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      13 貧民達への魔法付与

 シルビアの毎日は大変だった。倒れるのはいいけど寝るのは駄目だそうだ。そんな日々が終わって、やっと寝られた。

        13  貧民達への魔法付与


 連日シルビアは地獄のような日々を送っていた。アンドロイドを毎日20体作るだけで、特に特別な事はしていない。偶々会う人達に事業の内容や目的を話すくらいだ。アンドロイド達は協調してシルビアが特に指示出さなくても事業は進む。しかし、問題はシルビアの体力だ。正直時々倒れる。どれ程倒れているか判らないが気が付けば事業は進行している。倒れる事が前提なので迂闊な所に居られない。自分のアイテムボックスの亜空間だ。ここなら進行状況が把握出来て、倒れだ時でも被害は少ない。倒れるくらいなら寝てしまっていいのではないかと思うのだが知識によると違うらしい。倒れる事は不可抗力だからアンドロイド達は働き続けるが、シルビアが自主的に寝れば職務を中断するらしい。今地下配管が終わり、川と貯め池の工事中だ。これが終われば、水が貯まるまで暫く休憩が取れる。後一息だ。

 川と貯め池を作り、バルブを開けてアンドロイドを収納して、亜空間で睡眠を取った。どれ程寝たのか空腹で目が覚めた。ガツガツと食事をした。また眠くなって寝た。

 今度は普通に起きれた。今度は灌漑だ。アンドロイドを出して灌漑の指示を出す。貯め池の水位を確認する。7分目だ。やはり川から補給も必要らしい。川からの補給工事と灌漑の指示を出した。一部のアンドロイドに別の指示を出す。貧民集めだ。

 貧民集めは結構高度な作業だ。先ず相手が本当に貧民なのかどうか見極めなくてはならない。独身生活者ならいいが、一家の担い手だった場合は一家全員集めなくてはならない。あまり一々検討するのが難しい場合は夜中に強制的に全員集める。王都の貧民は一掃された。シルビアは王都の東側の街の貧民街の貧民を集めた。

 ミリーは多分11歳だ。親もミリーの生年月日を良く覚えてない。貧民街の子どもは大抵そんなものだ。親がいい加減だから子どももいい加減に育つ、ミリーは物事を真剣に考えるのを止めていた。この先に碌な人生がある筈がない。その時だってそうだ。夜中に何かに連れ出された。貧民街では誘拐なんてざらにある事だ。人身売買は正式には認められてはいないが横行している。ミリーは拐われたか売られたかは知らないが、もうここにはいない事だけは確かだ。それはいい事どうか判らないが、別どうでもいい事だと思う。幸せになれそうにないけれど、どうせここに居ても幸せなれる筈もないからどうなってもいい。

 真っ暗な所から明るい所出た。真っ先見えたのがミリーと同じ年頃の少女だ。この子も拐われたのかと思った。

「そうね。強引に連れだされたという意味ではあなたも私も同じね。親と切り離されたという意味でもね。でもあなたを親から切り離した理由はあなたが親と切り離されてもいいと思ったからよ。」

ミリーには状況が判らない。私は誘拐されたわけではないのか。この子は何者なの。

「私はアンドロイドに貧民達を集めて付与魔法を掛けて、砂漠の灌漑をするように命令した。家族がいれば、家族全員を集めるように命令したわ。家族は一緒に居たいものでしょう。でもあなたはそう思ってない。なら家族と同じでなくてもいいわね。」

何言ってるのこの子、家族と一緒に居たいと思ってないのと今の状況に何か関係があるの。

 ミリーは貧民街の娘。拐われてもどうでもいいと思った。どうせここに居ても幸せはないし、拐われても別の生活があるだけだし。

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