7話 使うなって言われたら余計に使いたくなるだろ!
入学式が終わって、家に帰る道中、ふと忘れかけていた試したい事があった。
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「無闇に能力を使うんじゃないぞ!」
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脳裏にあのおっさんの言葉を思い出す。
だが、その言葉は、使ってくれと言ってるようなもんだ!
「というわけで…魔道士ヒューガが命ず、水の力をここに示せ!ウォーター!」
ビシャー
詠唱をし終わった後、頼りない水が手から放たれる。
言うなれば……蛇口ほどの。
「うえ、弱っ、しばらく使ってないと鈍るのかー?」
魔力に違和感を感じながらも、次はいつもより強めに、ほかの魔法を詠唱した。
「魔道士ヒューガが命ず、雷の力をここに示せ!サンダー!」
指先から放たれた雷撃が砂場に立てた木の枝に直撃する。
「おお、それなりに使えたわ!安心安心。」
魔力の使い心地は多分前の世界と変わらないけど、何時使うのやら…
魔物もいなけりゃ魔法を放つ相手もいない。
でもまあ…
「ファイア!」
串に刺した生の鳥肉を魔法で焼いてみる。
「うん、美味いな!こんな使い方もありかもしんねー!」
魔力の無駄遣いかもしれないけどな?
でもまあ使い勝手は凄くよかった。
もしかしたら、この魔術でこれからだいぶ楽出来るんじゃ?
もっと楽しい事に使えるんじゃないか?
そう思って俺は、
今晩のご飯は何だろうと考えた。