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ス・キ・ル!!

今後多分ですがいろいろなキャラクターが出る予定ではいます。

とんでもなくキャラクター不足なため、私の代表作でありずーッとためている作品の「俺らの知らない大世界」から輸入する可能性が非常に高いです。

そこは気にしないでください…(気にするわ!!!)

「あぁぁぁぁっぁあ”死んじゃう~~!!短い人生でしたぁぁあぁ~~~~!!!!」

れむはまだ死ぬとき待っていないのに大きな声で叫びながらおこちゃまみたいにじたばたと騒いだ。

実はれむは気づいていないのだが、らむの姿は前世とはだいぶ変化していた。

予想はつくだろうが、前世でらむが描いていた絵そっくりな姿に生まれ変わっていたのだ。

だがそんなことに気づくのには鏡と向かい合った時になるだろう。

「ギ…ギギギ……ギギ………。」

「ガ…がギギ…ギ。ガガガガ…シャーーーーーー!!!!」

大量の巨大アリが不気味で気持ち悪い鳴き声を上げ徐々にれむに迫ってきていた。

そんな時、アリ(?)は口の部分から紫色の何かを吐き出した。

その紫の何かは転げまわるらむの足に直撃してしまった。

すると…ジュージューと焼けるような音が鳴り、足の一部がやけどのようになってしまった。

「ギギ…ガーーーーーーー!!ギギギ……」

巨大なアリの数は時間がたつにつれどんどん増えていき、やがてらむを囲うような形になってしまった。

れむ包囲網の完成だ。これによってじたばたしていたらむの逃げ場は、れむがじたばたしている間にあっという間に消滅してしまったのだ。

れむは深く後悔した。鳴き声が聞こえた瞬間に全力ダッシュをすればもしかしたら助かったかもしれないのに…と。やけど傷の残る足は痛み、とても今は走れるような元気も気力も存在しない。

アリはきれいな包囲網のまま少しずつらむに近づいてくる。

綺麗な包囲網だから、集合体恐怖症の人にはとてもきつい光景が広がっているだろう。

「う…うわ……。気持ち悪いしなんか死ぬ予感しかしないし…」

れむは顔を真っ青に染めてその場に立ち尽くした。

あの意地悪自称女神ヴェルディアがスキルなどをくれなかったせいでせっかくもらった二度目の人生もあっという間に終わってしまう。

「くっくそ!ラノベの最新刊も読めず、ラノベのような輝き煌めくチート人生も歩めない!」

死んでしまったのでお気に入りに異世界小説の最新刊も読めず、異世界で強いスキルを手に入れて魔王とかを討伐して勇者になるような煌めきチート人生も歩めない。

残念だがこれが現実だ。

異世界転生の主人公になるのは、恵まれたスキルなどを得たことで世界に出ることができ、面白い物語を作ることができる者たちだけなのだから。

「ならならなら!どうせ死んじゃうなら…コイツらも一緒に死んじまえ~~~!!!!」

何も出るはずのない手を高らかに振り上げた。

もちろんスキルや魔法を所持していないので何も起こるはずなんてないのだ。


『…あ…あ”あ”あ”~~~…あなたは…ごっほん…う”…立ち向かう勇気ヴァレンストラが確認されました…。んで…雑魚スキルである立ち向かう勇気ヴァレンストラをプレゼントしてみます…。』


いかにもやる気のない声が突如脳内に響き渡った。

体調が悪いのか途中で席をしたり痰が絡んでいたりして少々不安になってしまう感じだった。

しかも言わないでほしかったのは雑魚スキルという事実だ。

立ち向かう勇気ヴァレンストラは敵に立ち向かおうと勇気を振り絞った時点で誰でも獲得できる平凡で一般的なスキルだ。正直ゲットしてやべー煌めくチート人生スタートだということにはならない。

「お!スキルだーーー!アイム ハッピー^^いけ!立ち向かう勇気ヴァレンストラ!」


ゴフッ


れむは立ち向かう勇気ヴァレンストラを発動させたが…うまく発動できなかったのか、はたまた雑魚すぎたのかアリにぶっ飛ばされてしまったのだった。

「ギガガガ…ギギ…がガガガ……ギギギギギギギギ!」

「……っいったぁ~…。待て待て待て!突進してこないで!くるなー!来ないでくれ!」

がれきに埋もれたらむはがれきを一生懸命どかして顔をのぞかせた。

するとそこにはれむに向かって突進してくるアリたちの姿がはっきりと映った。

「(もしかしてもしかして…また何か行動を起こせばスキルが手に入ったり???)」

れむはずるいことを思いてしまった。戦おうとすれば戦いのスキルが手に入るのではないかと。

「おりゃーー!私の怒りを食らえぇーー!」


ボンッ


れむはぶっ飛ばされた。またぶっ飛ばされた。ずるいことなんて考えるだけ負けだ。

泥まみれがれきまみれの体を必死に動かし立ち上がるれむ。

「意外と…攻撃は雑魚い…コイツを倒して私は煌めくチート人生を歩むんだ!!絶対歩んでやるんだ!そんで自称女神ヴェルディアに煽り顔で自慢してやるんだぁーーー!」

ぶっ飛ばしては近づき、ぶっ飛ばしては近づくアリ。

ずっと同じ攻撃を繰り返しているから、知性はないと見たれむ。

第3波の攻撃に備えながら人間界を生きた知能を生かし考えるれむ。

様々な考えを頭の中にため込んで、今度はずるいことを考えずにアリをボコす。


『夢を追う者(ソム二ヴェンター)を獲得しま…ゴホッ…させてあげました…。わたしは体調がすこぶる悪いので帰ります…あ…こまでのは…あのヴェルデア様からの… ブチッ』


そのあと、れむの体が黄金色に輝いた。

「(私ようやく異世界転生らしいことができるようになった感じ?うん。そうだよね。だってラノベだと主人公とかってみんな強くて、いろいろあって世界最強になり増したみたいな感じじゃん?)」


ようやくチート人生が歩める。そう心の中で大興奮していたれむなのだが…。

そんなスキルの実力を確かめられることはなく、大量のアリは首を跳ね飛ばされ死んでいた。

れむの真後ろにメイド服を着たきれいな女性がいた。

その女性の袖は長いが、袖先から剣の先っぽが少しだけ光って見える。

メイドのほほや服には返り血がついており、このメイドがたった一瞬でこのアリをつぶしたことが分かった。

「邪魔よ、さっさとどきなさい。どかないなら物体・敵いや…そこの辺にいる雑魚モブとして討伐してあげるわよ。どちらか選びなさい。どくか討伐されるか。私は必死なのよ。」

そのメイドは鋭く冷たい目つきでその場をどくのか死にたいのかと質問をしてきた。

「…ひゃっ!?はっはい…今すぐどきますどきます!死にたくありません!」

れむはこういう時何もできない自分に嫌になりながらも、その場を猛ダッシュで素早くどいた。

「姉様さすがにそれは…」

冷たいメイドの後ろから出てきたのは似た顔立ちの男性だ。

その男性は冷たいメイドのことを「姉様」と呼んでおり、双子か姉弟なのだろうと関係性が読み取れる。

「いいのよ。私は思った事を言っただけだもの。裏表がないっていいことじゃない。」

「…はい、そうですね…。」





「はぁ~はぁ~…なんなのあのメイド!!」

「(これでわかった…~死因:訓練で驚いて死亡。スキル:勇気ヴァレンストラ。夢:チート人生。現実:泥まみれ~異世界転生はするべきものじゃない…と。そして知ってしまった…最後謎に手に入れたスキルも…雑魚スキルの可能性が高いことを…)」

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