5話 こうもなるなんて思ってねーよ!
おいおい、これは冗談ですか?
目の前には、天界で散々だったオッサンがいる。
「パパじゃよ。」
「パパじゃよじゃねーよ、なんでいるんだ…っていうか記憶がねじ込まれてきてる……あーお父さん。」
記憶の中にオッサンこと、お父さんの記憶が入ってくる。
あーはいはい、肩車されてたみたいだな、記憶上では。
「お前さん、両親の設定が事故で居ないとかなんじゃ!まだ子供だからこの世界では親無しで生きられん!」
おっさんは少しキレ気味で言ってきた。
「はぁ、それで俺の邪魔…この世界にパパとして来たと。」
「来たくてきたんじゃない、上からの命令なんじゃ、そのせいあってワシはここでお前さんの暮らすための最低限は支えなきゃいけんのじゃ、まあ用がある時以外は天界でのんびりじゃがの。」
まあ、お金のことも確かに考えていなかった。
働きたくねーしな、おっさんが勝手にお金を置いといてくれるんだからイージーモードだぜ。
「そんで、俺はアンタのことお父さん……って記憶ではなってるんだが、そういう事でいいんだよな?」
そう、記憶上では。
全くこのおっさんをお父さんだっていう事を体験していない。
「まあそうなる、てことだ、明日の入学式楽しんで来るんじゃぞ、ほれ今月のお小遣いじゃ。」
「お小遣い……ああ、ってキャッシュカードじゃねーか。」
へえ、カードを使うとお金が出てくるのか。
番号とカタカナで名前が書いてある。
ニイダコウジ…ってこのオッサンの名前絶対偽名だよな!?まあ俺もだけどさ。
「それじゃあのぉ〜」
そう言ってピースをしておっさん…お父さんは天界に帰った。
てか妹はこれ絶対おかしいって思うだろ!
そう思ってると妹は2階から降り、
「パパまた単身赴任で遠く行っちゃったね!」
と言い出した。
…天界ってのは本当に都合がいいのな!