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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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幕間.勇者召喚

前話で二章が終わったので今回は予告通り幕間です

 とあるどこかにある一室。

 豪華な装飾が施された部屋だ。

 その室内の窓際に置かれた執務机に一人の人が座っている。

 窓に厚いカーテンが閉められており、光を遮っている。

 執務机の周囲の燭台に今はなぜか火が灯っておらず、閉め切られたにカーテンによって執務机の椅子に座る人物に光が届いていなかった。

「首尾はどうですか?」

 執務机に座る人物が突然口を開く。

 室内にはその人物一人だけしかいなかったはずだが、執務机の周囲を覆う闇からまた別の人物が染みだしてきたかのように現れた。

「各地の準備は万端でございます」

 現れた人物は執務机に座る人物の配下なのか恭しく礼をした状態で報告をする。

「よろしい。

 こちらも準備が整いつつある」

「では、勇者達が?」

「そうだ。

 訓練が終わった勇者から他国に向かわせた。

 最後の者も数日中に各都市に到着するだろう」

 配下からの報告に満足し、自分の管轄の勇者について答える。

「畏まりました」

「各都市で勇者を持て成す準備は?」

「抜かりなく」

「よろしい。

 勇者達には存分に活躍してもらわねばならん。

 その為にも勇者の機嫌を取るに越したことは無い」

「心得ております。

 各都市に勇者が到着次第宴の準備を」

「それからのことはお前に任せる。

 存分に腕を振るうが良い」

「ハッ。

 ありがたき幸せにございます」

 配下の者が一層深く礼をする。

「そういえば……」

 上司の人物が思い出したかのような声を上げる。

「勇者召喚の折に紛れ込んだ異物のその後はどうなったか?」

「ハッ。

 次元の狭間に落ちた後は観測もされず、消滅したものと思われます」

「この世に存在する生物が碌な加護も無く、次元の狭間に落ちれば肉体が耐え切れず滅びるか……。

 その者は魔術師風の装いをしていたとの報告だったが、魔術によって脱出した可能性は?」

「不可能かと。

 見たことも無い素材でできたローブを身に纏い、ローブのフードを被っておりましたが、強い魔力は感じられませんでした。

 あの程度の魔力では次元に穴を開けて脱出するのは不可能です」

「魔術師が異世界から召喚されることは過去にもあったが、その時点で強力な者は魔力でわかるし、魔力が感じられぬ程途上の者ならまだ未熟な状態か。

 そなたが衰弱するほどの魔力を消費せねばならぬほど次元に穴を開けるのは難しかったな」

「左様にございます。

 念のために国内、国外の冒険者を中心に突出した能力をもつ魔術師を調査、監視をしておりますが、次元に干渉できるほどの魔力を持った者は現れておりません」

「ふむ。

 その者を知る者は?」

「召喚者一名が召喚時に言葉を交わしていたようですが、その他の者と接触する前に狭間に落としましたので、その者一名にございます」

「処遇は?」

「勇者召喚成功の虚偽による逮捕。

 逮捕時に抵抗を試みたので同じ宮廷魔術師による鎮圧。

 その後、宮廷魔術師の称号の剥奪、奴隷堕ちとなっております。

 ただ秘術である勇者召喚に関して触れ回らぬ様、薬物によって意識を刈り取りました。

 廃人状態となっておりますので、奴隷として買い手が付かない物として廃棄の予定です」

「おおコワイ。

 その者の家の者は?

 宮廷魔術師となる程、貴族の出であろう?

 子の罪状に申し立てがあったのではないか?」

「ハッ。

 おっしゃる通りにございます。

 男爵の爵位に付いた者の娘であったようでした。

 罪人の娘との面会や免罪の要求があったようですが、神聖な勇者召喚を穢した罪で爵位の剥奪、血筋の者は拘束の上、娘に対しての()()調()()の末、鞭打ちからの絞首刑。

 刑はすでに執行されております」

 配下の者の言葉におかしな点があったのか上司の者は笑いだした。

「アッハッハ。

 神聖な勇者召喚か……。

 一体どの口が言っているのか」

「一般的には勇者は神聖視されておりますので、勇者召喚を偽称することは大罪となります」

 配下の者が真面目に言葉を返す。

「そうであったな。

 召喚者の処遇は大方理解した。

 だが、()()()()()()()?」

「……不明にございます」

「召喚者の証言は?」

「勇者召喚の儀の秘術の書の通りに行ったとしか、自白薬を使っても同様の供述でした。

 この秘術の書は過去の勇者召喚の際に召喚者全員に同じ物が使用されております」

「ならば絶対に()()()()()()()だな。

 その召喚者に特別なスキル(ユニークスキル)・能力があった可能性は?」

「鑑定と血筋の者の拷問からも何もでませんでした」

「なるほど。

 絶対と思われていた物も絶対がないのがこの世のよ。

 わかった。

 召喚された者が消滅した今、残る証拠は召喚者のみ。

 この場で殺せれば楽なモノを……。

 その召喚者の廃棄は確実に行え」

「御意」

 配下の者が最敬礼した後、出てきたとき同じように暗闇に向かって歩くとそのまま気配が消える。

「……」

 残された上司の者が立ち上がり、閉め切っていたカーテンを勢いよく開く。

 室内に遮るものが無くなった光が差し込む。

 その輝く光の中にウィンストリア王国の女王の姿があった。

この幕間の会話も書きたいシーンの一つでした

やはり書きたかったシーンは筆が進みます

幕間だから五百文字程度でも投稿するつもりでしたが

書き終わってみれば通常より少し少ないぐらいの文字数になってました


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです


次話から新章突入!

新章のタイトルは何かな?

楽しみですね


それではまた~

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