ネコとマングースの怒らせ方(前編)
キーンコーンカーンコーン
「起立、礼!」
「「ありがとうございました!!」」
6時間目終了のあいさつ。日によっては7時間目もあるが、大体がこれくらいで終わる。
この挨拶をすると鎖が切れたような妙な解放感があるのはきっと俺だけなのだろう。
一日の授業が終わると皆それぞれ好きに行動する。
吹奏楽部は真っ先に音楽室へ向かい、女子テニス部は何人か連れ添ってコートへ向かう。
部活が無い者はバスに乗るためピロティーや最寄りのバス停へ向かう。
部活が無いといってもこの学校は部活に所属するのが絶対なので、速攻帰る者達は活動する日が少ない文化部か、一応の所属だけして顔は出さない幽霊部員のようなものだろう。
俺はどちらかというと幽霊部員寄りだ。練習には出ているが少しでも具合が悪かったり気分が乗らなかったら休むことが多い。
こういう時緩い部活は便利だ。一応運動部ではあるのだが、そこはまぁ今度書こう。
「ふぅ…」
俺は一つ溜息をついて教科書などをかばんに詰めた。
さて、今日は部活に行くか否か。
いまいち気分は乗らないが行くことに決めた。
あまり休みすぎると<奴等>がうるさい。
じゃあ、行く前に少し悪戯させていただきますか。
俺はニヤリと右の口角を釣り上げた。
リュックサックと鞄を持ち、ついでに今から帰りますと言わんばかりのダルそうな表情を作る。
そして俺は少し離れた席に近づいて声をかける。
「じゃあね、炉衣」
「あれ?佐国さん部活は?」
そう、<奴等>のうちの一人は何を隠そうこの炉衣。
こいつは先輩からたまに俺の連行を頼まれていたらしく、それ以来俺が帰ろうとすると頼まれていない日でも俺を部活へ連れて行こうとするのだ。
俺はヘラ~っと笑って言った。
「ん?休む」
「おいコラテメェ部活行けや」
速攻で炉衣が部活連行モードに入った。
よしよし、計算通り。
「え~?今日怠いんだよ」
「知るか。ちゃんと部活に行きなさい」
「そんなぁ~。俺がちゃんと行くなんて考えられる〜?」
「とにかく行きなさい」
俺はヘラヘラ笑いながらのらりくらりと生返事をする。
そろそろ<奴>も出しゃばってくる頃か。
「おいお前また部活休むつもりか?」
ハイハ~イ予感大的中。
<奴等>の二人目登場~!
ちなみに今の科白は炉衣のものではない。
「あ、田川さん・・・」
「ハハッ。よう田川」
「とっとと答えろ」
田川志永。俺と同じ部活に所属するクラスメートだ。
男子なので短く切られた髪。本人に言うと怒るが俺より2センチ低い身長。
メガネだったのだが最近コンタクトに変えた。
サラリーマンのような風格があるのだが決して老け顔ではない…と思う。
学校でのあだ名は「課長」。
それがこいつの基本データだろう。
あぁ、一つ言い忘れてた。炉衣と仲が良く、部活連行に良く関わってくる。
以上。
「ん~?今んとこ行く気は無いねぇ~」
俺は嘘をサラッと吐いた。
嘘や演技は大の得意だ。
「お前なぁ。いくらなんでも休みすぎだろうが!」
「ほら、こんなに言われてるんだ。ちゃんと行け佐国」
二人が同じようなことを同じように言ってくる。
「えぇ~?別にいいじゃん。ほら、俺ちゃんと結果は残してるし?」
少しドヤ顔で言ってみた。
もちろんこの言葉が二人の怒りを買うのは知っている。
こいつらは怒らせてからがまた面白い人種だ。
性格悪いって?お褒めの言葉ありがとう。
生憎嫌ってほど自覚してる。
この科白を言ったらこの通り。
「うるさい。そんなこと言ってるとお前のこれまでの記録全部消して今度の大会出場できないようにするぞ」
「お前はぁ~~~~!!」
田川、そして炉衣が突っ込んでくる。
そして俺はもう一人の召喚呪文を唱えた。
同時に田川と炉衣の起爆剤に火をつけることになるが…
「そんなに怒るなって。ネコにマングース。血管キレるz…
『よし殺す』
ちなみに猫は炉衣、マングースが田川だ。
由来は単純。二人ともなんか似てるから。
マングースの命名は炉衣ですがね。
そして二人が俺に攻撃しようとしてきたとき、<奴等>の最後の一人が現れた。
「ホホっ。ネコさんネコさん。相変わらず課長と仲良いね」
二人の攻撃対象が俺からそいつに変わったことは言うまでもないだろう。
「ネコとマングース」という単語を聞くと出てくるこいつ。
こいつについては、また次回。
まぁでも一言でいうなら、
「ドマゾ登場…ククッ…」
俺は密かに笑った。
今回は長いので二つに分けています。
続きはできるだけ早く更新します。




