12 砂漠の灌漑
シルビアは砂漠の灌漑を命じられた。必要な知識とアンドロイド作成魔法を付与された。アンドロイドは問題ないようだ。
12 砂漠の灌漑
シルビアは何時もように悲鳴を上げた。でも誰も気に掛ける者はいない。マリエールはシルビアに、
「シルビア、アンドロイド作成魔法掛けるわよ。」
マリエールは、魔力がかなり吸い取られる感触を受けた。
「シルビア、一体アンドロイドを作ってご覧。」
シルビアはアンドロイドを一体作った。マリエールはアンドロイドを観察して、
「共有アイテムボックスがあるわね。火水土風光闇の魔法もあるわ。上出来よ。シルビアあなた付与魔法を自分の魔法に出来たのね。あなたに砂漠の灌漑に必要な知識送るわ。明日から行ってきて。」
後はシルビアに見向きもせず、アンドロイド達に指示をだした。シルビアには怒涛のように知識が流れ込んだ。整理されていない知識なので理解するのが難しい。
地図とアンドロイドを収納して、シルビアは取り敢えず、湖に向かった。国王印のある開発許可証も男爵の証明もある。何憚る事無く開発が出来る筈だ。この湖から砂漠に川を作る。先に川の部分を作り最後に水を流す。バルブも付ける。所々に橋を付ける。昨日マリエールに貰った知識だ。材料はアイテムボックスの中にある。取り敢えず昨日のアンドロイドを出し、他に10体アンドロイドを出して川を作る。アンドロイドは細かく説明しなくても自分のやるべき事を理解して仕事を開始する。調子に乗って、後20体アンドロイドを作ったらグロッキーになった。一日最大20体と学習した。面白い事に、湖から5kmほどは地下配管なのだ。湖の近くは砂漠ではない湖の壁から配管を繋ぎ、バルブを介して地下に配管が繋がる。約5kmで地上に出る。そこにもバルブがある。そこからは川だ。20km先に貯め池を作る。そこを中心に灌漑を進める。
31体のアンドロイドが作業を進める。シルビアは休憩だ。知識によれば、24時間休み無しだそうだ。シルビアが寝ていても作業は進むそうだが臨機応変な対応がアンドロイドではとれないそうなので、起きて状況を確認しているべきだそうだ。今は地下配管設置中だ。アイテムボックスからラム食堂のオーク肉弁当を出して食べている。
「ラム食堂は代理店が届けているのかな。それともマリエール様が届けているのかな。」
使う魔力が多くて、分身体が出せない。だからこれまでやっていた事がなにも出来ない。
「お酒はどうしているかな、割りとマリエール商会の主力商品だったと思うけど。」
マリエール様のアンドロイドがいるので全く問題ないけど。
「私ってマリエール様のどんな存在何だろうか。砂漠の灌漑は私である理由があるのだろうか。逆に私では海洋開発は無理だから私を砂漠の灌漑に回したのだろうけど。私程度の魔術師なら幾らでもいるだろうし、マリエール様気にいられる要素があったのだろうか。やはり父と我が家の境遇なのだろうな。」
しかしながら、それだけで自分の懐に入れるような甘い人ではない。やはり使い捨てても問題にならない人間を探していたのだろう。
5kmの地下配管、20kmの川と貯め池を作る。アンドロイドは24時間作業を続けるそうだ。シルビアが寝ていても作業は続くらしいが臨機応変な対応が出来ないので起きているべきだそうだ。