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ネコとマングースの怒らせ方(後編)

「大田コラッ…待てぇぇぇぇぇェェェ!!!」


「…」


「ほっほっほ」


炉衣は激昂し、田川は狂気的とも見える笑みを浮かべながら無言で〈奴〉を追いかける。

教室内で始まった二対一の鬼ごっこは机と椅子がガチャガチャとなる音をBGMに発熱していた。

俺はそんな様子を自分の席の机に腰掛けてニヤニヤと傍観する。しかしやっぱり人数の差が〈奴〉にとっての仇となり、すぐに挟み撃ちにあっていた。

試合終了だ。

ネコとマングースが速攻〈奴〉に飛びかかった。

マトモな人間が見たらリンチにすら見える光景だが、当の本人は


「ちょ、待っっストォォォォップ!!!」


とか言いながら笑っていた。

理解不能な行動の中には自分を痛めつけて喜んでるのではないかというのもある。まあ、要するにMだ。しかも超がつく

さぁ、ではネコとマングースが俺から気をそらしているうちにドMの紹介でもしようか。

大田(おおた) (わたる)。170cm位の長身で、少しむさ苦しい印象のある男子だ。

炉衣と田川にチョッカイをかけてはわざわざボコボコにされているマゾヒスト。

いつも制服には関数電卓やら指揮棒が入っている変わり者だ。

通称…というか、俺はゴリラと呼んでいる。

以上

紹介終わり。

俺がもう一度三人に目を向けると、取り敢えず一通りのリンチは終わったようだった。


「あーもう課長さんも木出さんも酷いって」


「お前が余計なこと言うからだろ!?」


大田が立ち上がり制服をはたきながらそう言うと間髪を入れずに田川がツッコんだ。

全くもって面白いが、そろそろ蚊帳の外は飽きた。

俺は座っていた机から飛び降りると、地雷と分かっている科白をわざわざ吐いた。


「まぁまぁ。落ち着けって、ネコにマングースにゴリラ。ふはっ。まるで動物園だな」


相手が本気では怒らないで意識は確実に俺に向くギリギリの科白。

これは言ってしまえば蚊帳の外から中に入るための通行証だ。


「おい佐国。ちょっとこっち来い。」


木出が怒りをモロ顔に出した表情で俺にジリジリと近づいて来る。


「えっ…えぇ〜…やだなぁ、炉衣。怒っちゃったぁ〜?駄目だよ〜?暴力変態だよぉ〜?」


俺は態とらしく科白を間延びさせて二歩、三歩と後ろへ下がる。

しかしそうは問屋が下ろさないと言わんばかりに横には室内履きを手に持ったゴリr…改め、太田。

後ろには机を動かして俺の退路を着々と塞いでいる田川。

拙い事に、挟まれたようだ。

そして近付く木出…


「佐国…お前はとっとと部活行けぇぇぇぇぇ!!」


それでは今日のおさらいです。

ネコとマングースの怒らせ方

種族を思い出させてあげましょう。

0コンマ2秒で怒り出します。

ただしゴリラがいる時にはちょっかいをかけないように。

見事な野性のコンビネーションを見せつけられます。

怒らせるのは程々に。

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