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37開脚目

 パーフェクトデュエル――それは完全勝利。カードゲームの種類によってはその定義は若干左右される。だが概ね変わらないといえるだろう。最も重要な要素は次のとおりだ。


 ダメージを一切受けない。


 これに尽きる。ノーダメージにて勝利するということである。しかし、その難易度の高さからかほとんどの人にはそのようなことはできない。


 では、真のデュエリストならばどうか?


「うっ、うそや……こんなの……」


 驚愕して言葉に詰まるルナフレイム。


 あれから幾度も闘った。エリザベスとルナフレイムがデュエルを始めてからというもの、何回再戦してもただの一度もルナフレイムは勝てていない。ただ勝てないだけならまだ納得することができた。


「どうして……いつもパーフェクトデュエルで負けるの……」


 そうなのだ。ルナフレイムはエリザベスに対し何度やってもダメージを与えることが一回もできないのだ。


「俺は真のデュエリストだからな。そろそろ負けを認めたらどうだ? 何回も何回もデュエルしただろう」


 キリッとしたどこぞのデュエリスト風の作画でいうエリザベス。


「ぶー、ぶーっ!」


 頬を膨らませなかなか認められない、認めたくない当人である。が、そろそろ負けすぎて言い訳も苦しくなりすぎてきた。


「さあ――」


「-―全速前進だーッ!」


 エリザベスが話しかけようとしたとき、ルナフレイムはその言葉を吐き全力で走り出し木の中から外へと脱出した。ぽつんと取り残されるエリザベス。なんだかこんなことあったなあと考え込むのであった……が。


「いけない! 逃げられた!」


 逃げられてからエリザベスが追おうとするとまでの間にかなりの距離を稼がれてしまった。そんな距離はエリザベスにとってないも当然といいたいところだが身体になにかが纏わりついて身動きが取れなくなっている。


「ちょ、なにこれ! このツル?」


 エリザベスに植物が、ツルが纏わりつき身動きを封じていたのだ。エリザベスの圧倒的腕力でぶちぶちとツルを引きちぎるのだがその度に何度も何度も他のツルが伸びてカラダに絡みついてくる。さらにエリザベスの服の隙間にも器用にツルは入ってきて胸の谷間を通って露出してなんだか厭らしい。


「姫様の元へは行かせないッ!」


「んッ、誰? 姫ってわたし?」


 どうやら話しかけてきた人物がこのツルを操っているようだ。


「お前のような品のない愚民とは違うわッ! 何ボケているッ? ルナフレイム様に決まっているだろう!」


「なッ! あの子も姫さまだったのね。ってあなたは誰?」


 姫であるにも関わらず愚民扱いされたことでほんの少しへこむエリザベス。


「先ほど姫様とデュエルをしていてボコボコにされていた者だ!」

 

 確かにここにきたときルナフレイムはもうひとりのドライアドとデュエルを楽しんでいた。随分と一方的な試合運びではあったが、それをはっきりと自信満々に堂々とボコボコにされた者といえる精神力は素晴らしい。


「あーもうひとりいたわ。負けた後隅っこで丸くなっていじけてた子ね」


「むきーッ! ゆるさん、〈ツルツルバインド〉!」


 事実を言われ激昂するドライアドはツルをさらに増し増しにしてくる。


「あッ!!!」


 ツルがエリザベスの下着の中にまで侵入してきており思わず声を出した。


「なッ! あなた……あそこツルツルなのね……ツルだけに……」


 もじもじしながら、恥じらいながらそう呟くドライアドなのであった。


次回、粉砕、玉砕、大喝采!

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