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試験 1

 あの後、色々悩んで、色々あったが、ついに試験を受ける日になった。正直に言って、安全は保障すると言っているので、危険そうで心配という事はなかったのだが、自分の手で生き物を殺すという事に少し不安を覚えていた。

 「大丈夫ですよ。そもそも、魔物は生き物であって生き物ではないようなものですから。」


 「?」


 「ヤツらは、死んでも肉体を残しません。残るのは、紫色の半透明の石『魔石』を残すだけです。稀に肉体が残る魔物もいますが、本当に稀です。ただ、魔物は魔法を使ってくるので、危険です。」


 「???」


 「混乱しているようですね。まあ無理もないでしょう。死んでも死体が残らないなんて、あなたのいた世界では考えられないような事ですから。まあ、実際に見た方が早いでしょう。」


 百聞は一見にしかず、という事か。


「ということで、試験内容は『魔物の討伐』で、討伐した後に残る『魔石』を持って帰ってきてください。万が一、危険な事があれば助けに入りますが、ある程度のことは自分で対処して下さい。試験をする場所までは私が運んでいきます。」


運ぶ、と言っているが、どうやって連れて行ってくれるのだろう。


 「飛びますから私につかまってください。」


 手を握ればいいのだろうか?


 「その状態でいいので、離さないでください。いきますよ!」


 地面から足が離れた。驚いて手を放そうとしたが、がっしりと手を握られていて離れなかった。


 「離さないでって言いましたよね?」


 「はぃ・・・」


 なぜかものすごく怒っている。怖い。


 「手を離されると、あなただけでなく私まで危険になるので、絶対にやめてください。」


 怒っている理由は分かったが、なぜ自称神様ミッシェルさんまで危険になるのだろうか? どうでもいいが使い勝手が悪そうだな。


 そうこうしていると、眼下には、一面の草原が見えるぐらいのところまで昇っていた。多分、高所恐怖症の人であれば失神しているだろう。俺が高所恐怖症じゃなくて良かった。


ところで、下りるときはどうするんだろう?


「下りますよ!」



むじゅうりょくをたいけんできました。できれば、もっと優しく下りてほしかったです。



 「今から試験を始めます。説明は前にした通りなので省きます。頑張ってください。それでは始め!」


 そう自称神様ミッシェルさんが言うと、自称神様ミッシェルさんが見えなくなった。さて、今からどうしようか。


 『近くには強い魔物はいないので安心して下さい。ただ、魔物はたくさんいるので、注意してください。それと、騒がしくしたので、その場所はすぐに魔物や、魔物じゃない動物まで集まってきますよ。』


 なんか、誰もいないはずなのに、耳元で声が聞こえてきた。


 『驚いたみたいですね。すいません。ミッシェルです。魔法で声を届けてます。何かあれば、今のようにして連絡するので、驚かないでください。』


 知っている人で安心した。しかし、魔法ってこんなこともできるんだな。


 『感心している場合じゃないですよ。さっきの忠告は聞いてましたか?』


 おっと、さっき確か魔物や動物が集まってくるとか言っていたような・・・。集まる? という事は、ここは危険地帯! 早く移動しなければ。

 どこまで移動すればいいんだ? そういえば、今回の目的は魔物の討伐、つまり、少し離れて、身を隠しておけば対象が勝手にこっちまで来てくれるという事か。じゃあ、少し離れてゆっくりしておこう。


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