6.衣食住足りて礼節を知るといいますよね。
初投稿作品です!
この作品に出会ってくださりありがとうございます!!
「大丈夫。これでこの大森林で生きていけます。創造神様、マーラ様ありがとうございます!」
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その後、創造神様と大地の豊作の神マーラ様にこの世界について、ひと通りのレクチャーを受けた。そのうえで私の異世界生活はこの【大森林】からスタートすることした。
最初は人里下りてこの世界の生活に慣れて、冒険者登録をしてテイマーとしての活動するのとうのも考えたんだけど。冒険者って危険なお仕事じゃないですか。魔獣と戦うとか。ましてや、護衛任務とかで対人戦とかできる気がしない。お給料は報酬という名の完全出来高制で不安定。やりたくない仕事でお金を稼ぎたくない。社会人になって人間関係でずっとしんどかったし、しばらく人間界れて自給自足の生活をします。(まあ、いつでも街に行けるように転移陣を設置してもらった。有り難や有り難や)
まずは猫、もふもふに癒やされたい!
猫と戯れてのんびり過ごすんだ!
その為に、【テイマー】のスキルを頂戴し、家の守りもめちゃくちゃ強化してもらった。ドラゴンブレスても破壊されない結界だとか。
間違って人が大森林に迷い込んでも私の家にはたどり着けないよう魔法が施されているし、神様の加護もあるから私自身命を落とす可能性は限りなく低い。あと大切なことは、それは・・・
「当面の問題は食料、ご飯だなー」
「お主、料理の腕はいかほどじゃ?肉や魚は捌けるか?」
「料理はしますけど、肉魚は捌けません。捌いたものを購入してましたし、料理といっても時短レシピばかりで・・・近くにショッピングモールがあったので、そこで惣菜買ったり、冷凍食品をレンチンしたり、外食したりするのが多かったです」
「うーむ。“しょっぴんぐもーる”の・・・すまぬが少しお主の記憶を覗いてもよいかの?真の世界のことじゃて、儂らも分からんのじゃ」
「私も後学のためにいいかしら?」
「えっ。あー。いいですよ」
「えらい軽く了承を出すの」
「さっきは知らぬ間に記憶を見られたから怒っただけです。この世界に私の世界のことを知ってくれている人じゃなくて神様だけど。いて貰えたら嬉しいですし」
「・・・ではちょっと見せてもらうぞ。“しょっぴんぐもーる”を思い浮かべて欲しい」
「わかりました」
私は先日、休日に出かけた時を思い浮かべてみた。まずは朝から併設の映画館で映画を観る。好きな俳優が出演しているシリーズもの最新話が上映されるということで、観るのを楽しみにしていた。内容はとびっきり迫力のあるアクション映画で主演俳優が自ら行うアクションがすばらしく、感嘆の叫び声を上げないようにするのが大変だった。
その後、ショッピングモール内のレストランでランチ。その時はガッツリ食べたかったのでカツ丼セットを食べた。お新香が好みのお店。
食後は、ブラブラとモール内を見て回った。服や靴を見たり、最近傘が壊れたので新しい傘を買ったり、本屋さんで小説や旅行雑誌を立ち読み、ふわふわのタオルを探したけどなかったり。
最後はモール内のスーパーマーケットでカレーの材料と玉子、飲み物、ケーキ、細々したものを購入して帰宅。ちなみに、お米などの重いものやトイレットペーパーなどのかさばるものはネットスーパーで購入して、自宅に配達してもらうのが便利でよく利用する。
「大体こんな感じですねー」
「これはすごいの。ひとつの建物の中に沢山の店がある。店の種類も多い。大体の必要なものが“しょっぴんぐもーる”で揃うのー」
「いたるところに、椅子があって歩き疲れたら休める場所があるのもいいですね。楽しくお買い物しても歩き疲れしまいますし。子供連れの家族や高齢な方も行きやすい場所ですね」
「天候にも左右されず、いつ行っても同じ店で買い物ができるのが素晴らしい。野外の市場なら雨が降ったら店閉まいしないといけないしの」
「食品売り場で売られている野菜やお肉、魚も新鮮ですね。素晴らしいわ!お肉や魚は調理しやすいようにカットされているし便利ね。出来合いの料理も種類が豊富で驚くわ。“冷凍食品”や“即席麺”なんて料理する手間がないなんて。真の世界はとても便利なのね!」
「はい。買い物はいっぺんに出来ますからねー本当に便利な場所です」
「なるほどのー。朝、昼、晩の食事の準備にかかる時間が削減されるのも納得じゃなー。真の世界はとても効率的じゃの」
「稀に凝った料理をすることもありますが・・・基本スタンスは如何に簡単に時間をかけず、洗い物を少なくすることを考えますねー料理動画とか沢山ありますし」
「料理動画とは何かしら?」
「料理動画とは料理している過程を動く映像で教えてくれるものです。料理のレシピを覚えなくても大丈夫なんですよ」
「文字や絵だけの料理本より分かりやすくていあわね。すごいわー」
「あちらの世界はこちらの世界より技術が進んでいるのようですね」
「その代わり魔法が発達しているわ」
確かに。あっちの世界にはそもそも魔法がない。不思議な力はないが、万人が使える便利な技術がどんどん開発されてきた。科学の進化は凄まじい。
反対に魔法があるから魔法を使った技術が発展しているのは当たり前っちゃ当たり前。
「なるほどのー。真の住んでいた国では自分で1から料理をしてもしなくてもよいことがわかった。じゃあ、このままでは【大森林】でひとり生きていくことが難しいと思うのじゃよ」
「ですよねー」
やっぱり難しいかな。しょうがない。人里に食料の買い出しは行かないと。大きい街なら人間関係を作る必要もないし。ただ買い物をして直ぐ転移陣で戻ってこればいいよね。
「まあ、大丈夫じゃろ。儂が【ショッピングモール】というスキルを創ったから」
えっ。【ショッピングモール】のスキル?造った?どういうこと???
「お主の記憶を見せて貰ったじゃろ?それをもとに架空のショッピングモールを別空間に創ってじゃな。そこに買い物に行けるスキルじゃ」
「まじてすかー!!!」
やばい!これはやばくないですか!?
狂喜乱舞とはこのこと。
私のこれからの人生勝ちました!
快適生活を送れること請け合いです!
あなたは神ですか!!
あっ創造神様でした!!!
「買い物の最後にお金ではなく真の魔力を払うこと。時間制限もあるから気をつけるように。時間を過ぎると魔力切れを起こすからの」
うん?これはデメリット情報がぶっ込まれたぞ。
「私の魔力、ドラゴン並みの魔力って言ってませんでしたか?ちなみに、魔力がなくなっても回復しますよね?」
「勿論。時間が経てば魔力も体力と一緒で回復するわ。でも、膨大な体内の魔力がいきなり無くなったらすごく気持ち悪くなるから気をつけてね」
「分かりました。最初は何分ですか?」
「1日20分間じゃ」
「み、短いですね」
それではひとつの店舗でしか買い物ができない。いやいや。贅沢は言ってはいけない。だって、この異世界で地元のイオンモールの品を買えると言う事。こんな有り難いスキルはない。まずは、売り場の配置を覚えて、効率的に買い物をすればいいこと。
「お主自身のレベルを上げていけば、利用可能時間も増えるし、使える店舗も増やしておくからの。楽しみにしておると良いぞ」
良い情報を聞きました。まずはレベルを上げなくちゃ。いずれはゆっくりと買い物がしたいね。
レベル上げね・・・なんかすごくラノベの主人公っぽい。魔物を倒したり、冒険に出たり、仲間がどんどん増えてきて、いずれ伝説になる。そんかハラハラドキドキの体験をする物語の主人公ーーーに私はならないけれども。
私は私のペースでまずはここで生きていこう。
「創造神様、マーラ様。色々手を尽くしてくださりどう感謝の言葉を伝えたら良いのか分かりません」
「よいよい。儂らは力を授けたが、これからどう生きるのかは真次第じゃ」
マーラ様もこちらを向いて笑顔で頷いてくださった。
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