表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

第3話『放課後の影 ―Campus Mode―』



朝の教室に差し込む陽光。

窓際の席に座る冴は、眠たげに机へと顔を伏せていた。

昨日の戦いで身体の奥がまだ重い。

けれど、彼女はそれを誰にも見せない。


「おーい、一色さーん! また徹夜したの?」

声をかけてきたのはクラスメイトの夏目あかり。

明るくて社交的、いつも冴を気にかけてくれる存在だ。


「ううん、ちょっと……夜、眠れなくて」

冴は曖昧に笑った。

――眠れない理由なんて、言えるわけがない。

炎と光、そして蒼の風。

怪人の咆哮が耳の奥でまだこだましていた。


教室の前では、教師が朝の連絡を読み上げている。

「昨日、○○通りでの爆発事故に関しては――」

その言葉に、冴の手がピクリと動いた。

教室がざわつく。

誰も知らない。

あの現場にいた“紅と蒼の影”が、今この教室に座っていることを。


チャイムが鳴る。

授業が始まり、時間が流れる。

黒板に書かれる文字を見つめながら、冴は自分の右手を見下ろした。

――昨夜の蒼い光が、まだ微かに残っている気がした。


昼休み。

屋上のフェンスにもたれて、冴は飴玉をひとつ口に放り込む。

「ふつうの女子高生、か……」

空を見上げて、少し笑った。

その笑顔の奥に、どこか遠い影があった。


風が吹く。

彼女の紅いリボンがふわりと舞い、

まるで遠くのどこかから“呼ばれている”ようだった。


その時――

校舎のスピーカーが不自然にノイズを発した。


> 『……ターゲット、発見。座標、学園区内……』




冴の瞳が一瞬、鋭く光る。

飴玉を「ガリッ」と噛み砕いた。


「――来た、のね」


担いでいる学生カバンが微かに脈動する。

次の戦いの鼓動が、日常のすぐ隣で始まろうとしていた。



---


> 次回、第4話『翠の残響 ―Green Mode―』

新たな色、新たな誓い。

冴は仲間と呼ぶには遠く、敵と呼ぶには優しすぎる“存在”と出会う――。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ