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64開脚目

 オティンポコレクションとは、簡潔にいってしまえば男コレクションである。ムーンチルドのそのコレクションは選り取り見取り多種多様な種族からなる男たちだ。それもイケメンに限るコレクションである。


 ムーンチルドのオティンポコレクションはそれを飾る、管理する、観賞するバカ広い専用ルームが存在する。そこには透明なケースが幾つも存在する。つまり培養槽の中に男が入れられている。単純に入れられているだけでは視認性が悪いのだが、巨大水槽・カプセルのような全面クリアなガラス張りケースに液体を満たし、男がその中に閉じ込められて晒されているのだ。これで前からも後ろからも男を余すことなく堪能し至福のひとときを過ごすことが出来る。


 余すことなくといっているのだから、当然男たちは全裸である。すっぽんぽんである。ムーンチルドは男のアレの大きさ順に男たちを並べる生粋のすきものである。どうやらこの世界の男たちのアソコはそこまで大きくなくどうしても物足りなさがあるようだ。そうであるからこそ男のアソコはデカイ方が男はモテる。それは古今東西、過去から現在、いつでもどこであろうとも巨根が求められてきた。ムーンチルドもデカイそれを頑張って集めた。


 しかし、どれだけ求めようとも手に入らないことはある。元の世界で男とまともに触れあうこともなく、彼氏も出来ることもなかったムーンチルド。いや、他の転生者たちもだ。その反動はとどまる事を知らずこの世界の男たちを、イケメンたちを狩り尽くす勢いである。


 ムーンチルドによれば男……イケメンであれば種族を問わないらしいが、無理矢理攫ってくるのだろうか。こたえはイエスだ。であればシンプルに転生者たちは悪い奴らということになる。元の世界のいわゆる人権などという言葉を忘れてしまったかのようである。しかし、ビルドシステムなどの能力によって度々、発展・繁栄をもたらしてきた存在でもある。その力は絶大でありムーンチルドをみれば明らかである。


 イケメンを攫うらしいのだが、エリザベスの視点では美男美女ばかりが存在しているようにみえる。だが、ムーンチルドいわくこの世界の住人視点ではしっかりと差異があるらしいのだ。また、あちこちで男性が不足しているらしくイケメンの価値が爆上がりしている。あの勇者ノロイですらモテモテな世界なだけはある。


「ねえ……」


「どうしたのかしら?」


「ところで……」


「ん?」


「コレクションの男の人たちって生きているの?」


「……」


「生きているの?」


「ね……ねえってば?」


「……そんなに気になるならコレクション見てみる?」


「え……!?」


「そ……そんな……心の準備がまだッ!?」


「感動を味わうのに準備なんていらないわ、さあ!」


 そういうとムーンチルドはエリザベスの手を取り、エリザベスは抵抗も虚しく手を引かれて例の場所へと一歩、また一歩と近づいていく。


「まつんや! ママ、ウチも見てみたい」


 エリザベスに助け船を出すどころか、自らも進んで見てみたいというルナフレイム。


「めッ! あなたにはまだはやいわッ!」


「ちぇッ!」


 しっかりとママをしているムーンチルドに対し感心するエリザベス……とはいかず……。


 ──そういう教育が喪女を量産するんだよなー。


 などと考えるエリザベスであった。

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