表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

第6話 『黒の境界 -Black Mode-』



――世界が、音を失った。


冴の周囲に広がるのは、灰と闇が混じり合った空間。

地面は砕け、空には裂け目が走る。

紅、蒼、翠、白……これまで纏ってきた全ての光が、闇に吸い込まれていく。


> 「ここが、“境界”……なの?」




返事はない。

ただ、低く唸るような“声”が響いた。


『――冴。お前は五つの力を得た。その代償が、何か分かっているのか?』


冴の胸の奥に、黒い光が灯る。

それはドライバーグローブの中心――紅蒼翠白の全てが混ざり合い、漆黒に染まった瞬間だった。


> 「……構わない。誰かを守れるなら、私は――」




『違う。お前が守ろうとしているものは、本当に“誰か”か? それとも“自分の正義”だ?』


声の主は、闇の中から姿を現した。

それは――冴自身。

紅い瞳を宿し、黒いスーツに身を包んだ“もう一人の冴”。


「私の、もう一つの心……“黒の冴”」


ふたりの足元に、光と闇の紋章が現れる。

世界が静かに裂ける音。

そして――


> 「バトルモード、ブラック!」




暗黒の炎が、冴を包む。

五色の残光が消え、代わりに現れたのは漆黒の装甲。

拳には“影”そのもののエネルギーが流れ込み、地面を焦がす。


> 「――これが、最後の色。」




黒の冴が笑う。

「お前にその力を扱えると思うか? 闇を喰らえば、光は消える」


> 「なら、闇ごと抱きしめる!」




冴は走る。

闇の風を切り裂きながら、自身の影と激突する。

拳と拳がぶつかるたび、記憶が弾け飛ぶ――

笑顔、涙、約束、仲間の声。


> 「……全部、私の中にある。忘れたくない――!」




最後の一撃。

冴の拳から放たれた黒光が、世界を貫いた。


静寂。

そして――


白と黒が混じり合い、灰色の光が冴を包む。

ドライバーの声が、静かに告げる。


> 『モード:リバース・コンプリート』




冴の目に、再び“紅”の光が戻る。

その瞳に映るのは、夜明けの街と――

どこか遠くで微笑む仲間たちの姿だった。


「……ありがとう。もう、独りじゃないから」


飴玉を口に放り込み、冴は噛み砕く。

「行こう――新しい戦いへ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ