ワレワレハ、イセカイテンセイシャ、ダ・・・
こんにちわ
「——君!起きてるかい?気づいてるかい?——」—
「——すごいんだから、君は——」
「——世界を救えるんだよ!——」
「——他とは全然違う、本物の英雄になれるっていう伝説の——」
「——異世界転生者だよ——」
異世界転生者———それは、かつてこの世界で恐ろしい力を奮っていたとされている存在である。
しかしそれは神話に登場する神々に等しい程の逸話が残っているがために、人の創造の産物であると人々は思っている———
「君、名前は?」
白髪交じりの男が問う。
「・・・・・」
(名前か、なんだろうな、なんだろう?)
「・・・・・」
(つーか名前って自分で考えるものか?大体は親が決めるものだろ。)
「どうしたの、名前は無いの?」
「ナメルネスかな」
名が与えられなかった男は自らをナメルネスと名乗る。そして名乗った後でダサいと思ってしまう。改めなくてはならない。
現在はナメルネスは思考をほとばしらせる。疾風迅雷、雷神の如く。
(シンプルでイケてる名前を思いつけ。友達からそう呼ばれる度に自己満足に浸れるような名前を)
そしてナメルネスに成りたくない男は告げる。
「アオイ・・・」
「アオイ君?アオイ君か。君にすごくあってる名前だね~」
アオイはむかつく。俺が必死に考えた渾身の名前なのになんだその流し方は、と。
「アオイじゃねえジジイ。名は、エフェリオン」
アオイ改めエフェリオンと名乗った。
「エフェリオン君、いいじゃないの。それでどれにしよっか、名前」
男は再びエフェリオンの気に障る返答をする。そしてやはりエフェリオンは新たな名前を考える。
「スファレンティ」
サヨナラ