8.出会いはいつも突然です!
初投稿作このてを品です!
この作品に出会ってくださりありがとうございます!!
※2025/07/03(木) の注目度ランキングー連載中にて98位にランクインいたしました!ありがとうございます!
扉を開ければ大森林。
眼下には泥だらけの傷だらけのもふもふ。
助ける以外の選択肢なし。
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まずはお庭を散策する。
庭は比較的広い。余裕でドックランになりそうなくらい。庭の外には石の壁かな。ところどころ緑の苔のような物が生えていて、グルーと庭一周して設置されている。この石壁まで創造神様の結界で守られている。有り難や有り難や。
(しかし、大森林にいきなり人工物が現れて、この地に住む生き物たちはびっくりしなかったろうか)
庭には良い感じの大きな木があって、木陰でお昼寝すると気持ちよさそう。池もある。船があれば船遊びできそうです。
お庭チェックもそこそこに、石壁の中にあって大森林へと続く木の扉にたどり着く。この扉を開けたら結界の外に出ることになる。ゴクリ。
(大丈夫。大丈夫。怖くなったら転移で帰ってこればいい)ーーーちなみに、転移スキルはお庭チェック時に使用済み。転移したい場所を心で念じれば普通に使えたから。
その時、私は思った。本当に魔法使いになったんだと。成功した時はじ~んと感動した。大人だけど心躍ったよね!
「よし!まずは猫を探そう!もふもふなら何でも好きだけど、最初の家族は猫がいいなー。待っててね。まだ見ぬ私の愛猫ちゃん」
両手で観音開きの扉を開けてテイマーとしてまず第一歩を踏み出した・・・ら、あれ?
高瀬真。彼女の人生の中で「出会いに関してこの日ほど衝撃的で攻撃的な1日はなかった」と、後日振り返っていたーーー
(ちょっと、ちょっと!ボロボロの子猫?がいるんですけどー!!!)
私は心の中で沸き起こる感情を抑え込み、急いでこの子の下に駆け寄った。
(大丈夫?生きてる?生きていて。お願いします)
子猫の身体から複数の傷と血が出ている。もともとの毛色がわからないほど、血と土で汚れている。呼吸も荒い。早く綺麗にして治療しないと。
「大丈夫?触ってもいい?」
野生の手負いの子猫。声にも反応を示さない。
アイテムボックスに手を突っ込み、ペットボトルのお水とタオルを取り出す。タオルを水でぬらして汚れた身体を慎重に拭いてやる。家の水道水だから何かしら痛みを軽減できるんじゃないかという期待も込めて。
ピクッ。
子猫の耳が動いた。意識が戻ったかもしれない。手のひらに水道水を溜めて子猫の口元に近づける。ひくひくと鼻を動かし水の匂いを嗅ぐ。そして、ペロッと水を舐めた。よほど喉が渇いていたのだろう。ひと舐めした後は勢いよく飲み出した。私の片手に乗せれる水なんてたかが知れてる。急いでアイテムボックスからステンレス製の小さいボールを取り出してそこに水を入れてあげる。そして、早速貪る子猫。その姿に生きる意思を感じ少しこれからどうすべきか考える隙間が生まれた。
(お水、足りるかな?どうしよう。すぐに帰って来るつもりだったからそんなに持ってきてないんだよね。あとこの傷どうしたらいいの?どうやって、どうしよう・・・)
あわあわと焦っいると、私は思い出した。
魔法。この世界には不思議な力があることを。
創造神様はおっしゃっていた。
「魔法は『想像力』である。イメージするのじゃ。自分が何をしたいのか。それを強つ強く願うのじゃ。そうすれば【創造神の加護】が真に力を貸してくれる」
創造神様、信じますよ。そして、真は集中する。
イメージだ。イメージ。この子がが怪我が治って元気に走り回る姿を想像しろ!そして、その現実を創造するんだ。
「私はこの子を助ける。絶対助けたる。いたいのいたいの飛んでいけー!!!」
無意識に出てきたのはお母さんが小さな子供に言うおまじないの言葉。そしたら、体の中から何かがごっそり抜ける感覚に襲われた。一番近い感覚で言えば、貧血で気持ち悪くなるような状態だろうか。
子猫ちゃんに視線を戻すとどうでしょう。見る見るうちに回復していった。まず血が止まった。次に傷がふさがり、その後怪我が無くなった。呼吸も落ち着いていた。
「上手くいって良かったー」
初めて魔法を使ったけれども、なんとかこの子猫の命は救えたようだ。はー。緊張していたんだろう。身体がガチガチだった。軽く揉んでおこう。
そうしていると、子猫が私に気付いた。こちらをボーッと見つめている。うっ。可愛い。
お顔が泥だらけだけど。汚れを拭ってあげたい。でも、怖がらせてしまうかもしれないし。もっというと、親猫のところに戻った時に人間の匂いがついてたら受け入れてもらえないかもしれない。うーん。そうだ。ここはイメージイメージだ!土と血で汚れた体を綺麗にするイメージで、追加で、私の匂いを消す。これは消臭剤のイメージで。うん。いきます!
「子猫ちゃん。綺麗になーれ」
くるくる。えいっとな!
見た目は大成功だろう。汚れが落ちすっきり綺麗に本来の可愛らしい子猫の姿があった。
短毛の白猫で、目は青系。大きさはA4ファイルくらいかな?子猫にしては意外と大きいような・・・でも、ここは異世界だし、きっとこの子も魔獣だと思うから私の世界の常識は通用しないかも。
匂いはどうだろう?私の匂いは消臭されただろうか。恐らく問題ないと思うのだけど。しかし、この子猫すごく可愛い。
「にゃー」
鳴き声も可愛い。子猫独特の庇護欲をそそられる声に心がときめいてしまう。話しかけても大丈夫だろうか?
「・・・もう体は大丈夫?痛いとこない?」
「・・・」
「私、まことって言います。はじめまして」
子猫がちょっと後退った。警戒されたかな?そうだよね。人間なんて見たことないだろうし。お母さん猫と離れ離れになって彷徨っていたんだろうか。こんな小さい子がこの大森林でひとり生きていくのは非常に難しいだろう。家族がいるなら返してあげたい。その為にも、敵ではないことを分かってもらわなと。。。
「もっとお水飲む?」
空っぽになったボールに魔法でお水を出してあげた。いきなり水が溜まったボールに驚いていたけど、スンスンと匂いを嗅いで水だとわかるとチロチロと飲みだした。これで脱水症状は改善されたかな?
「君の家族はどこにいるのかなー」
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