表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移したらミミックになってしまった件。  作者: アイキ@kohe75438489
1010/1904

11-7 完成報告


「折角完成したのなら皆で向かいましょ?」

「それは構いませんが…今からですか?」

「ええ、勿論。善は急げと言いますでしょう?」

「急ぎすぎでは?」


 準備は整っているのかと尋ねると、全て揃ってるとの事。

 この時の為に事前に用意に用意を重ねていた、とか。

 そういう事なら拒否する方が酷なのかなぁ…。


「分かりました。仕方ありませんね。でも出戻りになるきがするので、他にも誰か連れていきません?」

「いいですよ。少しくらいなら待ちます」


 ところで少し気になるのだが、川と海との境目とはどこにあるのだろう?海の生き物を敵に回したくはないけれど、川に攻撃してもやはり結果は同じなのだろうか?それとも川まで上昇して攻撃してくるほど、海も暇ではないのだろうか?どちらが正解なのだろう??

 せっかく海辺へ皆で行くのだから、包丁さばきの達人を有志で何人か募集して連れていくことに。

 大量に魚を捕獲するのは危険を伴うけれど、釣りなら問題ない。

 皆で釣りの時間だ!


「私は釣りはしませんよー?ビーチで寛ぐだけです」


 映像で見るのと、実際の目で見るのとでは大きな違いがあると信じたい。

 評価は、それほど悪くはないようだ。辺りの魔物が近寄らないように、徹底的に辺りを壁で囲みこんだのが大きなプラスとなったようだ。


「どうして海岸に安全地帯なんて作ろうと思ったのかしら?確かに地平線は綺麗だけど」

「それに物凄く原始的な安全地帯ですよね…結界で覆いつくせば、もう少し頑丈になるはずですが…」

「何か不都合でもあるの?」

「どうでしょう?彼なりの(こだわ)りとしか考えられませんが」


「ここ、魔の森では結界なんて張っても殆ど意味がありません。そうとう強力な物でないと」

「そうなんです?」

「維持させるだけ無駄です。皆さん、壊すのが大好きなんです。だからこうして原始的な壁による防御に留めているんです」

「へぇ…じゃあ海も同じ理由?」

「海の魔物は強すぎるので、放置しているだけです」


 海辺でやることと言えば決まってる。泳げないのだから、ビーチで焼き肉バーベキューだ。


「魚は釣りあげたらどんどん職人さんに捌いてもらっていきましょう!そのまま丸焼きにするというのもありかもしれませんが」


「魔力で先端部分から雷撃を放てば、面白いように釣れるわね!網で引き揚げて頂戴!」

「流石です」

「それは、反則ではないのですか?」

「反則なら、海が丸々敵になっているはず。恐れすぎでは、ないの?無駄な虐殺、無意味な殺戮。そういうことをしない限り、海はきっと許してくれるわ」

「私たちの大切な糧となるのです」


 大量虐殺か…。

 けれど海はどれだけ警戒してもしすぎるという事はない。どれだけ強い魔物が生息しているか、その底は見えない。連携して攻撃されれば、人間なんて一溜りもない。

 でも今日今に限っては難しい事を忘れて楽しいひと時を送れそうだ。


「非常においしいわ。ここにお店を建てたいくらいね」

「安全性の面から推奨されません」

「でも、わるくないでしょう?」

「ええ、確かに」


 その日は肉を満喫。なんだか惜しい場所だなという余韻を残して帰ってきた。


「お店を建てる…そう、それだけなら可能です」

「本当!」

「でも、誰もお客様は来ませんよ。交通の便が悪いですから」

「そう…残念ね。せっかく作ったのに」

「それに…所有権というか無断で土地を使用しているので、そこで商売を始めるとなると不都合が」


 河川やその周辺は、いわば自由公園のような扱い。誰でも使用できるが、それは個人が占有してもいいという事にはならない。


「その二つが解決出来たら、お店が出来上がる…そういう事ね?一つはワープ扉を設置、もう一つは権力者に頼み込めば解決ね」

「ええ、あと最後に必要なのが防衛力ですが…それも魔界支店と同じ仕様にすれば、問題は起きない…筈です。海という領域があるのが、不安定要素(ファジー)ですが」


 海支店は基本的に無人運営で、セルフで買い物をしてもらうスタイルにした。

 どこもかしこ目面倒を見る、そんな手間暇をかけてはいられないというのが一つの理由。

 もう一つが、寂れたキャンプ場のような雰囲気を醸し出したかった為。


「さて、どうやら第一被験者が(の)そろそろ結果が出る時期のようですね…見に行かないといけません」

「ダイエットを推奨していた人たちの話ですね?」

「いい結果だと、安心できるのですが…。こればかりは個人の意思次第ですので、どうにも」

「痩せたくて集まった人です。きっと問題ないでしょう」「だといいのですが」


 挫折、そういうものに打ちひしがれてはしないかと心配なのだ。

 皆を集めて、皆の前での恐怖の体重測定の時間が始まった。


「皆さん随分緊張していらっしゃるみたいですね…減量に自信がないのでしょうか?」

「いいえ、写真判定を見る限りでは成功しているはずです」

「見せてもらっても?」


 確かに無駄な肉が取れているのが分かる。

 皆さん体重計に乗った後は歓喜の表情を浮かべていた。


「皆さんまだ安心はできません…体重を減らしただけでは。この世界にはリバウンドという恐ろしいものがあるのです」


 そう。そしてそれは生活習慣の乱れからくる。ここから元の環境に戻るという事はそれだけで非常にリスクの高い事なのだ。

 その為、引き続きここに通い様々な事後の相談を受けることを提案した。

 アフターケアも万全、体重は維持されなければ何の意味もないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ