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がらくた小噺  作者: miyuri
7/7

みつばちの園

※百合に近い表現があります。

主人公は美しいもの以外に対してやや差別的です。

 私には、高校生の時、美香というかけがえのない親友がいた。

彼女は、あの花園の中で女王蜂だった。彼女が笑えば皆笑うし、是といえば是となるのである。 私は最初、彼女の取り巻きのひとりに過ぎなかった。席が隣ということで、自然とそうなった。


  最初は周りの流れに合わせただけ。でも、だんだんと彼女本人に惹かれていった。


蠱惑的な二重、シャープでくっきりとした滑らかな顔のライン。美香は、私が夢見ていた女の子そのものだった。


私が心酔するにつれて、彼女も心を許してくれた。 私は嬉しくて、彼女のためになることは何でもした。


でも、彼女の蜜蜂の王国が崩壊するのはあっという間だった。オオスズメバチがやってきたのだ。

  転校してきた、朱里という女。その女は曲がったことが大嫌いで、真っ直ぐ尖った正義の針で巣をひとつずつ刺していった。

彼女の王国は、形が綺麗なだけで、正論の前では容易に崩しやすかったのだ。


 「みんなが困っている」「弱いものいじめはよくない」


  それにみんな同調して、ひとり、またひとりと取り巻きが減って言った。 私は最後まで残るつもりだった。彼女あの、瑞々しい薔薇のような、棘を持ち、そしてあでやかな姿を愛していたから。


でも、彼女はある日突然学校に来なくなった。私の目の前から忽然と姿を消したのだ。


「あの時、どうして何も言ってくれなかったの?」


だから、大人になって繁華街でキャッチをしている彼女を見て、いきなり問いつめてしまったのも無理はないだろう。

 

 美香の濁った水面のような両眼の球が、ゆらゆら揺らめいた。


「……」


 美香は押し黙ったまま、俯いている。


「美香、この人誰?」


  常連であろう豚が、美香の美しい……美しい肩にぽんと手を置いた。私は耐えきれなくなり、彼女の小さな手を引いて、思い切り走った。


「ちょっと、さな!いきなりなんなの!?」


  美香は驚いた声を出しつつも、抵抗する様子はなかった。すんなりと着いてきてくれてる気がする。


「どうして……?」


 私はあなたの忠実なる働き蜂だったのに。瑞々しい、高粋な花だったあなたが。 男なんかに、汚されて欲しくなかった。

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