4話 妹最っ高じゃねーか!
「……ん、朝か。」
俺の名前は丹伊田飛我。
この世界では名字、名前っていう構成が普通みたいだ。
そして、この漢字とやらで名前を記す。
「うおお、新しい世界!!」
新しい世界に来てしまった。
なのに、どこか懐かしさを感じている。
これがあのおっさんの言う思い出し感覚で大丈夫ってやつか?
「兄ちゃん、やっと起きたね、もう昼間だよ?」
ちょっと小柄な小学生5年生の音々、俺の妹だ。
髪型が黒色のボブ。俺好みの。
あ、もう一度言う、俺の妹だ!
「兄ちゃん?なんで目をキラキラさせてんの?ちょっとキモイんだけど。」
……キモイだと!?
まて、そうか、性格までは設定出来なかったのか。
こいつは小さい頃から、こんな感じだ。
そんな感じがする。だが!可愛い!!
「お、おいキモイはねーだろ、とりあえず、ご飯だろ?」
「あーうん、そうだけど、今日制服取りに行かないと兄ちゃん明日入学式でしょ?」
入学式……あっ、俺高校に行くんだ!受験大変だったなぁ、思い出すだけで…って体感した感じがしない。
あー気持ち悪いなこの思い出していく感じ。
例えを言うなら、
「このチョコって甘いよな!」
って分かってるのに、どんな風に甘かったのか、どんな味だったのかを具体的には分からないってオチだ。
……まて、チョコってどんな味だ?
お昼ご飯に妹の作ったオムライスを食べ、自転車を漕いでその高校へと向かった。
「うわぁ、でけぇ。」
高校ってこんなにも広いとこなんだな。
中学の時に憧れてたのがなんでか分かったわ。
ていうか中学ってどんなとこだ?
そんな感じに頭の中で矛盾が起きながらも俺は高校の体育館に入り、頼んでいた制服を受け取る。
「ふぅ、家に帰って着てみるかさっそく。」
家に帰ってから、制服を着てみると、慣れないネクタイに戸惑った。
「これ難しいな、こんなん巻くのがこの世界の学生服なのか?」
俺が魔道士学校に通ってた時の制服は白のワイシャツに茶色いブレザー、ズボンはチェックの黒ズボン。だがブレザーは邪魔だから腰に巻いたりしていた。
ネクタイとやらは初めてつけるから難しい。
鏡と格闘してると、妹が
「兄ちゃん、パパが呼んでる。」
「パパ?」
俺は違和感を抱いた。
申請書には妹と俺だけの家族構成なはず、両親は不慮の事故でいないことにしたはずなのに…
あのオッサン何しでかしてくれたんだ!
と思っていた矢先。
「やあ…お前さん。」
!?!?
そこには…
天界にいたはずのおっさんがいた。