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1話 プロローグ〜また誰かがドアを叩く〜

お久しぶりです。少々長いこと病気をしており、久々に新作を投稿してみることにしました。

温かい目で見守って読んでいただけると幸いです。

文法の間違いなどがあれば指摘してください。

定期的に更新いたしますので今後ともよろしくお願いします。


 魔術ーその力がいつから存在したのかは定かではない。天を裂き、地を砕き、水を溢れさせる…そんな強大な事象を引き起こす事もできる魔力を持つ者に扱える力。一説によれば神話の時代から存在したというものもいれば、古代ローマの時代辺りからだという者もいる。

だが、そんな定かではないルーツには関係なくそんな力を悪用する者は昔から後を絶たない。魔術協会を設立し魔術師として登録、管理してもその裏で罪を犯す者も当然いる。

 そんな魔術師を取り締まるための機関が設立され、形を変えて現代の治安維持機関にもその仕組みが受け継がれている…。

のだが、そんな話とは別に市井に紛れた未登録の魔術師などが起こす様々な事件や依頼を解決する役割も存在する。

その内の一つが東京の郊外に位置する探偵事務所、時宮探偵事務所なのであった。


「ああ〜今日も暇だね、何か依頼はないの?」

デスクチェアに寄りかかりながらどこにも繋がっていない電話口に向かって気だるげに話す黒髪の女が時宮黒乃。着崩したシャツにパンツスタイルは彼女の抜群の肢体を強調しており、窓から差し込む光は艶やかで長い黒髪と真紅の瞳を照らしている。

これがこの探偵事務所の主人である。時宮黒乃(ときみやくろの)

 当然返ってくるのは無音。手元の資料を見ても解決済みの依頼の山。つまる所黒乃はすっかり暇を持て余してしまっていた。

「うーん、猫探しすらありゃしない…。私の魔術は暇潰しには向かないし…」

 そんなこんなで昼食を取り、貯めていた本を読みながら時間を潰していたがやはり依頼は来ない。DMの方も確認してみたがそちらにも何も来ていなかった。まだ夕方で店仕舞いにはやや早い。だがここらで今日の営業は終わりにしようと思い資料を片付けていると不意にコンコン、と戸を叩く音がした。

「すいません、依頼があって来たんですけど!」

「依頼人の方ですか? それなら是非入って来てください」

 元気のいい少女の声。だがドアの外からは微かながら魔力が感じられた。もし襲撃だったらと体内に魔力を巡らせる黒乃。だが数分待ってもドアは開かなかった。ドアの外の気配は消えないのでこちらから開けようとドアノブをひねった瞬間だった。

「嘘でしょ…」

 鉄の扉がドアノブを残して一辺5cmほどの正方形状に突然分解されたのだ。

「ああっまたやっちゃった…」

 そしてドアの前にいたのはその髪色と同じくらい顔面を蒼白にした少女。後にバディとなる二人はこうして初対面を果たしたのであった。


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