NEO
はじめての百合作品かつはじめての女性ヒーローが主役の作品です。
NEO「苦味も甘味も溶け合って」
時刻は17時を周り、日も沈んできた夕暮れの教室にて私はある少女を見つめていた……。私の視線の先にいる少女の名は「時川姫華」。綺麗な黒色の髪の毛を三つ編みに縛り、眼鏡をかけ凛とした顔立ちをしている。彼女はまさに地に舞い降りた天才。生まれつき特別な才能を持って生まれた所謂「ギフテッド」と言うらしい。私がうっとりとした瞳で彼女を見つめていると、彼女は険悪そうな表情をして私に近づいてくる。
「あの……そんなにジロジロと見つめないでもらえますか……不愉快です…♡」
辛辣な言葉を並べながらもその言葉には愛がこもっている。
「だって……姫華ちゃんがかわいいから♡」
「またそうやって……///」
私がイタズラな笑みを浮かべ、顔を覗き込むと彼女は頬を赤らめ、目を逸らす。そんな彼女の表情が私はたまらなく好きだ……。
「姫華ちゃん……♡」
彼女の弱々しくも愛おしい表情に興奮を掻き乱された私は愛情いっぱいに彼女の名前を呟き、頬に手を添える。
「だ、ダメですよ……///人、来ちゃいますから……///」
「鍵は閉めてるし、こんな時間に誰も来ないよ♡ねっ?いいでしょ?♡」
適当に言い訳を並べ、赤くなった彼女の耳に甘く囁く。
「ひゃっ……///あ、朱里さん……///」
「……しちゃうね♡」
彼女の小動物のような可愛らしい反応を見た私の理性は一瞬にして崩れされ回答を聞く間もなくキスをした。
「んッ...///朱里さっ……んん……/////」
私の名前を呼ぶ声さえも遮って舌を絡める。
「っはぁ…♡」
お互いを酷く求め合う激しいキスを終えた後、ゆっくりと離れた互いの唇からは唾液が糸を引いていた。
「も、もう……///朱里さんのエッチ……///」
文句を言いながらも満足気な表情で私に抱きついてくる彼女の頭を撫でる。姫華ちゃんは私よりも数cm背が低くて、私の胸の辺りに彼女の頭が来る。
「……帰ろっか♡」
私に抱きついていた姫華ちゃんを優しく引き離し、恋人を繋ぎをしながら帰路に着く。
私と姫華ちゃんは淫らな関係。いつからだっただろうか……酷くお互いを求め合い、気が付けばさっきのように場所や状況などお構い無しに自分たちの欲望のままに不純な行為をするほど私たちは堕落して行った__。
そんな日々が続いて行くだけだと思っていたが、どうやらそうも行かないらしい。彼女は生まれつき特別な存在の「ギフテッド」。なんの才能もなく、なんとなくでこれまでもを生きてきた「凡人」である私と彼女が釣り合う訳もなく……。
「朱里さん……」
私が劣等感に浸っていると姫華ちゃんは不安そうに私の制服の袖を引っ張る。私にはこれがなんの合図かわかる。私は通学鞄の中から白いトリガーを取り出し、無言で背後に銃弾を放つ。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
私の背後には先程放った銃弾をくらい悶える怪物が居た__。
「……私を迎えに来たんですね」
私の背中に隠れながら姫華ちゃんはそう呟く。
「大丈夫だよ♡私が守ってあげるから……♡姫華ちゃんは隠れてて?」
「は、はい……」
彼女は私の言葉を素直に聞き入れ、近くの物陰へと隠れていく。
「ごめんね、姫華ちゃんにお迎えはいらないの。だから……消えてもらうね。」
【NEO!プッシュ!】
私は先程取り出した白いトリガーの円型のパーツに緑のソーダがデザインされたメダルを装填する。
「……NEO炭酸武装」
静かにそう呟いた私は地面に向けてトリガーを引いた。すると透明な缶ジュースの缶が降ってきて、缶の底から緑のソーダのような液体が湧き上がって行き、私の身体を包む込む。
【ネオスパークリング!】
トリガーから音声が流れると、透明な缶が割れて、液体に包まれて変化した私の姿が露になる。
【NEO!】
「私の大切な姫華ちゃんに手出しはさせない__。」
変身アイテムがシュワトリガーのリカラーでメダルの方は完全にソーダメダルですが、変身アイテムを流用しやすそうだったのがシュワトリガーだったってだけで今のところはシュワトリガーとの関係はありません