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第8話(最終章) 『記録の彼方へ -Final Mode-』



――冴の旅の終稿と、“光”が生まれた真実が明かされる。



---


世界は静寂に包まれていた。

戦いの余韻も、焦げた匂いも、今はもうどこにもない。

ただ、淡い光の粒が漂いながら、空へと昇っていく。


冴は、ゆっくりと目を開けた。

見上げた空は透き通るような蒼。

足元には、紅・蒼・翠・白・黒――彼女の歩んできた五つの色が淡く輝いていた。


> 「……ここは、“記録の境界”?」




風が頬を撫でた。

その風の中に、懐かしい声が混じっていた。


> 『冴……思い出して。私たちがなぜ戦ったのか。』




紅の光が揺らめく。


> 『守るためだ。君が信じた、この世界を。』




蒼の光が重なり、


> 『見極めるためでもある。正義とは何か、悪とは誰か。』




翠の光が包み、


> 『希望を捨てないために。どんな闇にも、光は宿るから。』




白の光が優しく寄り添い、


> 『そして……誰かを“想う”ために。』




最後に、黒の光が静かに沈み、


> 『お前が見つけた“光”こそ、我らの記録――。』




光の五重奏が冴を包む。

その中心で、冴はそっと目を閉じた。


> 「全部、覚えてる。みんな、私の中にいる。」




冴の胸元で、ドライバーグローブが輝きを放つ。

それは“Final Mode”――全てを統合する究極の姿。


装甲が消え、制服姿のまま、彼女の全身が淡い光に包まれる。

髪は七色に輝き、瞳は穏やかに光を宿していた。


> 「私が――“記録”になる。」




その瞬間、冴の身体は無数の光粒となって空へと昇っていった。

それは、過去・現在・未来を超えて、世界の記録そのものへと溶けていく。


街では、人々が空を見上げていた。

再び訪れた日常の中、風が優しく吹き抜ける。

誰もが知らないうちに、その風の中に“彼女の声”を感じていた。


> 「もう、大丈夫……あなたの明日を、見ているから。」




最後の飴玉が、空から落ちて地面に転がる。

光を反射しながら、ひときわ眩しく輝いた瞬間――消えた。


――記録の彼方に、冴の笑顔が微かに残る。



---


―Fin―


> “光は記録され、記録はまた誰かの光となる。”







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