表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

154/179

05-20.【AGX-002】“シャムロック”


 新型試作MK(モビルナイト)2号機。型式番号【AGX-002】“シャムロック”


 変形機構を採用し超高機動に仕上げられ、主に接近戦に焦点を合わせた機体“エーデルワイス”と対になるよう設計した試作機。

 

 ダイナミックな機動が持ち味の“エーデルワイス”に対し、この“シャムロック”はより精密で繊細な機動が取れるように各所に工夫が施されている。

 その操作は非常に複雑で並のパイロットでは扱う事は叶わないが、駆動系と直結したPKメタルを使えば、パイロットの意思一つでそれの制御が可能だ。例えば、精密射撃モード。


 機体の全ての関節の角度をマニュアルで調整可能で、機体各所に姿勢固定用アンカーが格納されており、精密射撃後もなお姿勢を安定させる事が出来る。これによりもたらされる恩恵は、ある程度連続した精密射撃が可能になるという事だ。


 その精密な射撃を行う、対物狙撃銃“THK-09”を装備させた。チタニウム合金を纏わせた120mm弾を撃ち出すことができ、特別に配合した火薬を採用することによりかつてないほどの弾速を弾き出すことに成功した。そしてこの実弾を発射するTHK-09対物ライフルに対し、収束したビームを発射するフォトンスナイパーライフルと装備。


 フォトンスナイパーライフルは通常のフォトンライフルよりも高出力のジェネレーターを搭載させており、より強力なビーム弾を発射する事が出来る。

 しかしその分、大型のカートリッジが必要となる為、一発発射後に交換しなければならない。その為、対物ライフルと同じくボルトアクション式になっている。


 実弾とフォトンビーム兵器を併せ持つことにより、それぞれの弾丸を想定した装甲に対して使い分けが出来るように設計した。


 その兵器を使用する際に活用する観測装置の強化と、素早く狙撃ポイントを移動できるように足の速い機体に仕上げた。

 

 そしてより正確に、より安全に狙撃が出来る様に設けたのが、パイロットの念動力で操作可能な防御障壁【ディフェンダービット】だ。


 機体背面に取り付けられた6枚の羽のような形状の盾は、PKメタルを介してパイロットの意思を受けて自在に起動する。

 狙撃体勢に入り、無防備になる機体を半自動で外部の攻撃から守る。もちろんパイロットの意思を乗せなければならないので、直接的な操作は不要ではあるが、かなりの集中力と空間認識能力が必要とされる。

 その為、操作はかなり難しいものにはなってしまうが、パイロットはあのリオだ。彼女なら十分に機体を操ってくれるに違いない。


 そしてより遠距離に位置する敵機を正確に射抜くために搭載したのが【スポッタービット】

 ディフェンダービットと同じく、パイロットの念動力で遠隔操作されるそれは第二の目となり、狙撃の成功率向上に貢献している。


 対物ライフルとフォトンスナイパーライフル。

 ディフェンダービットとスポッタービット。


 それぞれ対になる装備を携える“シャムロック”は全高23mの“エーデルワイス”に比べて18mとやや小柄に設計している。

 機動力とパワー重視の機動でガンガンに前線を切り開く“エーデルワイス”のコンセプトとは違い、安全な場所から必殺必中の一撃を叩き込むのがこの“シャムロック”のコンセプトだ。


 パワーより機動力。そして防御力。それを重視させる為には機体の軽量化が必須で、でもそれにより失われた装甲の心許なさは後付けで、最悪パージ可能なディフェンダービットに依存した。


 二丁のスナイパーライフルは砲身を折りたたんで、それぞれを背部ランドセルに装着。必要な状況に併せて武装を選択する。


 翡翠色と純白が目にも鮮やかな機体色。額にあるVの字のブレードアンテナにツインアイのメインカメラ。背部ランドセルに左右3:3で対になるように装着された6枚のディフェンダービットはまるで翼のようにも見える。

 遠距離狙撃に特化した機体であり、比較的非力な機体ではあるが、それでもそのパワーは“ティンバーウルフ”などの量産機には遅れはとっておらず、軽量化により得た機動力を駆使し圧倒する事も可能だろう。

 大腿部には近距離戦用のフォトンシューターとフォトンセイバーも装備しており、間合いを詰められたとしても十分に対応出来る。


 遠距離狙撃型の機体であるが、近距離戦もこなせる。そんな汎用性の高さを持ち合わせたのが、リオが扱う最強の機体“シャムロック”だ。


 間もなく僕たちは着々と進攻の準備を整えつつあるガーランド軍に対し奇襲攻撃を行う。


 僕たちE.M.Sの個々の戦闘力は確かに高いが、なにぶん圧倒的に物量が足らない。圧倒的資金力を有したネオ・レイズ軍の相手を正面から行うほどの力は持っていない。ともなれば、不意をついて懐中の中核を討つしかない。


 そう、僕は頭からネオ・レイズ軍とぶつかろなどとは考えていなかった。

 狙うはネオ・レイズ軍の(かしら)、〝聖騎士〟ガーランドのみ。

 


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やはり新機体はワクワクするなぁ! 狙撃コンセプトの機体は大好物! サンダーボルトのダリルとか格好良いよなぁ… ビットはストフリとエアリアルみたいな感じで想像してます。
[一言] 数で負けてる以上は斬首作戦しかないか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ