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消えたい少女と消える少女の物語

作者: 駱駝



消えたい少女の物語



 あたしを消してみたよ

 ほら ないよ

 あとかたもなくすっきり

 なんにもないでしょ



 そんな風にはできない

 だけど救いの手はない

 あたしなんか消えちゃえばいいのに

 あたしなんか消せちゃえばいいのに


 

 何でも書き込めるノート

 うそつき

 あなたを描けない

 だめなあたし



 だからあたし

 もういらないのあたし



 あたしを消してみてよ

 ねぇ なくしてよ

 こんなばかなあたしを

 あなたで染めてよ



 違いならいらない

 同じのどこがいけないの

 あたしなんかいらない

 あたしなんかなくていい



 染め上げて来た

 溶け込もうとした

 荷物は捨てた

 殺して来た なのに

 いつまでたってもあたしのまま――――



 あたしなんか消せない

 うまくいかない

 あなたにもできない

 どうしてもできない



 だけどあたしは消えたい

 あたしを消してほしい

 あなたになりたい

 あぁ あなたになりたい







消える少女の物語



 「消えて」

 


 雨が降る日にもう一度言って

 そうしたら泣けるから

 できれば激しい雨

 涙を流しても分からないから

 傘も頂戴

 顔を隠すことができるから

 柄付きのかわいい傘ね

 次に見せるへらへら笑いに似合うから

 長靴は必要ない

 かわいい靴の方が元気が出るもの

 地面はコンクリートだといいなぁ

 如何にも暗い感じ

 あぁそれと、涙で震えない声を

 泣いてなんかいないはず、なんだから

 着ていくのは明るい色のひらひらしたスカート

 あなたの目に焼きつくように

 虹色の涙が欲しいな

 ひとりで泣いても寂しくないように

 携帯なら捨てた

 いらないものは受け取らないの

 そして、一度だけ冷たく言い放って

 そうしたらあなたを憎めるから


 あなたの優しさに感謝します

 さぁもう一度言って


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