鍛錬の時
皆のもの、元気であったか?我こそはクラウン・ウェンステッドである。
悪徳領主になる為に、まずは何が必要か考えた。
そして3つの物が必要であるとの結論に達した。
それは、力と金とコネである!
この内、コネは親父が領主をやっている為に問題無いであろう。
問題は力と金だ!これを両方手に入れる方法を思いついたのだ!
『冒険者』だ!冒険者になればお金は入るし、クエストをこなす事で力(実力)もついて行く!(はずだ・・)
よって冒険者になるにはどうしたら良いのかマークに聞いてみた。
「ねえねえ、マークさん!冒険者になるにはどうしたら良いの?」
「ぼ、冒険者っすか?剣術か魔法か弓使えればなれるんじゃないっすか?何でそんなこと聞くんですか?」
マークが軽く回答してくる。
「いや、冒険者になろうと思って!そっか剣術か魔法か弓術を覚えればなれるのか!」
「ち、ちょっと待って下さい!クラウン様が冒険者になるんですか?」
「そうだよ?」
「さ、さ、さっきのは間違いっす!剣術『と』魔術『と』弓術が必要っす!」
マークが慌てて訂正してきた。何を慌ててるんだか。しかし剣術と魔術と弓術が必要なのか・・・
意外に冒険者って高性能だな!剣術と魔術両方必要なのか!しかも弓術もだと!
しかし、親父も魔法剣士として実力者だしこの世界はこんなのが普通なのかもな!
よし、この3つを重点的に鍛えよう。まずは剣術からだな!
「マークさん!僕に剣術教えてくれない?」
「えー?俺っすか?無理っすよ!」
マークは頑なに拒否してくる。俺は必殺の笑顔でもう一度頼んでみた。
「お願い!どうしても駄目?」
マークはタジタジになりながら必死に否定してきた。
「む、無理っすよ!そんな事したらジェイド様や団長に怒られるっすよ!あの二人は本当に怖いんですから!」
ちっ!中々ガードが固いな!これは最終手段だな。これは余り使いたくなかったんだが・・・
「教えてくれないならお父様にうちのメイド口説いている事ばらしちゃおうかな~?」
「ちょ!何でそんな事知ってるんですか!」
マークは慌てている。こんな事もあろうかと家の中を走り回りながらいろんな人の弱みを集めていたのだ!
くっくっくっ!相手の弱点を探り、脅迫する!これこそ悪への道なり!
「それは内緒!で、教えてくれるの?教えてくれるよね?」
俺は悪魔の笑みを浮かべながら再度聞いてみた。
「ちょ、ちょっと・・・わ、わかりました!教えますよ!そのかわり、その件はどうか内密にお願い致します。」
「うん、わかった!で、いつから始める?僕は今からでもいいよ?」
マークは少し考え込んでいる。どうやらどうにかして俺から逃げる方法を考えているようだ。
ここは先回りして逃げ道を塞いでおくか。
「マークさん!僕は先ほど団長さんにお願いしてマークさんを僕の護衛役にお願いしておきましたから!」
「なっ!いつの間にっすか!」
これでマークの逃げ道は塞いだ!くっくっく!
「わかりました。明日からでもいいっすか?」
落ち込みながらかろうじでそう回答した。これで剣術はOKだな!
「よろしくお願いしますね!マークさん!それとも師匠と呼びましょうか?」
「・・・マークでいいです。」
マークはそう言うと部屋から出て行った。マークの剣術は中々だしこれで問題無いな!
さて次だな!丁度リーネが部屋に来た。リーネもこの前から俺付のメイドになっているのだ。
「リーネ!この前のお願いの内容思いついたんだけど、いいかな?」
リーネはビクッと反応しながらこちらに顔を向けてきた。
「ど、どんな内容ですか?あんまり難しいのは無理ですよ?」
怯える様に聞いてきた。俺は必殺の笑顔で答えを返した。
「難しくないよ!ただ、魔法を教えてくれない?」
「ま、魔法ですか?理由聞いてみてもいいですか?」
リーネは恐る恐る訪ねて来た。
「僕、冒険者になるんだ!」
「む、無理です!冒険者になる為に魔法をクラウン様に教えるなんてメイド長に怒られてしまいますぅ!」
「えー!どうしても駄目ぇ?」
「む、無理ですよぉ!」
ちっ!こいつもガードが固いな!だったら、
「言うこと聞いてくれるって言ったじゃん!もし教えてくれないならリーネのサボりポイント、メイド長に教えちゃおうかなぁ?」
「ちょっ!どこでその事を!あそこはやっと見つけたポイントなんですぅ!内緒にして下さいー!」
「じゃあ、教えてくれるよね?」
俺は再度聞いてみた。
「あー、また悪い笑顔だ。わかりました、明後日から教えますぅ!」
リーネも陥落!後は弓術だけだな!これは庭師のハワードにお願いしてみよう。
駄目ならリーネみたいに弱みを・・・ゲフンゲフン
俺は庭師のハワードのいる所に向かった。
ハワードは庭で植木の手入れをしていた。
「ハワード!一つお願いがあるんだけど、いいかな?」
ハワードはこちらを向いて無言で頷いた。
「ハワード、弓術教えてほしいんだけど駄目かな?」
ハワードは無言で頷いた。彼はいつもそんな感じだ。
「えっ?いいの?」
ハワードは再度、無言で頷いた。なんて物分りのいい奴だ!
「じゃあ、来週から週1回でどうかな?駄目な日とかあるかな?」
ハワードは首を左右に振って、否定を表した。
「じゃあ来週からよろしくね!」
そう言うとハワードに手を振ってその場を後にした。
ハワードちょろいな!これで剣術と魔術と弓術の先生が手に入った。
身体の方は少し前から鍛え始めているから多分大丈夫だろう?
まあ、身体を鍛える量は明日から少し増やすとしよう。
まあ、基礎を覚えるのにそんなにかかるまい。基礎を覚えたらいよいよ冒険者か!楽しみだな!
よし!明日からがんばるぞ!
鍛錬開始から6ヶ月たった・・・
だが、基礎がまだ終わらないらしい・・・
剣術も魔術も弓術もみんなレベル高いな!冒険者すげぇな!
みんなこんな風なんか?それとも俺の才能が無いのかなあ?地味に凹むなあ。
でも剣術で3対1の練習が必要か?それ基礎でやる事か?まあ、魔物と戦う時は1対多数の場面は
絶対に出てくるだろうけどさ・・・
魔術で基礎魔法の応用技って基礎か?いや、たしかに役には立つが・・・
そういえばリーネに聞いて魔法使い過ぎて気絶しても寝れば直るらしい。
俺の予想は当たったな!これからも寝る前はキュイに魔法をあげてから寝よう。
リーネも魔力高いですねぇって言ってたし!
でも、基礎魔法は終わらないんだよねぇ・・・
弓術なのに罠の設置方法とか必要か?いや、罠の使い方覚えれば獲物狩るのには便利だが・・・
まあ、先生達がまだだって言うなら、まだなんだろうなあ・・・
まあ、いろんな技術覚えれるから良しとするか・・・
しかし、何時になったら冒険者になれるんだろう・・・
…どうしてこうなった…




