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プロローグ1

 この世界の始まりは二回あると言われている。


 一つは、神々が宇宙や空、大地を作り人々や魔物と呼ばれる生き物を創造した事。

 この世界も地球と同じで創世神話がある。それに現存する国々で古から伝わる創造神話があり、どの国でも内容は似たり寄ったりである。

 内容としては、父たる神が空や大地を創造し、母たる神が人や魔物を造り出す。そして父神と母神の間に生まれた子供達が太陽や月や星々を造ったとされている、この星の始まりである。

 

 さて、二つ目であるが……。

 この話をする前に、とある女性の話をしないといけないだろう。

 いや、女性と言うよりは少女と言うべきか……。

 二回目の世界の始まりが、どのように起きたかを知るためには大事な事だろう。

 それを知るには、まず私が居る(・・)世界の事に少なからず触れておこうと思う。

 この世界はかつて(・・・)、魔物と争う事はほぼ無かった。確かに魔物と呼ばれる生き物は人間から見れば強く、そして知性が低くい()が多かった

 けれど、魔物は積極的に人間を攻撃する事も無ければ、魔物が住んでいる森から出てくる事も無かった。

 時たま餓えで人が住む領域まで出てくる事はあったが、それでも此方から攻撃をしなければそれなりに安全でもあった。

 人と魔物の住み分けが出来ていたのである。これは地球で例えるならば、熊や猪などに近い存在である。

 とりあえず、魔物の説明はこれを知っていれば大丈夫だと思う。


 次は、そうだな……。


 色々とこの世界で生活するには大事な力、魔力ついて話そうか。

 魔力とはすべての者に備わっている力である。この魔力を使う事で体を強化したり、手から炎や水を産み出したりする事が出来る。

 他に、魔力は生き物だけでなく物にも影響を及ぼしている。物と言っても自然物のことであり、木や水などに長い時間をかけて蓄積される。特に鉱石に溜まる魔力は他の物より多い事が判明しており、魔力量の多い石を魔石と呼んでいる。

 この魔石は生活していく上で欠かせない物である。地球で電気を使うのと同じように、この世界の住人は魔石の魔力を使い、魔法具で灯りを作りだしたり暖を取る燃料にしたりしている。

 魔石自体は特別な物では無かった為に、生活に関係する割合が非常に多いのがこの世界である。

 魔力についての説明もこの二つを押さえておけば大丈夫だろう。


 それではそろそろ少女の話にいきたいが、その前にもう一つだけ。とても重要な話だ。


 この世界の住人達の中には変わった能力を持つ者達がいる。

 魔力を使って起こす事象を魔法とこの世界の住人は呼んでいるけど、魔法は誰にでも使える。使い方を習えば、得意不得意はあるが子供にさえ扱う事が出来る。

 だが、魔法以外に特別な力を体に宿す者が中にはいるのである。

 例えばであるが、他人を魅了する目を持つ者や相手の嘘を見抜く目を持つ者、他には遠くの音を拾う耳を持った者もいたらしい。

 身体強化では出来ない事である。

 例を上げればキリがないほど思い付く、変わったものでは魔物と主従関係を構築する能力を持った者もいた。

 すべて、魔法では出来ない事ばかりである。

 特別な力を持った者を神子と大体の人は呼ぶ。中には「神に愛されし子」と略さずに呼ぶ人が居るが少数である。

 まぁ、変わった能力を持つ人が居る事を知っておいてほしい。ただ、能力を持つ者は生まれ持って力を授かったのか、それとも覚醒したのかは不明である。そして、ある日自分の力に気付く者も居れば、自我が芽生えた時から使える者もいる。大概の者は能力に気付くまでに時間がかかる事が多い。

 とても重要な事を話したし、今度こそ少女の話をしよう。


 彼女は王都にある数ある商会の一つの商会の一人娘として生まれた。両親が営む店の手伝いをしながら学校に通う普通の女の子であった。

 一人娘である彼女は両親からの愛情を注がれ、とても真面目にそして素直に育つことになる。

 両親が薬草等も扱っていた為に店には冒険者と呼ばれる者達も出入りしていた。幼いころから店の手伝いをしていた彼女は店を訪れる冒険者や取引先の商人などに可愛がられ沢山の話を聞かしてもらっていた。

 大きな魔物と戦った話や隣国の話、砂漠を渡って商売に出掛けた話を胸を踊らせながら聞いていた彼女は次第に冒険を題材にした本も愛読するようになった。

 素敵な勇者が困っている姫の為に戦う話に胸を熱くし、友の死を乗り越え魔王に打ち勝つ物語に涙した。すべて作られた物語だと知っていてなお彼女は本を読むことは止めなかった。

 それほどに心が引かれたのだろう。読む量も自然に増えていった。

 そんな彼女はある日、自分で物語を作ってみようと考え始める。沢山の人から聞かされた話は実体験ではないが彼女の知識を増やしていたし、何より誰かが感動する話を自分で書いてみたいと考えた。

 そう思い至った彼女はその日から物語を書きはじめた。拙い文章を何回も書き直し修正を加えながら自分で納得が出来るまで時には夜遅くまで魔石灯の明かりを頼りに書き続けた。

 物語は少しでも臨場感を出すために自分が生きる世界をモチーフにした。登場する国々は名前は少し違うが実際に存在している国を使い、地理的条件も商人や冒険者の話で聞いたことを参考に細部に拘った。

 そして彼女は物語の主人公に異世界人を選んだ。この星以外から召喚された勇者が活躍する話にしようとした。

 ただ、この世界には勇者を召喚する魔法など存在しなかったし、これは彼女なりのファンタジー小説だったに違いない。

 さて、物語を進めるには勇者に活躍してもらわないと話が進まない。しかし、どのように活躍してもらうかで彼女は悩んだ。姫を助ける話は確かに胸が熱くなったし、いつか自分も好きな物語みたいに格好いい人に巡り逢いたいと夢を見ていたが、それを題材に選んでもイマイチ盛り上がる話が思い付かなかった。

 悩んだ彼女は今まで読んだ物語の美味しい所を少しずつチョイスする事にした。自分で全てを考えたいと思っていたけれど、どうしても良い案が出なかった。案が出ないのなら書かない選択肢も有ったが、勇者が異世界から召喚される設定を思い付いたのは多分私だけだろうと実感がった。

 今まで読んだ物語で召喚される話は読んだことがない。もしかしたら巡りあってないだけかも知れないが、今までに百冊は読んでいる彼女には確信に近かったのだろう。

 そうなると誰もが思い付いてない設定を一旦諦める事は、彼女の物語を書きたいという想いを消すことが出来なかった。

 そうして悩んだ彼女は物語を綴りはじめる。

 プロローグは隣国が大量の魔物に攻められる所から物語ははじまる。勇者が召喚される事態を演出するためである、が……。

 彼女が異変に気付くまでにはかなりの時間が必要だったのは事実だ。

 更新はマイペースに行く予定です。ただ、感想書かれたら頑張っちゃう(かも)。

 まぁ、プロローグ2は早めに投稿します。多分。

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