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47開脚目

 エリザベスにはこのドライアドの国にきてから驚愕したことがあった。それが想定していたドライアドの()()ではなく、()()()()のようなドライアドの大国家が存在していたからである。なんだか大自然のある田舎を目指していたはずなのに意図せずに文明が発展しきった大都会にきてしまったような気分である。そもそもドライアドの国はエリザベスの前世の世界よりも進んだ文明を感じられる仕上がりである。


「これは、あれだ……ドライアドの中にゲームのプレイヤーがいるわ」


 エリザベスはそう確信する。そうでなければこのような景色はありえないと思っているのだ。


 タマンネリア、それはごりごりのファンタジー全開の世界。ゲームでもそうだった……そのはずだったのだが……ゲームではプレイヤーからビルドシステムなどと呼ばれていた要素がある。その要素によって無限に、あるいは自由にいろんなもの作り、または造り、さらには創りだすことができた。これにより近未来的な国だろうがなんだろうが創造可能であり、神の御業に近いものということができる。


 しかし、RPGゲームである以上はストーリーが崩壊しない程度の規制が必要であって、ビルドシステムの本格運用が可能となるのはゲームクリア後――つまりストーリーをすべてみた後である。このクリア後要素にはその他オンライン要素……例えば協力プレイやプレイヤー同士の対戦PvPなどがあったりする。そういった協力や対戦などを行うにしても、このビルドシステムによってさまざまなものを開発作成していなければ環境についていけなくなるほど奥が深いものである。めまぐるしく変化し続ける環境に適応するためさまざまなものが作り出されたがその中には技だのスキルも含まれる。例えばエリザベスの使用した〈プリンセス砲〉などもこのシステムによって創造されたものであり、なかなかに機械的なものであった。その見た目は電磁加速砲であり、ファンタジー世界をぶち壊すには十分すぎるしろものである。そのレベルのビルドシステムの利用はそもそもゲームクリア後でなければ使用不可、あるいはバグ技を使用しなければ無理であるはずだ。


 だが、エリザベスはゲームクリア(魔王を倒す)をせず、バグ技をせずに〈プリンセス砲〉をつくりあげた。ゲームの時とは仕様が違うのだ。とにかくいろんなことを知っていそうなドライアドの女王と対話してみなけらばならないとエリザベスは理解している。都合のよいことにドライアドの女王はエリザベスを認め面会してくれるそうだ。ルナフレイムとデュエルをした甲斐があったというものだ。エリザベスは知らないがもともとドライアドの女王も対話する意思があり、デュエルはルナフレイムの願望だったのだが……。


「それにしても暇だなあ……まだかなあ……おっぱいがひとつ、おっぱいがふたつ、おっぱいがみっつ……」


 エリザベスはお城の中の客間にいた。ルナフレイムとのデュエル後軽く食事もいただいた。勿論ただもてなされまくっているわけではなく、ドライアドの女王と会ってお話をするためである。場合によっては敵対なんてこともあるわけで緊張のひとときなのだが、それにしても暇である。仕方がないので目を閉じてイイ感じの胸を数え始めるエリザベス。これはエリザベスの独自の精神統一であり、心を研ぎ澄ましているのだ。他の人にはわからないなにかが……そこに存在する。この意味が分かるのならばエリザベスとよいお友達になれるだろう。


「じーかっぷ、えいちかっぷ、あいかっぷ、じぇいかっぷ、けーかっぷッ……」


 エリザベスの精神統一はさらに続く。エリザベスは目を閉じたまま、大きな胸ばかりを自らのイマジナリー空間に召喚しつづける。その空間をみることができたならば誰しもがこういうだろう――おっぱいがいっぱい、と。


「おまたせいたしました、この国で女王をしているムーンチルドと申します、って、えっ?」


「……けーかっぷッ! おぉ……神よッ!」


 ドライアドの女王が客間へと入りすぐさま名を名乗ると同時にエリザベスは「けーかっぷッ」と叫んだ。エリザベスが叫び目を開いた瞬間、エリザベスの眼前には見事なKカップが現れたのだ。


 そのままエリザベスはおっぱいの神に涙を流し祈りを捧げる。ポーズも完璧に決まっている。


「えっ? あ、あの……大丈夫ですか?」


 エリザベスの奇妙な姿をみて本気で心配するドライアドの女王なのであった。

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