13.心からの
初投稿作品です!
この作品に出会ってくださりありがとうございます!!
昔友人に言われた
「頭でごちゃごちゃ考えるより
頭の中真っ白にして
したいことをしてみたらいいのに」
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「あー気持ちいー」
お庭で大きなにゃんこのそばで寝転がる私。
食後片付けを済ませて一眠りしようかと考えていると、ふと私も外で寝てみよかなと思ってしまった。
そこからは、家の中にあった段ボールをクリムゾンジャガー親子のそばに敷いて、その上に敷布団とタオルケットを敷いて、枕も置いてっと。これで布団が汚れない。後片付けも楽。完璧。
「外でお昼寝って憧れてたんだよね」
ゴロン。見上げた空は青くどこまでも高く広い。両手を広げても家具や壁に当たらない。布団からはみ出た手には芝生の絨毯が触れた。ゆっくりと深呼吸。
「うーん。空気も美味しい」
解放感が素晴らしい。これは贅沢だなー。結界に守られているので、異世界の森の中で恐怖も感じず、布団で昼寝出来る幸せ。贅沢だ。創造神様マーラ様ありがとうございます!
頭を動かして、近くで眠るクリムゾンジャガー親子の様子を確認する。ちょっと前までボロボロで命の危機に瀕していた親子だけど、今は魔法で怪我も治り綺麗な毛並みも復活している。お腹が上下しているから眠れているんだろう。ここでゆっくり体力を回復して元気になって欲しい。そして願わくばずっとここにいてくれたら・・・
心地よい午後の日差しの中、真は睡魔に身を任せた。
真が完璧に眠りについてしばらく後。
クリムゾンジャガーの母親が閉じていた瞼をゆっくり開けた。そして、近くで無防備に寝ている真をじっと観察する。
見た目は何の変哲もない人間の女。
【大森林】にいるはずのないただの人間。
隙だらけ。戦いの心得もなく、強食の世界で一番に淘汰される弱者。だからこその異質。
(真は不思議な人間だ。弱者のはずなのに能力がずば抜けている。【結界】【認識阻害】【治癒】【転移】の魔法。あの威力を使うためには膨大な魔力が必要なはず。更に、ここは神様の結界で守られていると言っていた。真はいったい何者なのだろうか?神様と繋がりのある人間・・・幸い、私達に敵意も害意は無い。むしろ好意的でお人好しだ。自分のテリトリーに今日会ったばかりの『クリムゾンジャガー』を招き入れ食事の世話までするなんて普通の人間の感覚ならあり得ないのに・・・真は不思議な人間だ)
【大森林】は弱肉強食の世界。いくら強者と言われるクリムゾンジャガーであってもタイミングが悪かった。弱っている身体では産まれたばかりの我が子を守れず、自らも命を刈り取られる寸前だった。そんな時にいきなり現れたのが真なのだ。
青い目の我が子が真と出会ってくれたこと。真がお人好しであったこと。飛び抜けた能力があったこと。奇跡のような事象が重ならなければこの場にはいなかった。彼女は紛れもなく命の恩人。
この恩は必ず返さなければならない。
しかし、今は暫し彼女の慈悲のもと体力回復に努めたい。本来の力を取り戻したら真の力になれよう。力があるがお人好しである故に、悪意のあるモノに利用されてしまう可能性が高い。そんな悪意から守って見守るのも良いのかもしれない。
それに、彼女の優しさは心地よい。
なんの警戒もしてない無防備な寝顔をしばし眺め、クリムゾンジャガーは再び眠りについた。
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