を聞くことになったのですが、詳しい内容を話してくれないのです」

「サーシャさんも使者の話を聞いてて、それをドレーヌさんは呼びに行ってくれたんですね」

「そうですね。

 膠着状態の空気に耐えられなくなってたところにドレーヌさんが私を呼びに来てくださってたすかりました」

「いいんですか……?

 抜け出すような形になって、その話を僕達にして……。

 他の冒険者パーティの人達は知らないんですよね?」

「大丈夫です。

 出てくる時にギルド長からシュウさん達には話してもいい、というか話しておいてくれと頼まれました」

「話すように頼まれた……?

 ギルド長……マルクさんが僕達にミッションの事を知ってて欲しかった?」

「でも、私達はみんなEランクでミッションを受けられるランクではないですよ」

 シュウが考えながら口にしたことに横でティアリスが補足を入れる。

「んーわかんない。

 国からの使者はなんでミッションの内容黙ってるんだ……」

 シュウはわかっている範囲で考えるが何も出てこない。

 少しでもヒントは無いかとここに至るまでで見聞きしたことを思い出していると、

「あ、全然関係ないですけど、この街に勇者が来てるんですか?」

 ギルドの前の広場にいる冒険者が勇者が来ていると話していたことを思い出した。

「あ、はい。

 そのようです。

 今朝方王国で召喚された勇者様をリーダーとしたパーティが到着したとか。

 私もまだ……」

 サーシャが勇者について話をしている時に、コンコンではなくダンダンと事務所側の扉が叩かれた。


「サーシャ!

 ミッションのお触れが出るわ!」




熱が引きつつあります


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです


皆さんもできる予防・対策はして健やかに過ごしてください


それではまた~

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