陽キャと陰キャと僕
作者はスマホがすきです。
ここはとある中学。
クラスは複数のグループに別れていた。ワイワイする事を楽しみとする集団(陽キャ)、ワイワイとまではいかないけどもまとまって話をする集団(陰キャ)、あとはなんかよく分からない人達だ。
僕は恐らくその中のよく分からない人っていうジャンルに入るんだろう。
僕が教室にいる時にしている事は大体がゲームだ。中学なのにゲーム?って思ったかもしれないけど僕の中学はスマホOKだしゲーム機に関しても特にお咎めは無しだ。
クラスの人達はそんな僕を見てどう思っているのだろうか。そんな事を考えたりもする。あ、僕の名前は稲葉って言うんだ。好きなロックバンドのボーカルと同じ名字なんだよ、いいでしょ。
確かによく分からない立ち位置にいるかもしれないけど友達がいないわけでもない。クラスに友達は3人もいるんだよね。それ以外の人とはちょっと喋るくらい。
僕の友達の一人は陽キャのグループにいるんだよね。けどあのグループって大変そう。いつも関係取り持ったりとかしたりしてさ。僕がワイワイするグループだってそういうのが面倒臭いから仲間にならなかったんだよ。
もう一人は陰キャのグループにいる友達。大まかな目で見ると陰キャではないのかもしれないけど話をしてる内容が一般的なジャンルから外れた内容の会話が多いからそう呼んでるだけなんだけどね。
その友達も関係を取り持ったりしてるんだ。けどそこまで苦痛そうには見えないな。
集団によって何が違ったんだろう。僕はそれを確かめたくなった。という事で僕は両グループ共に1週間混じってみることにした。
グループに混じるのはそこまで難しくない。なんせ友達について行ってたまに相槌うって笑ったりすればいいだけだしね。たまに大袈裟に反応したりもすれば何か面白み生み出して更に話にまじったりも出来るね(というかした)。
そういった会話内容は残念ながらカットさせてもらうよ。
でもそういうグループで何があったりしたのかを僕が表面的にみてまとめさせてもらったよ。
まず彼らには代表?ぽい子がいるんだよね。大体話の中心にいたりする。彼らは中心になってる人に合わせて行動する事が多かった。恐らくそれは中心の人がえらいってことじゃなくて、中心の人が言ったことに一人一人合わせようとした結果そういう風に見えてるだけかなっていう感じがした。
その中に一人あまり合わせようとはせず若干自分本位で動こうとして少し嫌われてる人がいたけど、恐らく僕の友達が関係を頑張って取り持ったりしてるのって、この人のことなんだろうなってすごい思った。
まあ陽キャって言われるとよく聞くのが、カースト制度っていうのが中にあるって言われてるけど、少なくとも僕のクラスの陽キャグループにはなかった。じゃあクラス全体でみて陰キャグループの事を疎んでいるのかどうかと言われたら、話さないだけで彼らのことを悪く言う人間もいなかった。僕は陽キャってグループはアブナイやつらなんだと決めつけていたけどそうじゃなかった。でも疲れることには疲れるから1週間で混じるのはやめたよ。
けど仲は悪くなってないと思う。そこまでグループってものに執着がないのかもね。多分恵まれてるかも。
今度は陰キャの方に混じってみた。呼称を陰キャにしてはいるけど、そこまで暗い集団じゃないね。ただ、話す内容はコアなものが多いね。あ、でも陽キャグループと変わらんやんってことはないんだよ。いや実際そこまで変わらないのかもしれないけど。
まず中心は特にいなかったよ。基本話が噛み合ったらわりとひょこひょこ話すみたいな感じで。でもね、彼らは話が分からないものでも気遣ってその話に割と深く質問したりしてくれて話やすさもあるんだ。陽キャのグループでの話ってそこまで深い話に突っ込まない事が多々なんだよね。そこから比べるとやっぱ話に入った時の深追い度が違うというか。いや勿論彼らはわりといいタイミングで切ってくれるんだけどね。彼らは話す時に相手が不快にはならないだろうって言うことを常に考えてる雰囲気があるんだ。その場でパーーって喋るんじゃなくて。ああ、この人達は優しいんだなぁって。おかげで1週間あんま疲れなかったよ。まあ疲れたからもう混じらないけど。
結局僕のクラスの場合での陰キャと陽キャって何が違うんだろう。って考えたら実はあんまり違わなかったんだよね。
違いもいっぱいあるけどね。違うと思ったのは発言する時に常に相手を慮って発言してるのは陰キャグループだった。相手を不快にさせないようにって気概があるのはいいね。けどそれが逆に陽キャの人達には重みになってるって感じだからあんまりずっと一緒には喋れないんだろうね。実際喋ってるとこみると陽キャの人は喋るが難しそうになってる。きっとあわせてこっちも親切にしようって思って喋ると違和感すごいんだろうね。いつもはフレンドリーに、だけどそこまで不快感は与えないってラインにあるものを考えずに選ぶことはすぐに出来るんだろうけど、親切にしようって考えると違和感が大きくなりすぎて疲れちゃうんだろうね。勿論陽キャの人達でも親切にするタイミングはあるけどそれでも気軽さは忘れてないというか。
まあどっちにしても、相手には不快感は与えないっていうのが心にあるみたいだから、結局そんな変わらないってことなのかな。
そして僕。僕は過去に暴れていて途中で静かになってグループには所属しないただの暗い人だ。友達はいるし楽しいけど社会的な充実感は如何程なものか。勿論そこは最底辺だけど、ここが1番疲れないんだ。僕みたいな選択をする人はあまりいなさそうだけど、もし学生生活を営むなら僕のように半空気でいるのが疲れないよ。
陰キャより底辺、空気ですごい陰の者の話はこれで終わりです。
漏