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魔法使い使いの理想と新米魔法使い。

「で、ミノルくんは」

「だからミノルで良いよ」

 随分と呼び捨てにこだわる人だ。

「……ミノルは何をしようとしてるんですか?」

 さっきから私の事を勝手に仲間とか言ってるし、自分の家をアジトだと言っている限り何か目的があってしているのだろうと思う。

 まさか、ただかっこいいからと言うだけでこんなごっこ遊びをしてるなんて言われたらすぐさま帰ろう。

「うーん、どうやって説明したら良いと思う?」

「普通にいつも通り言えば良いじゃないか」

 ミノルが隼人に相談していたが、隼人は突っ慳貪な言い方をして返す。

 もうちょっとアドバイスしてやれよ。

「それもそうだな」

 お前もそれで納得するのかよ!

「さっきも話をしたと思うけど、僕は人の心を読める魔法なんて持ってないんだ」

 それどころか魔法使いですらないんだよ、とミノルは続ける。

「魔法使い…じゃあなかったら普通の人間なんですか?」

「そう…でもないんだよね」

 意味がわからない。

「さっき、君を魔法使いにしたでしょ?」

 さっき、手を伸ばして不良に攻撃したあの感じは多分遠隔操作テレキネシス系の魔法だろうね、と言うミノル。

「僕は人間を魔法使いにする力があるんだ」

「だから、『魔法使い使い』って名乗ったんですね」

「その通り!これで半分以上は理解できたはず!」

「いやいや、全くわからないだろ、まだ目的も話してないんだから」

 その通りだ。


「魔法使いにとって、長年の悩みになっている事はなんだと思う?」

「え、人それぞれじゃないですか?」

「うん、確かにそうなんだけど」

 ミノルは目を細めてなんとも言えない顔をした。

「ズバリ、人間との差別だよ」

「差別ですか…」

「普通の人間は魔法使いに対してあまりにも無関心で、ありもしない噂を鵜呑みにする人だっている。怜花だって今の今まで魔法使いの事あんまり知らなかったでしょ?」

「そう言われると、否定できないですね」

「だから、僕はもっと魔法使いを増やして、そもそもの人口の比率を増やすんだ」

「魔法使いが増えてくると、その人について考える人が増える、意見を無視出来なくなる」

「それで差別をなくすって訳ですね」

「そう!だから俺は仲間を増やして魔法使いがもっと生きやすい世界に変えるんだ!」

 最初は何にも考えていないただの阿呆だと思っていたが、えらく壮大な話になってきた。

 けど、この人の話は何故か引き込まれてしまう。

 本当にやってのけるような気になってしまうのだ。

「どう?賛同してくれるよね?」

「え、あ、はい」

「おし!隼人の台本通りにやった甲斐があった!」

 おい隼人、台本ってなんだ。

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