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第7話 通り道

― 損傷を受けた傷から見て、ケネディは頭を撃たれた際に25mm〜50mmほどその頭を下に落とした。

さらに彼の頭蓋骨の右側に受けた傷をよく調べてみると、頭を下に落とした後、彼の右肩はねじるようにして前に倒れ、そしてそれは少し上向きとなり、その次に彼の胴体がすぐさま彼の左後ろに倒れていった。

それから、最後に背もたれのクッションではじかれて、彼は自分の左側に座っていたジャクリーヌの方へ絶命して倒れたのだった。

その直後、リムジンはすぐさまスピードを上げてディーリープラザを抜け、パークランド・メモリアル・ホスピタルに向かった。


「右側か・・・。ということは、銃撃してきた方向はやっぱり、右側ってことだよな」

ステファンは自分の頭の右側を押さえた。ジョンも思わず真似してみる。

「もう一発、ケネディの身体を貫通して、知事のおっさんに当たったっていう弾はどうなんだ?」ジョンは突っ込んで聞いてきた。

「えぇーっと、それはここには書いてなさそうだな。・・・ああ、あった、あった、ここ」


― 大統領の前に同乗していたテキサス州知事、ジョン・ボウデン・コナリーは同じく、ケネディの身体を最初に抜けたとされる弾を自身の胸に受けた。

その際、すぐにコナリー夫人が倒れた彼の身体を自分の膝の上に引き寄せたので、空気が直接、怪我を受けた胸に吸い込まれて胸の傷が塞がり、そのため命が助かった。

彼とは別に、銃撃があった際、大統領の目の前、約82mほど離れたところで立っていた見物客の一人もまた、銃撃が原因と思われる軽い傷をその右頬に受けた。


「っていうことは、このうちの一発ってぇのは、ケネディを抜けて、コナリーも抜けて、さらに82mも離れた見物客にまで当たったってことか?」ジョンはきょとんとして言った。

「そんなはずないだろ。多分、最初に外れた一発ってのがあるから、そいつがその見物客に当たったんじゃないのか」

ステファンはあきれたように言った。

「それより、大体、地理がさっぱりわかんねぇーよ。大統領の車てぇのは、もともとどう通ってたんだって?」ジョンはかったるそうに首をまわした。

「OK、まず、車がどこを通ったかってぇと・・・、えぇっと、地図からすると、最初に車は大通りを西に向かってずっと走っていったわけだ。

それで、大通りと交差して走っている道路、ヒューストン通りで一旦、車は右に折れた。

その道路のすぐ右手に並んで建っているのが郡の犯罪裁判所ビルとこれまた郡の公文書館ビルで、その道路の左手にはディーリープラザって呼ばれる公園が広がっている。

そして、そのヒューストン通りをリムジンはそのまま北に向かってゆっくり進んで行き、すぐまた左に折れる。

そこがエルム通り。

そのエルム通りを左に曲がったところで、すぐ右手に建っているのがテキサス教科書ビル、そこが問題の銃撃場所とされているビルだ。

そして、そのエルム通りをそのまま真直ぐ西南方向に走っていくと、エルム通りと大通り、そしてエルム通りと対照になっているコマース通り、この3つの道路が一緒になって鉄橋の高架下を通っていく。

ここがトリプルアンダーパス(3車道高架下道)と呼ばれているところだ。

つまり、大統領を乗せた車ってぇのは、ヒューストン通りからこのエルム通りに入って、トリプルアンダーパスに向かってすこし走ったところぐらいで銃撃にあったってことだ」

ステファンはジョンに地図を見せながら説明した。

「ふーん、ってことは、その頬に弾の傷を受けたって奴は一体、どこに立ってたんだ?」

ジョンはまだ納得いかないらしく突っ込んできた。


「えぇっと、それはここには書いてないかな。

見物客ってのは・・・ああ、あった。名前が出てるな。ジェームズ、またはジム・テーグっていうのか。

こいつの話によるとだな、大統領がダラスを訪問した日の当日、デートに行こうと大通りを挟んでエルム通りとは反対にあるコマース通りを車で東に向かって走っていたらしい。

ところが、パレードのために道路が混雑してて、例のトリプルアンダーパスの東端辺り、つまり高架下を出かかっているところぐらいで急に車が止まったんだそうだ。

そこで、ジムは仕方なく車から外に出た。

そこが、ちょうど鉄橋に隣接したディーリープラザの近くで、その時、まさに大統領を乗せたリムジンがエルム通りにちょうど入ってくるのが見えたらしい。

そこで、彼は大統領の一行を見ることにした。

その直後、まず、何か爆竹のような大きな音が聞こえた。

そしてその次に2発、ライフルの銃声を聞いた。その時、自分の右頬に痛みが走ったらしい」

「ってことは、一発目の銃弾じゃあないよな?」

ジョンはちょっとうれしそうに言った。それを見て、ステファンはちょっとむくれた。


「まぁ、そういうことになるな。

でも、おかしいよ。だって、二人の人間の身体を通ってて、最後に遠くで立っている男の頬にまで届くなんて」

「確かに、変だよな。

でも、公式発表では3発だけだったんだろう?」


「うん、でも、このジムが言うには、最初の銃声はどう考えてみてもライフルの音には聞こえなかったらしい。」ステファンは記事をすばやく目で追った。

「ライフルの音じゃあない?じゃあ、何だって言うんだ?」それを聞いてジョンは素っ頓狂な声を出した。

「さぁな。俺にも分からないさ。でも、何か大砲のような、後で考えてみてもライフルにしちゃちょっと大きすぎるくらいの音だったみたいだ」

「ふーん、それも変な話だな。ま、何かその辺りは後で調べるとして。で?話を元に戻すけど、ケネディとコナリーのおっさん両方に当たった弾ってぇのはどんな弾だったのか、もっと他になんか書いてないか?」

ジョンはステファンをせかした。

ジョンにせっつかれてステファンは別の項目をクリックしてみた。


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