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36開脚目

「きいーっ、まて、まて、まてやッ! イカサマだーっ! 今の無し、今の無し、今の無しっ! やだやだやだやだッ!」


 発狂したルナフレイム。その場で全身全霊のローリング駄々っ子を披露する。幼女も、童女も、少女もびっくりなほどのローリングだ。そのローリングはよくみてみるとルナフレイムを弾ませ一瞬浮かせていた。回転によって身体の突起部分――乳が床にあたりその衝撃で時折弾むのだ。ドライアドの見目麗しさとは似ても似つかない行動に困惑するエリザベス。


「俺の勝ちなんだが?」


 作画が変わったようなエリザベスはキリッとした表情でいう。エリザベスはデュエル・オブ・タマンネリアにおいてももちろんしっかりとやり込んであり、そのデュエル時の運も実力も極限まで高められていて真のデュエリストといっていいほどだ。たとえば真のデュエリストにまで至ると引きたい時に引きたいカードが引けるようになったりなど、もはやイカサマレベルの強さである。ルナフレイムが疑うのも無理のない自然なことだ。


「認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない」


 ルナフレイムはジト目になりこれまたエリザベスとは異なるが二頭身のような容姿となる。そんな瞳でひたすら機械的に同じことを口にしてくる、「認めない」と。


「もーっ、わかったから。ただし、俺が勝ったらあんなことやこんなことしてもらうからね」


「うっ、うん。だけどあのさっきのカードは使わないでな。あと、魔王軍はもうドライアドを勧誘しないでもらうで」


「わかった、じゃあ仕切り直して始めようか」


 ちゃっかりとエリザベスは自らの要求をのませた。エリザベスならではの要求だ。俄然やる気になりその目は闘志で燃える。しかし、ルナフレイムも負けておらず、先ほどの危険な特殊勝利条件のカードの排除に成功し、かつ、今後一切の勧誘禁止を要求し言い分を通してきた。

 

 そうしてエリザベスはわずかな時間でデッキ時間で組み直した。達人や神技といえるほどのはやさだ。しかし、急ごしらえで勝てるのだろうかという疑念は生まれるはずだ。


「デュエルッ!」


 再度二人の声が重なる。闘いの始まりはやはりこれである。これだけは外せぬのだ。この掛け声によって二人は身が引き締まる。


「今度は先行はウチや! 【人食いプラントさっちゃん】を召喚。ターン終了や」


 先行は攻撃できない。カードゲームあるあるである。多くのカードゲームは先行は1ターン目攻撃できないことになっている。しかし、先ほどは攻撃もなく勝敗が決してしまった。ルナフレイムでなくとも駄々もこねたくなる。


「なるほど……植物デッキか。俺のターン、ドロー!」


 次回、全速前進だーッ!

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