3.神様に連れ去られる
~茶番~
神様:連れ去られる、ってどういうことですか! 安全な場所に移動しただけでしょ!
???:説明もなしに連れて行けば、それは人さらい、つまり誘拐。違法です。
神様:残念、ここは日本ではない! そして私は神! そして、私が法だ!
???:残念だが、この世界の法は私だ。捕まえろ!
神様:!?!?
~茶番 終 ~
「では、時間もないのでさっそくいきますよ。」
そう言って自称神様は俺をどこかに連れて行った。
「さすがに見通しのいい平原というのは、危険を早めに察知しやすいですが、あまりにも目立ちますし、第一あなたは戦う術を持っていないので、察知できたとしても一方的に襲われるだけですからね。場所を移しますよ。」
道中、自称神様は俺に向かってそんなことを言っていたが、俺はどうでもいいので少し落ち着ける場所に行きたかった。
「着きましたよ。ここなら誰もいませんし、魔物も下級クラスばかりなので、私一人でもあなたを守れます。疲れたでしょう? 少し休んでいてください。」
そう言って、自称神様はなにやらごそごそし始めた。
俺は、驚きの連続で精神的に疲れていたようで、ウトウトしてしまった。
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「黒山さん! 起きてください!」
「・・・ 誰ですか?」
「あなた、本気で言っていますか? 今日会ったばかりの人の顔ぐらい覚えておいてください。」
寝ぼけていたので忘れていたが、こいつは自称神様だった。
「思い出したようで何よりです。それよりか、もう夜なので食事にしましょう。この付近の地域で行商人やハンター(狩人)が野営をするときによく食べる食事を用意しました。あなたの口には合わないかもしれませんが食べてください。でなければ、今後の活動にも支障が出ますので。」
そう言って出された食事は骨付き肉と、肉と少量の野菜が入ったスープだった。骨付き肉は、ただ焼いただけの何の味付けもされておらず、初めのうちはおいしかったものの、だんだん飽きてきて、胃もたれしそうだった。スープの方も、味付けはなかったが、あっさりとしていて、骨付き肉よりかはマシといった感じだった。
「食べ終わったようですね。それでは、今後の方針についてお話させていただきます。まず、あなたにはこの世界で生きていくために必要なことを教えますが、最も必要なものは、『力』です。もっと言うと、『武力』ですね。この世界は、魔物も存在しますし、治安も悪いので、自分の身は自分で守れるようにしておかないと、すぐに死ぬことになります。それから意思疎通のために必要な『言葉』です。幸い、この付近では日本語にかなり近い言語が使用されていますので、すぐに覚えれるでしょう。後は、この付近の地理と経済について少し覚えてもらいます。そして最後に、『卒業試験』を受けていただきます。『卒業試験』の後からは、自分で生活してください。」
まさか、こんなにしなければならない事があるとは・・・。 果たしてこの世界で無事に生きていけるのだろうか・・・。
「今日は、もう遅いのでゆっくり休んでください。明日からみっちりしごきますので、ゆっくり休めるのも今日までですよ?」
考えるのが面倒になってきたので、忠告どおり休むことにした。
次回投稿日は未定です。
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