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1悲哀の産声
王が死んだ。
その報せは、シラクスの城下町中を駆け巡った。先王は偉大であったから、悲しまぬ者はいなかった。だが、臣下の信心にも厚い王であったから、国の行く末を心配する者もいなかった。
何せ、王が居ずともこの先5年は安泰であろうと思われるほど優秀な臣下が揃い、その5年の間にルシバ王子が立派な王として育ってくれれば、国として何ら傾くところはないであろうと思われたからである。
だから、皆が一様に悲しみながら、眠るように逝った王の安らかな往生を祝してもいた。
王が死んだ。
その報せは、シラクスの城下町中を駆け巡った。先王は偉大であったから、悲しまぬ者はいなかった。だが、臣下の信心にも厚い王であったから、国の行く末を心配する者もいなかった。
何せ、王が居ずともこの先5年は安泰であろうと思われるほど優秀な臣下が揃い、その5年の間にルシバ王子が立派な王として育ってくれれば、国として何ら傾くところはないであろうと思われたからである。
だから、皆が一様に悲しみながら、眠るように逝った王の安らかな往生を祝してもいた。
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