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友情  作者: 福村正治
3/5

挫折と経験

青春とは、すべて架空と想像の作り話である。「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J・D・サリンジャーが使いそうな言葉だが、言われてみればそうだ。「海岸物語」「クリスマス・イヴ」「抱きしめたい」「東京ラブストーリー」「妹よ」すべてどこかで起こりそうな出来事だが、実際に起きたのを見たことがない。恋愛、スポーツ、仕事などはすべてテレビドラマ、映画、小説上での出来事である。


 それを実感できたのは、恒一が結婚情報サービス会社に入会してから二年目のことだった。ドラマ「恋人も濡れる街角」を日本テレビで見た恒一は、紺野美沙子のような美人がたくさん入会していると勘違いして、青山にあるとあるビルの十階を訪れた。感じのよい女性のカウンセラーが二名、まるでホテルのロビーのような室内でソファに座り、じっくりと女性とのマッチングについてパンフレットの説明を受けた。


 「コンピューターによるマッチングと豪華ホテルでの会食」といううたい文句に恒一はすっかり舞い上がってしまった。結婚情報サービス会社の戦略にすっかりはまり、まずはさっそく名古屋に住んでいるという女性と日比谷松本楼で待ち合せることになった。

「へえ~名古屋に住んでいる女性も登録してるの?」

「そうなんだ。しかも会社は青山にあり、部屋はホテルかと思うぐらい豪華で落ち着いていて、カウンセラーの女性もとても感じが良かった」

「おいおい大丈夫か、何かだまされてない!ところで女性のカウンセラー綺麗だった?」

春樹といつもの喫茶店で打ち合わせしていた恒一は、いつものように関係ない




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