はじらい
抜けるような青空の下、みずみずしい黄色と緑が映える。畑のひまわり一万本は、さんと高くしろしめす太陽に向かって首を巡らせている。
ふと、小学生二人。「こっちこっち」と畑に入ってきた。
ひまわりは二人の身長よりもはるかに高い。
「ね、ここなら誰も見てないから」
陽気に言う女の子。とても明るくご機嫌だ。男の子は遠慮がちに「うん……」。彼女がまぶしいのか、目を薄く細める。
ほほを染め、両目を閉じる女の子。祈るように両手を胸で組み、ついと爪先立つ。
一歩寄る男の子。
甘い体験は、せいたかで緑一杯のひまわりで囲まれ、誰にも見られることは無いだろう。
が、やはり高鳴る鼓動で胸が詰まるのか、天を仰いで息をついた。
その時、彼は見た。
万のひまわりが一斉にふいと空を向き、太陽がすっと白い雲に隠れるところを!
おしまい
ふらっと、瀨川です。
他サイトに発表したことのある旧作品です。
こんなぴゅあぴゅあな作品だって書くんです! 書くんです!(力説