40開脚目
エリザベスの目の前の光景……それは……。
「なんか……未来都市あるんですけど……」
大自然の地下には経済、社会、環境、科学力といった数えきれない言葉などがタマンネリアの世界からは隔絶され大きく異なる進化をし過ぎた世界が広がっていた。
タマネリアというゲーム──それは古典的なファンタジー世界のゲームである。しかしながらゲームとしての柔軟性、自由度はとても高くいろいろな試みが可能となっており新た世界をプレイヤー自身の手で切り開いていくことも可能である。
例えばファンタジーから離れた武器――銃やレーザーソードを開発形成したりするなども可能であり、創造力や発想力がものをいう要素もある。建物・建築物だってお城サイズも作成可能であり、なんなら空飛ぶお城だって誕生させられるらしい。エリザベスは趣味で空飛ぶ靴を作ったりしたのだが、他の飛行魔法・スキルとは違い、飛翔するエリザベスには敵の攻撃が全く当たらない位置にまでいれるのでバランス崩壊もいいところであった。もっともバグ技を活用すれば使用する意味を見失うのだが……。
タマンネリアはクリア後限定ではあるが国も作ることが出来た。しかし、今、エリザベスの眼前に広がるほどの未来感の塊の国を作るなど膨大すぎる時間を費やすことになるだろう。そう考えたら目の前の光景がいかにすごいのかがエリザベスにも伝わってくる。エリザベスにいたっては黒パンツを探し求めていた人に過ぎないと自虐したくなるのだ。
「ビルとか車みたいなのすごいんですけど……」
呟かずにはいられなかったエリザベス。未来都市ゆえか、一般的なこの世界の城たちより高いビルが強烈な光を放ちながら複数存在し、かつ、車にいたっては謎のチューブ状の道をタイヤなしで飛翔(浮遊)しながら走っていた。そして目線をビルなどから下げてみてみると無数のドライアドたちは歩くことなく自動的に道を突き進んでいた。いわゆる動く歩道というやつだ。しかし、その移動速度が異常にはやく、そこに足を踏み入れるのはエリザベスには勇気がいることであった。
エリザベスが目の前の光景に気圧され後ずさりした瞬間、誰かが怒鳴り散らしてきた。
「貴様ッ! ここで何をしている? ん? 報告にあったイカサマデュエリストだな? 伝え聞いた人相通りポンコツデュエリスト風だな。国技デュエル・オブ・タマンネリアにてのイカサマは重罪ゆえ……逮捕ーッ!」
「だれがポンコツだっ!」
ポンコツ呼ばわりされ見事な顔芸を披露するエリザベス。器用な顔芸スキルである。だが顔芸などしているような場合ではない。その顔芸よりも注目すべき点がある。カードゲームがここでは国技となっているらしいのだ。それになんだか勝手にイカサマしたことにエリザベスはなっていた。
複数のドライアドたちに囲まれあっという間に捕縛されてしまうエリザベスなのであった。
「うッ……嘘だろ……強すぎる……」
「何を言っている? そのような当たり前のことをわざわざいうとは。我々が精鋭なのだから当たり前であろう?」
エリザベスがいう「強すぎる」とは、いとも簡単に捕縛することが出来る戦闘力に対していっているのではない。
音がするのだ……。情熱──パッションの音が……。
ばいん、ばいんと弾む例のあのモノの音が……。
どこぞの海賊の解放のドラムの音ではない。
解放感溢れるおっぱいの音だ。これを奏でられる存在──すなわち爆乳の持ち主。世界は、神はドライアドたちに、天は二物を与えずの法則を無視して与えてしまったのだ。美しさと爆乳を。
もうおわかりだろう、エリザベスはドライアドたちの乳力を、胸の素晴らしさを「強すぎる」といったのだ。その戦闘力は現代日本人では勝つことが到底不可能なほどの乳力である。この世界は美形が多い、おっぱいがでかすぎる、全くもってけしからんのだ。これをみてしまっては日本などに帰る気はゼロとなる。
「隊長! この者、顔の穴という穴から血を垂れ流しながら意識を失っています、それなのに満ち足りた表情をしておりますっ!」
「なにいッ? 罪を償う前から死にそうになってどうするッ? 皆、回復法だ」
「〈ヒール〉」
ドライアドたちはエリザベスの至近距離から一斉に回復魔法をかけた。
「隊長ダメですッ! 余計に、とくに鼻から血を噴き出してます、さらに顔が幸せそうになっています」
快楽に満たされ切った表情をしたエリザベスは今にも天に昇りそうである。
「なにいッ? 何だコイツはッ! 死にそうになるほど笑顔にでもなる病気なのか? はッ! コイツは自殺志願者に違いない! とりあえず回復魔法をかけ続け拘束して自殺できない牢屋にぶち込んでおけ」
そういうと隊長ドライアドは上に報告するために、部下たちは牢屋にエリザベスを運ぶためにその場を後にした。各々、自慢の爆乳を何度も何度も浮かせながら、爆乳しか出せない音を出しながら目的の場所へと向かっていった……。




