2話 自分好みの設定?そりゃいいじゃねーか!
こんにちは、俺はヒューガです。
そんな俺は今、舌を出して「てへっ★」ってしてるおっさんを前に固まっております。
「……つまりは?俺はミスで死んでここにいると?」
「実はじゃな……」
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「ふう!魔道具の整理も大変じゃな!」
そう言いながらワシは箱の中に詰められてる魔道具を仕分けしていたのじゃ。
すると、新品の面白そうな魔道具を見つけたんじゃ。
「ビリビリパーティーゲームじゃと?」
そう書かれている箱を開けて、魔力を注いでみたんじゃ。
そうしたら…
「ビリビリする相手に向けてね!制限時間は10秒!」
と鳴り出すもんじゃから焦ったんよ。
だからワシはこの魔道具をテキトーに向けたんじゃ。
そしたら、奥に世界を色々映すような、言わばモニターみたいなもんじゃ、それが置いてあるのに気が付いてな。
気がつくと…遅かったというわけじゃ。
たまたま映りこんだお主に直撃してボーンと言っちゃったわけですわい。
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こいつぅぅぅ……!!
「てことで、すまんな!神としたことがてへっ!」
本当に神か……!?
呆れた俺は、こうしていても何も始まらないので帰り方を聞いてみる事にした。
「え?帰り方?1回死んだ魂は同じ世界に戻す事が出来ないっていう、天界のルールなんじゃよ、すまんな!」
……なんつった?このおっさん、帰れない…?だと?
「おい!俺なんでアンタのミスで死ななきゃなんねーんだ!このまま天国行って人生終わりかよ!?」
「まあ落ち着け少年。」
「落ち着けるかぁ!!」
「落ちつけぇい!!」
そういうと、おっさんにビンタされた。
…親父にもぶたれたことないのに。
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「んで、どうすんだよ?俺本当に天国行き?」
俺はそう聞きながらおっさんがコタツ?とかいう机で暖まっていた。
「お前さんは地獄じゃよ多分」
「なんでだよ!!」
「なんとなく。」
「やかましいわ!」
冷静にひでー事いうおっさんに俺は腹が立ちまくりだった。
そんな時、おっさんが口を開いた。
「まあ、今回のミスはわしも悪かった、謝ろう、そこでなんじゃ、戻れない代わりにと言っちゃなんだが…」
そういうとおっさんは、紙を机の上に出した。
【申請書】と書かれた紙だった。
「これに新しい世界での名前、家族構成を書くことで次の世界でも上手くやって行ける、まああらかじめある世界にお前さんをぶち込むようなもんじゃ、お前さん単体じゃなーんもできんじゃろう。」
おっさんの言うことは確かにそうだ、だが疑問もある。
「そりゃそうだけどよ…周りとの繋がりとか関係とかどうなるんだ?」
「そこは周りの記憶を上手くごまかし終わったあとにお前さんを転生させるから心配いらん、あと言葉とか身に覚えのない記憶とか、そういうのは勝手に頭に思い出す感覚で出てくるから大丈夫じゃ。」
つまりは転生した後も周りにも自分にも影響がないってわけか。
うえー、なんか都合がいいなこの天界とやらは。
なんでもありか!
「なーんだ、ただ無能なおっさんと思ってたけど結構すごいな。」
「口に出ておるぞ。」
あっ、やべ。