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      7 マリエールの城外活動

 ラムの思い通り、知り合いの食材業者はマリエール商会の代理店になった。

        7  マリエールの城外活動


 ラムは食材の納入をマリエール商会に変更する事を告げた。もう迷う事はない。ところが息子が待ったを掛けた。

「今日3時過ぎにマリエール商会の人と来てくれ。父はきみのおばあさんとの約束を守りたかったのさ。世界一美味しい、おばあさんの肉を。でもラムが家を止めると聞けば、間違いに気付く筈だ。」

この忙しい時に何を言うのだ。断わろうとしたら夫が、

「大丈夫だ、行ってやれ、きみのおばあさんの恩人だろう。」

 マリエールのいない所でマリエールの行き先が決まった。3時に来たマリエールはラムに連れ拐われた。ラムは食材卸の父親にこのままならマリエール商会に移るといい、息子はマリエール商会の代理店にならないとラムのおばあさんとの約束が守れないと言った。流石に堪えたか卸の父親も折れて、マリエールに、

「代理店にして下さい。」

と言った。マリエールは、

「このままほかっておけば手に入るものをわざわざ代理店にするメリットがない。」

と言った。ラムはこの少女がマリエール王女である事に気付いていた。 

「心優しい、マリエール王女様のお言葉とも思えません。それに私達夫婦もこの親子もマリエール王女様のためマリエール商会のため全力で働きます。代理店をお認め下さい。」

明日職員を派遣するという言葉を残して去っていった。

 代理店の息子がラムに、

「何で、彼女がマリエール王女だと判ったんだい。」

ラムは得意げに、

「マリエール商会近辺でマリエール王女らしい少女の目撃情報があったのよ。それにあの子、噂に聞くマリエール王女そのままだし気品とか佇まいが違うでしょう。」

代理店の息子は、

「要するにはったりか。」

あの時、10代前半の少女に完全に飲まれた。ラムだけがはったりをかました。

「ラムは、たいしたものだ。ありがとうよ。お陰で救われた。」

代理店の親父は礼を言った。

 マリエールはマリエール商会に戻り、近く駄菓子で駄菓子を買って店の老婆に代理店が増えた話をした。

「あそこは代理店はやらないと思っがね。肉のこだわりがあったからね。」

これで必要な所に海産物が回る筈だ。老婆は話続けた。

「知ってるかい。王宮魔術師が国宝を窃盗して投獄したら自死して、唯一の身内の娘が明日には無一文で王宮を追い出されるらしい。不正の匂いがするね。」

老婆はマリエールのアンドロイドだ。情報収集をしている。様々な情報が集まるが、その中で取捨選定してマリエールに流す。この件はマリエール取って重要と判断されたらしい。詳細な情報がマリエールにもたらされる。

 マリエールは王宮に戻る。今日は2週間に一度、国王と第1王妃とその子ども達集まる。この子ども達は王位継承権を持つ。他の子どもは、第2王妃の子ども第2王子のみが持つ。自死した王宮魔術師は第1王妃派、犯人がいれば、第2王妃派という事になる。

 マリエールは定刻に会場に出かけた。既に両陛下は着席してみえる。直ぐに会食が始まった。マリエールは、国宝盗難事件付いて語る。

「盗難された国宝は、第2王妃、第2王子派の王宮魔術師長の金庫の中にあります。直接は第2王妃の指示ですがその父親の伯爵や第2王子も承知の事です。濡れ衣を掛けられ自死した王宮魔術師の娘シルビアは私の側近とします。」

国王の指示で側近達が動き出した。

 シルビアの父親は、濡れ衣で国宝の窃盗犯にされて自死した。真犯人は第2王妃派だ。

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