65開脚目
「デッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!」
エリザベスはムーンチルドに引きずられて連れてこられた部屋で驚き叫ぶ。部屋というにはあまりにも広い空間。体育館や運動場のように広い。しかし、その空間にはさまざまな物が置かれており、広さを認識するよりもその置かれている物に目を奪われる。
そう、オティンポコレクションだ。全裸の男たちがカプセル状のようなところに液体漬けにされて閉じ込められていた。そうしてエリザベスが「デッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!」といった理由が明白となった。
デカイのだ。アレが。ほとんどの男のアレが……。アレの大きさ順に男たちは並べられているにも関わらず皆、男のアレは本当にデカイのだ。9センチの短小とはモノが違うのである。この世界の男のアレはデカくないときいていたにも関わらず、ここにいるのは男たちは皆18センチを超える聖剣や魔剣クラスのソレである。しかもそれらは戦闘モードに移行したフルバースト・モードではないのだ。あくまで平常時で18センチを超える猛者の中の猛者、英雄の中の英雄たちなのだ。であればフルバースト・モードは一体どれほどの業物になってしまうのだろうか。考えただけで恐ろしいものである。そんなモノに世の女性たちは耐えられるのだろうか。
この世界で最大のセッ〇スアピールとはなにか。この世界の女性たちであれば即答することができる。チ〇コだと。それも大きな大きなチ〇コだと。つまり男性はアレが大きければ大きいほどモテるわけなのだが、女性たちは男性を脱がさなければそれを確認することはできない。それでは困るのだ、世の女性たちは……。そこでそんな状況を打開するためさまざまな策を各々が打ち出した。ある者は透視能力を、ある者は衣服を溶かす能力を、ある者は男性に気づかれることなく触る能力を手に入れとにかくアソコの大きさを確認した。ムーンチルドはどのようにアレの大きさを確認したのだろうか、謎は残るのだが実際これほど見事な御立派さまな男たちを集めたのだ。なんらかの確認手段はもっていたのだろう。
「で……このずらっと並んだ男の人たちは生きているの?」
再度この質問である。
「……」
やはりムーンチルドからの回答はない。
「ねえ、ここから出してみていい?」
「!?」
流石にこの質問にはムーンチルドも表情を変化させる。
「ねえ?」
「あのね……そこからは出したことがないの……」
「え……?」
「いッ……いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい生きていると思うわ」
「『思う』って?」
「この液体は生命を維持する効果があるから……例えばこの粉砕型バルムンク君なんかは250年前にここに入れたのよ」
巨大なアソコを持つバルムンク君は250年以上も閉じ込められていたらしい……。
「にッ……250ってッ! なッ……長過ぎんだよッ! ガチで……。ここから出してみよ? 生きているのか確認しなきゃ」
人間感覚でいうとあまりにも時が経ち過ぎている。
「だめよだめだめッ! もッ……もし……出した瞬間に死んだら……死んだりしていたら……立ち直れないわ」
結局のところこの喪女さんは、一度も男たちを外に出したことがないため生きているかどうかわからないのだろう。
「なあこの人たちが生きているとしてさ、解放してあげないの?」
「だめよだめだめッ! 宝物なのッ!」
激しく叫び拒絶するムーンチルド。宝物とまでいいきるほど大事なようだ。正直、倫理観だのなんだのいいたいことは山のようにあるのだが、エリザベスも変態ゆえにあまり他者の変態性を責めることができないようだ。責めるにしても仲良くなりすぎたのだ、ほんのひととき過ごしただけなのに。
「わ……わかったよ。それにしてもイケメン好きなんだね。どいつもこいつもイケメンばかりじゃないか」
そうなのだ。コレクションはみんなイケメン。この世界の顔面偏差値は高い。そんな中の選びぬかれたイケメンたちだ。そんなイケメンたちを褒められて、ムーンチルドも顔がゆるむどころか、崩壊するほどだ。
「でほー(でしょー)、はいほーらの(最高なの)!」
とんでもない崩壊・破顔具合に目も鼻も口もどこかにいってしまっており福笑いみたいである。また、それゆえうまく話せていない。
「でさあ……コレクションばかりしていて……どうして実践使用しないの?」
エリザベスの強烈な質問である。
「きッ……」
「き?」
「綺麗なイケメンたちが自分に汚されるのが許せないの……」
無理矢理攫ったりするくせにこれである。結局、欲望に忠実なのかそうでないのか。
「自分を汚いと思うからそう考えちゃうんじゃない? そんなことはないよ。俺と比べたら遥かに頑張ったひとだろう? 自分に自信を持てば良いよ。攫うのはそんなに感心できないけどさ」
最後の方は笑いながら話すエリザベス。
「うッ……うッ……うわあああぁぁぁぁぁああああああんッ!」
エリザベスの言葉に耐えきれず泣き出してしまったムーンチルド。いわゆるぎゃん泣きというやつに近い。欲望のまま生きるといっても結局のところ根は真面目すぎて自分を押し殺して生きてきたのだろう。




