2.
遅れ遅れの投稿申し訳ございません。
詳しくは後書きで書いておきます。
そいつはまばたきもせずこちらをにらんでいる。
どうしてこうなったんだ…
それは私が餌とるくんマークIIを作りルンルンと鼻歌を歌い(心の中で)ながら、狼もどきを狩っていた時だった。
獲物がすぐなったので少し場所を変えようとし、今までよりも先に進むことにした私は、初めてみる魔物に遭遇したのだ。
その見た目は茶色の鱗に身を包み、狼もどきより固そうな感じだった。
いやね?
いけると思ったんだよ。
これしき我がツタの前に無力とか思ってたんよ。
それがなに?
火使うなんて知らないもん!
そいつはまんまと餌とるくんマークIIにかかったのだが、それを華麗に焼きつくし、何食わぬ顔で餌のみを取ってこちらを見つめてきている。
『種族名、ヒトカゲです。硬い鱗と、火を使います。』
ポケ○ンか!
10歳で世界を旅するバトルマニアの飼っていたヒトカゲはもう少し可愛かったわ!
だがどうしよう。
餌とるくんが使えないとなると直接戦わなければならないが相手は火だしな〜
餌とるくんの燃えようからなんとなくは察しがつくけど…
『トレントは乾燥しておりよく燃えます。人間達では高級な薪として高額で取引されています。』
よく燃えるよね〜
魔物の体を燃やしてなんか発生しないのだろうか?
それにしてもライブラリーめ
女の子に向けてよく乾燥してるって、デリカシーに欠けているぞ!
取り敢えずクマと同じように、目をそらさず、ゆっくりと後退しよう…
そろーり
そろーり
うぐっ…
やっぱりこっちめっちゃ見てるよね?
『ヒトカゲは下位の龍眼を持っています。できることは低位の魔法を看破する程度ですが、現状隠蔽は看破されているでしょう。』
りゅうがん?
よくわからないが、取り敢えず隠蔽が機能してないことはわかったぞ。
すると、ヒトカゲは満を辞して襲いかかってきた。
(うひゃぁぁぁ!?)
必死にツタを振り回すが、炎によって大した効果を発揮していない。
どうすればいいんじゃぁぁ!?
ヒトカゲは口を膨らませ始めた
あれ知ってるぞ!火炎放射とか言うやつを使うきだな!
ヒトカゲは口から火を吐き出し、それを推進力にタックルをかます。
そっちかぁい!!
体をブンブンと振り、はらいおとそうとする。
はなれろぉぉ!
ツタを極太にまとめて突き刺す。
するとヒトカゲは火で抵抗としようとするが、全て燃やし尽くす前に、ガス欠を迎えた。
ズシュッという音と共にヒトカゲを突き刺す。
ふいぃー危なかったぁー
本当に死ぬかと思ったぜ
するとピロリンという聞き慣れた音と共にアナウンスが流れる。
『種族レベルが6になりました。隠蔽のレベルが8になりました。身体操作がレベル7になりました。』
おぉ!
身体操作が2つレベルがあがった!
そして隠蔽はレベル8に!
経験値の実入りがいいなぁー
もう絶対に戦わないけどね
そんなこんなでポケ○ンもどきとの死闘が幕を閉じた
ポケ○ンもどきとの死闘からの反省で、生態系について学ぼうと思った。
(私のいるこの森ってどんな場所なの?)
『ここは影の森。世界の中心と呼ばれる場所です。魔物が多く生息し、ちょうど真上に位置する天上都市ガーデンによって年中日陰なことからそのように呼ばれています。東西には平原が、北には山脈、南には海が広がっています。』
ふむふむ…
そんな環境でよく植物が生息しているよね
(影の森について教えて。)
『影の森は大きく分けて4つの生態が構成されていると考えられています。1つ目は狼王の生態系です。狼王の生態系は森の北西に位置しており、残りの3つの生態系に比べ、魔物が温厚です。狼王が生態系の頂点に位置しています。』
なるほどここはその狼王の生態系なんだろう。狼もどきが多いし。
だけどこれで温厚って、魔物の基準が怖い。
『2つ目は、森の南西に位置する炎龍の生態系です。この生態系の頂点には炎龍が立っており、炎龍の魔力によって生まれた竜種が多く生息しており、竜の上位種である、龍種も生息しています。危険度は森の中でも上位に位置します。』
ここがさっき行ったところか〜
竜ってあれだよね?
英語のドラゴンってやつだよね?
物騒すぎでしょ…よく荒野になってないわ…
『3つ目が森の北東に位置する生態系です。ここは生態系の頂点が判明しておらず、人種は、数少ない目撃情報からスノウデビルと呼んでいます。気温が低く、突発的な吹雪により、環境的には危険度が高いですが、魔物の強さはそこまで高くないことから、影の森の中で比較的安全な場所とされています。』
スノウデビルねぇ
雪の悪魔ってなんか怖いイメージだ。氷にされそう
『最後はここから南東、五源龍王ウルボロスが頂点に立つ、最高危険度の生態系です。魔物の多くに龍種、上位種が存在し、森の中でも、もっとも危険な生態系です。五源龍王は実質的に他の3つの生態系をも支配していると言われるほどに強力だと言われています。』
うへぇぇ…
なかなかにヤバい奴がおるではないか…
絶対に戦いたくない
話をまとめるとこうだ
今自分のいるのは狼王生態系。その東側にはスノウデビルなる変な奴の治る極寒地帯、南には炎龍とかいう天敵がわらわらと子供達を生んでいる場所が、そして南東にはヤバすぎる龍の王様が治る気狂いエリアが存在するということ。
となると今後進めるべきはこの狼王生態系で、なんとしてでも生き延びる力を蓄える。
その後は〜…
特に考えてないし…狼王でも倒…?
今何考えた?
狼王を倒すなんて考えたの私?
いやいや触らぬ神に祟りなし
そんな気さえ起こすことが間違いだ…
もしかして本能?
魔物って、出世に命かける本能でもあるの?
だが心の中では肯定できる。
ありえないことはない。
強者になること以外、この世界ではやることがないのだから
「ふぉっふぉっふぉ!そろそろ気付き始めたか!」
その頃、神を名乗る老人は、人をダメにするソファー的な雲に腰をかけ、あごひげをいじりながら高笑いをあげていた。
「創造主よ…あのものに何をしたのですか?」
かしずく天使と思しきそれに、老人は気前よく答えた。
「そうさなぁー。一言で言えば使命じゃ。ただしそれは私が与えたものではない。」
「と言いますと?」
「何か願いを叶えようとするとき、必ずそこには必ず願いが叶う条件がある。例えば、誰かの神になりたいという願いは、神になる条件を満たした時のみに叶えられるようにな…」
ふぅーと息を吐き、頬杖をつく。
「あの世界で、真にあの者の願いを叶えるには、1つしか方法は存在せん。わしのしたことは、それをあやつの根底に教えてやったのみよ。」
また高笑いをする老人に男は聞き返した。
「なぜ主は世界に必ずあの生物を創生させるのですか?」
老人は少し悩み口を開く
「わしは創生より、多くの生物の最終形を見てきた。時に物質、時に概念。しかしあの生き物だけは最後のすがたというものを見たことがないのだよ。」
「そんな中、ある1人の人間の言葉でわかったのだよ。あやつの生まれた世界のものじゃ。」
その言葉に男は驚きのあまり目を見開き、呼吸を忘れる
全知全能にして万物の素。
それが自分の生み出した生物に教養を得たと言ったのだ
「我思う故に我あり。様彼らの存在証明など厳密にはわしにしかできん。自分がいると思い込むだけの虚構、故に他の生物は思考能力を得ても自己の存在意義の証明と言う領域には決して踏み込まん。それをすれば自己が証明できない虚物であると感じてしまうからだ」
「しかし1人の人間はいったい。悩み苦悩し、己の存在証明をする度に自己が虚物である可能性に打ちひしがれるそのあり方こそ、人間が人間であり、その場にいる証明であると…」
神はふぅと一息をつく
「つまるところ、あの生き物は己を虚物であるかもしれないと認識しながらも、その虚物であるという思考が己の存在証明であると言ったのだ。生物としての進化を放棄したあの生物はその概念の進化を手に入れたからこそ出せる結論。自己を物質ではなく概念であると言い切れる生物は後にも先にもあれを含めて数種類よ」
老人は、どこか遠くを見るように再びため息をついた