第7話『再誕 -Rebirth Mode-』
――闇が、消えていく。
冴の周囲に広がっていた黒の世界が、静かに光へと融けていく。
倒れ込んだ冴の身体を包むのは、淡い灰色の光。
その中に、紅・蒼・翠・白――そして黒。
彼女が歩んできた五つの“記憶”の光が、ひとつに融けていた。
> 「……終わった、の……?」
冴の指先が、かすかに震える。
地面を這う光の粒が、彼女の身体に吸い込まれていく。
呼吸を取り戻した瞬間――耳元で、懐かしい声がした。
> 『冴……立て。お前は、まだ“終わっていない”。』
その声は、今はもういない仲間のものだった。
紅の勇気、蒼の理性、翠の希望、白の祈り、そして黒の闇。
全てが彼女の中に息づいている。
冴はゆっくりと立ち上がる。
ドライバーグローブの中心が、静かに輝きを放つ。
六つ目のモード――
> 「バトルモード・リバース!」
装甲が再構成される。
紅でも蒼でもない、白銀の輝き。
闇の質量を透かすような光が冴を包み込み、風が巻き起こる。
長い紅のマフラーは白く変わり、靡くたびに残光を残す。
髪もまた、透き通るような淡銀色へと染まっていた。
> 「これが……私の、すべての色。」
地面が震え、黒の冴――彼女の影が再び姿を見せる。
だが、先ほどとは違う。
その顔には、微笑みがあった。
『やっと、見つけたな。お前の“光”を。』
> 「ありがとう、もう迷わない。」
二人の冴が、拳を重ねる。
その瞬間、光と影が融け合い――世界に眩い閃光が走った。
街が蘇る。
崩れた建物が元に戻り、人々の笑い声が戻っていく。
空には、黎明の光。
冴は空を見上げ、ひとつ息を吐いた。
> 「この世界、もう一度――守ってみせる」
飴玉を取り出し、口に咥える。
噛み砕く音とともに、冴は歩き出した。
背に翻る、白銀のマフラー。
それは“再誕”の証。




