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Monument

作者: 楽部

 太陽の塔。

 1970年建造。高さ70m。3つの顔、未来を表す上部の黄金の顔、現在を表す正面胴体部の太陽の顔、過去を表す背面に描かれた黒い太陽と、左右の腕を持つ。塔の内部には『生命の樹』と呼ばれる生物の進化というテーマに沿った展示物が置かれている。


 北海道百年記念塔。

 1970年9月完成。高さ100mは、開道百年に因む。天をついて限りなく伸びる発展の勢いを表現し、空に向かい無限に延びる二次曲線によって未来への発展を象徴。塔壁面の凹凸は風雪と闘った歴史の流れを表現して、塔断面は『北』の文字を、基部の平面は六角形をした雪の結晶を形象している。また、下部には静的・瞑想的空間形成を図る池も配置されている。2023年解体予定。


 ピサの斜塔。

 1173年より199年かけて建設。高さ55.86m。ピサ大聖堂の鐘楼。着工時には鉛直であったが、塔が傾き始めたため中断。以後、傾斜を修正しつつ建設は再開されたが、傾きは止まらず。修正できなかったため、最上階層のみ鉛直に建てられている。


 バベルの塔。

 旧約聖書、創世記第11章に記されている。人類がノアの大洪水の後、シナル(バビロニア)の地にその頂を天にまで届かせようと煉瓦をもって建てた巨大な塔。神はその僭越に、それまで一つであった人類の言語を乱す(バーラル) ことで互いに意志疎通できなくし、企てを阻んだ。人類は建設を断念し、各地へ離散したという。人間の思い上がり、実現不可能な計画への比喩。紀元前6世紀ネブカドネザル2世治世下、バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キのジッグラト(聖塔)遺跡と関連付けた説がある。


 塔。

 語源はサンスクリット(梵語)のstūpa(〜を積み上げる)。その音訳語である卒塔婆(そとば)の略。明治以降に流入した、西洋建築物を構成する構造物towerの対訳語として用いられるようになる。英語towerは、ドイツ語turm、フランス語tour、イタリア語torre等と同様に、ラテン語turrem、turris(高層建造物、(古代ローマの七つの丘の)大宮殿、城塞)に由来する。

 塔の歴史は監視塔や宗教塔から始まったといわれ、確認できる世界最古の塔としては、死海の北方約9kmに位置する古代都市イェリコ(紀元前8000年頃、世界最古の集落)にあった監視塔がある。




 塔、象徴する記念碑。まだ吹き抜けるだけ、の埋め立てた地でもMonumentはその姿を見せるだろうか。

 計画は組み立てられていて、バランスを取りながら、引き抜いて、上に置いていって、倒れない程度に。しかし、見通しは観測域。


 いつの間にか加わっていて、除かれている大きめの犬、カラフルなフラワー。 

 目の前の、今のところ一番の目玉のマスコットキャラクター。


 テーマとか周囲の空間との調和とか。思惑のモザイクが、不細工に作為的に、ズブズブと落とし込まれていく。後戻りしない。原点に戻らないのか、象られるデザイン。



 未来社会とは?



 過去からの積み重ね、今を表し、積み上げていったその先の、未来。


 Monumentは姿を現す。


 限界まで積まれた、ジェンガの塔が、傾いて。






 追記

 終わった後、くいは残さないように。

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