2 やるべき事
2つ目は砂漠の灌漑だ。農産物を作り豊かにする。3つ目は海の開発や収穫、砂漠の灌漑や農作業を貧民にさせる事だ。
2 やるべき事
次は砂漠だ。王都の東側に砂漠が広がる。川は流れず、緑はない。広大な土地が不毛の大地だ。
「ここは数千年前までは普通の土地だったのだが、北側に山があるだろう。火山噴火で山が出来たのと川が堰き止められたせいで、ここに水が来なくなってしまった。おそらく灌漑で何とかなるはずだ。」
場所が変わった。スラム街だ。貧しい人々の棲家だ。
「この国の2パーセントの人々がスラム街に住んでいる。海や砂漠を何とかして、この人々に仕事を与えてやれたら、困っている人々を救えるのでないか。」
海と砂漠と貧民、解決すべき事はこの3つのようだ。しかし解決方法など思いつかない。また海にやってきた。
「アンドロイドだよ。神は実体がないから、アンドロイドが作れない。神が乗り移ったきみならアンドロイドが作れれる。そして神が魔法を与える。きみが作ってごらん。作り方は教えるよ。」
エメリアに教えられてマリエールはアンドロイドを幾つも作った。エメリアは彼らに半島と半島の間に土魔法で海の魔獣の侵入を防ぐ堤防を作るように指示をした。
「アンドロイドの作り方は判ったね。次に国王陛下に承認を受けなければならないね。夢物語でも構わないよ。だけど報告は大切だからね。いきなり始まると混乱するからね。それから商人や王公貴族の了解を得る事も大切だね。マリエールは人から好かれるから問題ないと思うけど。」
マリエールは今日の夕食、国王陛下と一緒だからその時でいいかと思った。あまり真面目に聞かれても応えようがないけど。
再び図書室に帰って、昼食の時間になった。エメリアとマリエールは頭の中で会話しているだけど、他の人達とは会話しなければならない。側近が、
「今日は熱心に読書してみえましたね。久しぶりで楽しめましたか。」
実は魂が飛んでいてほとんど読んでませんとは言えないから、
「ええ、とても楽しかったわ。暫く読めなかったものね。」
夕食まで家庭教師の予習だ。マナーと歴史だ。週に12科目だ。マナーは礼儀作法だが、友好国との関係部分もあるので結構複雑だ。
夕食になって、家族で集まった。と言っても国王陛下と第1王妃とその子ども達だ。時には祖母も混じる事もあるし、他の王妃や子ども達も混じる事もある。ただこのメンバーは2週間に一度夕食を共にしている。マリエールにとっては4週間振りだけど。マリエールはシナリオ通り発言した。
「私、夢を見ました。女神エメリアと約束したのです。王都の南の海に長い半島が2つあつて大きな湾になっている所があるでしょう。その湾を封鎖して海の魔獣を退治して、海産物をとって市民に配ったり、王都の東の砂漠を灌漑して農産物を作ったり、その仕事を貧民にさせる事を。女神エメリアとの約束だから、実現しないといけませんよね。」
国王陛下は、真面目な顔をして応えた。
「女神エメリアとの約束だからな。夢でもお告げという可能性もある。マリエールは信心深いから、お告げを受ける可能性は高い。しかしお告げは可能な事しか、告げない。不可能なお告げはない。」
しかし、報告したから成功だ。
夕食の時、国王陛下に女神エメリアとの約束の話をした。国王陛下から単なる夢だと断言された。