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悪徳領主に俺はなる!  作者: 秋月の兄貴
4/17

状況把握と悪戯の時

少し長めです。

諸君、元気にしてたか!クラウン・ウェンステッドだ!

というか、俺の名前はクラウン・ウェンステッドと言うらしい。

今は5歳になり言葉も覚えた。よって、色々情報の収集も出来た。

この言葉を覚えるのは大変だった…

家のメイド長であるジルに読み書きや礼儀作法を教わったのだが…

彼女はスパルタだった…

…うん、思い出すのも怖いほどの教育方法だった…

……


まあ、あれは忘れよう。

とりあえず色々情報を収集出来た。

まず、両親の事。父親はジェイク・ウェンステッド。母親はクラリス・ウェンステッド。

父親はどうやらウェンステッド領の領主らしい。

やさしい、人の良さそうな顔してるのにやるな!親父!

そして驚くべき事に荒事に向かない体つきに見えたのだが、魔法剣士らしい!

しかも結構強いとの事!見直したぞ!親父!

つまりだ!このままいけば俺が次期領主になれるわけだ!

俺は『悪い人』で、『領主』を目指す訳だ。つまり、『悪徳領主』を目指せばいいわけだ!

よし!悪徳領主に俺はなる!

目標は決まった!あとはそれに向かって爆進するのみだ!


この町についても日々の情報収集のおかげで大分わかってきた。

このウェンステッド領は首都から馬車で2日ぐらいでほどよく近く、領地も広く近くには森もある。

町も適度に発展しており、領主の頑張りがよくわかる領地になっている。

だが、治安はそれなりでスラム街は無いがストリートチルドレン等は少なからずいるらしい。

まあ、おいおい状況を見ながら俺が領主になるまで持つ様に口を出していけばいいだろう。


次にこの家の中についてわかった事だ。

この家には両親と俺、そしてメイド長のジルとメイドが数名。そして騎士団のメンバーが交代で数人

住んでいる。

順番に説明していこう。

まずはメイド長のジル。年は50台半ばと思われる。メイドとしての仕事は完璧で礼儀にうるさく

厳しいお方である。他のメイドを指揮しウェンステッド家内の事はこの人に聞けば何でもわかる様な

お人だ。

次にメイドは4人ほどいて、初日に魔法を見せてくれた?のもこのメイドの内の一人だ。

あの子はリーネという名前だ。何度か話した事があるがおっちょこちょいでお調子者の様だ。

初日に魔法を見せてくれた後もメイド長に危ないまねをするなとこっぴどく怒られたと教えてくれた。

彼女としては魔法を見せてあやしたかったらしい。

赤ちゃんをあやすのに魔法を使うのは俺もどうかと思うのだが・・・

リーネには折を見て魔法を教えてもらうとしよう。

騎士団はまだ、正確な人数の把握は出来ていないが、少なくとも10人は確認は取れている。

騎士団長はクラストと言うらしい。何度か見たがガタイのいいまさに騎士って感じの人だ。

真面目そうな感じだが、俺には優しく話しかけてくれる。根はきっといい人に違いないのだろう。

他にも騎士団の人は何人か知っているが、中でもマークという若い騎士団員とはよく会い話をしていた。

マークはおしゃべりな若者でよく俺に話しかけてくる。他の騎士団員いわく剣の腕は中々との事だ。

今度剣術を教えて頂くとしよう。

他には通いで料理人と庭師などがいる。料理人とはまだ話した事が無いが、庭師は無口なおっさんである。

だが、質問にはちゃんと答えてくれるのでイイ人なのだろう。他の人の話によると狩人としての腕もすごいらしい。

ぜひ、教えて頂きたいものだ。

ここの家の住人は中々いい人材がそろっていると思われる。

親父の政治能力とカリスマ性には感服せざるえないな。


さて、今まで仕入れた情報としては現状はこれぐらいだろうか?

これからも随時情報は集めるとしよう。情報は力だからな。

それよりも悪徳領主への道だ!悪徳領主になる為に俺はどうすればいいかを考えた。

そこで、ひとつ思いついた事がある。

悪い子=悪戯小僧という図式だ!

つまり周りから悪戯小僧と思われる様な行動をすれば自然と悪い子となるはずだ!

これだ!

これしかない!


と、いう事でここ最近は悪戯をしている。

といっても家のメイドや使用人に対して驚かしたり、スカートめくりをしたりする程度だが・・・

今日もこれから悪戯の開始である。

さっそく獲物であるメイドを確認。魔法の使えるリーネの様だ。

リーネは奥からこちらに向かって大きな荷物を持って歩いてくる。持っているのは洗濯物の様だ。

今なら両手が塞がっているし、洗濯物なら落ちても怪我はしないだろう。

リーネに気付かれない様に後ろからゆっくり、静かに歩み寄って行く。

すぐ後ろまで来た所で行動開始。

「わっ!」

驚かせながらスカートを勢いよくめくって行く。スカートは跳ね上げられ、リーネのまっ白な太ももが

あらわになっていく。

ここで、何かが目に留まり反射的に掴んでしまった。

「キャッ!!」

リーネは驚いて洗濯物を落としてしまった。そして慌てて俺の方を見た。

俺はいつもなら悪戯が成功してニコニコしているのに今日は違った。

俺は驚いた顔のまま、リーネを見ずに思わず掴んだ手のひらの物を見つめている。

手のひらには奇妙な物体が蠢いていた。

俺の見たまんまのを説明するとミミズにこうもりの羽みたいのがついている生き物?だ。

それが俺の手のひらで俺に捕まってもがいていた。

「何これ?」

俺はリーネに聞いてみた。

「ひっ!!タラントワームですよ!それ!」

リーネは驚いてそう叫んだ。

「たらんとわーむ?」

俺は首を傾げながら聞いてみた。

「ま、魔物ですよ!それ!」

「はあぁっ?!」

俺は驚いて聞き返した。

「だから魔物ですって!」

リーネは大声で叫びながらそう答えた。

「いや?小さいよ?」

「いや、まだ子供ですから!」

「まあ、俺はまだ5歳だが?」

「クラウン様の事じゃありません!その手に掴んでるのはタラントワームの子供ですよ!」

「何だって!?」

思わず手を離してしまい、逃げ出そうとしたので慌てて掴みなおした。

「す、すぐに誰か呼んできますからここにいて下さいよ?タラントワーム逃がしちゃ駄目ですからね!」

そういうとリーネは飛び出していった。


・・・おいおい、子供の俺を魔物と二人?(一人と一匹か?)きりにするなよ・・・

そんな事を考えながら手のひらの魔物を観察してみる。

大きさは20cmぐらいかな?子供の手には多少大きいかな?色は薄桃色で羽根は蝙蝠の様で濃い紫色だ。

目も口も見当たらない。ほんとにミミズみたいだなあ。

でもこれで幼体なら成体はどんななんだろう?


そんな事を考えてるとリーネが騎士団長のクラストと親父であり領主のジェイドを伴って走ってやって来た。

「クラウン!大丈夫ですか?」

ジェイドがそう叫びながら駆け寄ってきた。ここは子供らしく対応するとしよう。

「お父様、こんなの見つけました!」

にこやかに精一杯の微笑を浮かべながらジェイドにタラントワーム(幼体)を差し出した。

「うわ!本当に本物ですねぇ!よく捕まえましたね、クラウン。タラントワームの幼体は動きが素早く

中々捕まえる事出来ないんですよ?」

「そうなんですか?何となく捕まえてしまいました。」

なるべく無邪気に答えてみた。

「な、何となくじゃ捕まえられませんよ!」

クラストは驚き叫びながらそう答えた。

「それはそれとして、これどうします?」

クラストにタラントワームを見せながらそう質問してみた。我ながら意地が悪いと思う。

「はっ!こちらで処理いたします」

クラストはタラントワームを俺から受け取るとタラントワームを持ってジェイドの方を向いた。

「ではジェイド様、行きますよ!」

そういってジェイドに向かってタラントワームを投げた。投げたと同時にジェイドは火の様な物(魔法?)を

飛ばし、タラントワームを焼き払った。

「タラントワームは物理攻撃も一切効かないし魔法で無いと倒せないんだ。大変面倒な魔物だよ。

成体になると5mぐらいになって他の生き物を襲うんだ。それに幼体の時は動きが素早いので捕まえにくく、

一旦巣に篭りだすと一気に成長する危険な魔物なんだ。その巣も見つけにくいので幼体時に捕まえる事が出来てよかったよ。」

ジェイドはホッと胸をなでおろしながらそう教えてくれた。

・・・5m!それは怖いな!しかも物理無効だと!幼体時に捕まえれてよかった・・・

それにしてもジェイド今使ったの魔法だろ?早いな!さすが親父だ!

俺もホッと胸をなでおろしているとリーネが泣きながら抱きついてきた。

「クラウン様!助けてくれてありがとうございますうう!」

涙と鼻水でぐしょぐしょになりながらリーネがお礼を言っている。

虫嫌いなのかな?

まあ、いいや。気にしないでいよう。


気を取り直して次の獲物を探そう。

おお?リーネと同じくメイドのマリージュがいるぞ。

今度こそ悪戯を成功させるぞ。グフフ

先ほどと同じ様にマリージュの背後に忍び足で近づき両手を叩いて大きな音を出そうと両手を広げ、手を打ち合わせた。

・・・・・・

・・・

音がしない?

手のひらを見るとタラントワームが両手の間にいる。

何故?

とりあえずマリージュがこちらを向いてあわあわしているので声をかけた。

「大丈夫ですか?」

必殺の『首を傾けて微笑み』ながら聞いてみた。

「だ、だ、大丈夫です・・・・が、クラウン様は大丈夫ですか?」

「うん!僕は大丈夫だから!じゃあ、この魔物をお父様に渡してくるね!」

そう言うと俺は一目散にその場から逃げ出し親父の下へ逃げ出した。

ジェイドにタラントワームを渡してその場を後にした。

何故、今日は悪戯が上手くいかないんだろう?厄日か?

その後も3度ほど悪戯をしようと試みて、3匹のタラントワームを捕獲した。

そして最後に・・・・・あれを発見してしまった。

家の片隅にある外につながっている倉庫の中でタラントワームの巣を・・・


タラントワームの巣(と思われる物)は繭の様な形をしていた。大きさは赤子ぐらいあり、中では何かが蠢いている様だ。

じっと見ていると中から何かが飛び出して来た。

タラントワームだ!

出てきたタラントワームを捕まえるとさらに1匹、飛び出して来た。

慌てて空いている手でもう1匹のタラントワームを捕まえる。

(ま、まずい!)

俺はタラントワームの巣から目を離さずに、力の限り叫んだ。

「誰かー!来て下さい!誰かー!」

何度か叫んでいると誰かが走ってくる音が聞こえた。俺は足音に向かって目は巣からそらさずに叫んだ。

「すぐにお父様かクラスト呼んで来て下さい!ここにタラントワームの巣があります!早く」

「わああ!」

メイドがあたふたとしている。(と思われる)

「いいから!さっさと行く!走れぇ!」

命令口調で叫んだ。

「は、はい!」

メイドは俺の怒声で正気に戻ったのか慌てて走っていった。

ジェイドが到着するまでにさらに2匹、合計4匹のタラントワームを掴んでいた!子供の手では限界に近かった。

「お父様!ここにタラントワームの巣があります!手に4匹いるのでそれをそちらに投げますので先に倒して下さい!」

「わ、わかった!投げろ!」

ジェイドに4匹のタラントワームを投げると間髪入れずに魔法を発動させ一瞬にして4匹を倒した。

「お父様、すごい!タラントワームの巣はここです!」

ジェイドはすぐに巣を見つけると魔法で焼き払った。

「これで安心ですね!お父様!」

「まだ、気は抜けないがひとまずは安心だろう。でも、何でこんな所にタラントワームが?」

ジェイドは周りを警戒しながらそうつぶやいた。

俺は巣の燃えた後を調べた。すると、なにか拳大の石のような物を見つけた。

それを手にとって見ると、何かがあふれ出している、そんな感じがした。

「お父様、これは何ですか?」

ジェイドに拾ったものをジェイドに見せた。

「そ、それは魔石じゃないか!しかもそんなに大きい物を見たのは初めてだ!」

・・・ま、魔石?じゃあこれからあふれ出してるのは魔力?・・・

「たぶんこれが原因でタラントワームが巣を作ったのであろう。タラントワームは『魔力食い』と呼ばれていて魔力を

餌にしているんだ。だから魔石の魔力に釣られて集まってきたのだろう。」

ジェイドは魔石を俺から受け取るとそう答えた。

「この魔石は魔力を漏れない箱に保管して、王都で売ってしまおう。こんな田舎ではこんな大きな魔石は必要無いからね。」

「そうですね、お父様!」

心では(もったいない!売るなら俺にくれよ!)と思いながら笑顔でそう返事した。

これでタラントワーム事件は無事解決した。

・・・・・・・

・・・

だが、今回の事で俺の評価はうなぎ登り。今までの悪戯もタラントワームを探す為にしていた事にされてしまった。

つまり、悪戯小僧になるはずが、家人を守る為に行った善行として語られていた。

これじゃ、ただの良い子じゃん!

・・・どうしてこうなった・・・


はあ、『悪徳領主』計画はもう少し大きくなってからだな・・・

もう、悪戯作戦はやめてもっと体を鍛えて力をつけてからにしよう・・・

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