表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移したらミミックになってしまった件。  作者: アイキ@kohe75438489
1570/1904

67-5 不運とは


「外宇宙から電波の様なものが降り注いでると思うんです」

「でも、それを遮断できた気はしないんでしょう?」

「それが不思議なんですよね…でも、何処かから降り注いでると思うんです」


 それが自分たちでは観測できない技術で作られていたとしても、不思議ではない。

 何とかしてその原因を突き止められるというのなら、密閉された空間に閉じこもる位する。


「外から干渉を受けているのではないのなら、中から干渉を受けているのではないでしょうか?」

「それなら、分離することはできないのに説明はつくか」

「でも何の解決になっていない」

「呪いと本人と、その存在を分離できればいいのだけれど」

「存在毎消し去られてしまうのは勘弁です」


 折角こうして出会ったので、新しく実装されたスポーツを体験しようと誘う。

 あまり深く考えすぎてもいけない。

 今日はこの密閉されて施設で休む。

 中で暮らすには非常に快適に作られている。

 ただ、壁一色ブルーカラー。何か意味があるのだろうか?

 設定で色を変えられるはずなのだけれど、入ったばかりでどこをどう操作したらいいのかいまいちわかっていない。


 街に住んでいて定期的にイベントが開催される。そうしないと住んでいる人が飽きてくる。それを防ぐために、街防衛イベント何ていう物も開催されている。

 それに仮に負けたとしても、特に何か悪影響が出るという訳ではない。

 設定としては防壁にすべてはじき返されてしまうという感じ。もしその防壁が無ければ非常に危ない、という演出に過ぎない。

 外に建てられている建物が被害を受けるだとか、農作物が荒らされるだとかそういうこともない。ただ、モンスターを防衛しつつ駆るというただそれだけのイベントなのだ。

 でもそれなりに人気のあるイベントではある。参加報酬で貰える物が、侮れない。


「何よりレイドボス戦はスキルレベルを上げられる良い機会ですから」

「参加するの?」

「流石に大人数の大会は」


 不運がまき散ると困る。伝染したら最悪だ。

 でも、レイドボス戦には参加したいので別のレイドボス戦には参加する予定。


「同好会専用レイドボスなんて言うのもあるのですよね?」

「そうなの?」

「ええ、今までその機能を使ったことはないけれど」

「こちらにも特別に、専用のレイドボス召還クエストが用意されているんです…もしよければ使ってみませんか?」

「私達で勝てそうには思えないのだけれど」

「実際かなり強いですよ…でも、負けることを前提としたスキルのレベル上げには丁度いいんです」


 壁に魔法を打つより、魔物相手に実践したほうがスキルレベルは上がりやすい。

 生命の本能。そういう物が刺激されるからだろう。

 その戦闘、安全という訳ではない。頭部は破壊されないようにきちんと守っておく必要がある。

 例え頭部が破壊されても蘇生はできるけれどそれが本当に同一人物か、そういう検証スレの様なものが建てられ、色々な議論が交わされている。

 正直、そういうリスクは皆背負いたくない。恐ろしい。

 ダンジョンの機能を使った完全な復活なので、同一人物なのは間違いない。

 でも、そうはいっても一度目の前が真っ暗になるのは嫌なものなのだ。


 折角提案してくれたのだから、断るわけにもいかない。姿だけでも拝見していくことにした。

 バトルフィールド管理NPCに声をかける。


「LV1レイドボスに挑戦しますか?」「お願いします」


 フィールドに入り、ボスが現れる。

 コンソールからいつでも撤退を選ぶことはできる。

 恐ろしい攻撃、範囲攻撃がこちらへと降り注ぐ。

 継続ダメージ、状態異常攻撃、ノックバック、種類が豊富な攻撃が対策を難しくしている。


「これは倒すことが出来そうにないかも…」

「一旦撤退しましょう」


 戦う前に作戦会議を開くべきだったと反省。

 勝つ負けるという問題ではなく、スキルをどれだけ打てるか。

 前衛がいれば攻撃を受け止めて貰えるのだけど。今それが出来るのは誰もいない。

 魔術攻撃が飛んで来れば、それを避けつつ攻撃するしかない。


「防御は、不運キャラの私が担当します」


 色々な災いを齎していた、それを対処して潜り抜けてきた。

 その為、攻撃を防御することに関してだけは人一倍慣れている。

 攻撃に関してはそれ程ではあるけれど。


「タンクがいると戦いは安定しますね…」

「ただ、相手のHPバーが減少している様には見えない」

「それは通常パーティで挑むための敵ですから。もし倒そうとするのなら、何人もの人が束になって魔法を打つのだから妥当ですよ」


 戦いは長引かせることが出来た。

 ただその時の精神疲労は尋常ではない。休みを入れて何度も挑戦したいのだけれど、やはりもう少し長く戦いたい。

 今日の所は、現状のまま戦闘を繰り返す。

 安定して戦えるようになれば、倒すこともできる目が生まれてくる。


「新しい必殺技が必要ね!」

「幾ら必殺技を覚えても相手のゲージが減らないようでは役に立たないでしょ…そうではなく」

「分かりました…必要なのは強力な武器や防具ですね」


 自らで作るという事も出来る。でも、最強を求めるとなると専門の職人に心当たりがあるという。

 コンソールから操作してその職人が出している広告ページを表示する。

 非常に有名とかそういう訳でもなく、個人的な作成依頼を受け付けてる一ユーザーだという事は見て取れる。

 果たしてそれで強くなれるかは分からないけれど、一度依頼して見る価値はありそうだ。

 問題は素材。採掘場へ行って、レア素材を取ってくる必要がありそうだ。

 面倒だから、と手を抜いていい所ではない。採掘場、そこは安全というのは間違い…なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ